北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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変わりゆく季節の中で…

2011-08-23

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今日の朝日平の様子

 3週間以上ぶりに、ようやく日記が書けました。

 いつもながらご心配もお掛けしていますが、お陰様で元気にしています。

 前回日記を書いたのが、7月30日。 それから、怒涛のような毎日でした。

 「蓮華車道の通行止め(現在は解除済み)」というアクシデントの中、お客様の数だけでいえば、例年の半分以下という状況で推移している朝日小屋なのですが、いつものシーズンと比べるとアルバイトの人数が少なく、また新人さんも多かったので、そんなこんなの毎日がドタドタバタバタと過ぎていきました。

 今夏は、とんでもなく早くに梅雨が明けたのですが、台風6号接近(7月19日)の後からは、お天気が安定せずグズグズした毎日が続いているシーズンで、気付いたらもう小屋の周りも秋の気配が深まりつつある今日この頃です。

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 今日のお昼近く、久々にカメラを手に小屋周りをうろうろしました。
 (午後からは大雨となってしまいましたが)

 ついこの間までニッコウキスゲが満開だった朝日平ですが、今は草紅葉も始まってきました。

 キンコウカが見事に咲いて、黄色い絨毯のよう。
 イワショウブの白や、カライトソウのピンクも鮮やかです。
 ハクサンシャジンの薄紫や、タカネマツムシソウの濃い紫色もきれいです。

 でも、雪解けが遅かった「バンザイの丘」付近では、未だチングルマが可愛らしく咲いています。

 そんな『名残りの夏』と『早い秋』が、どちらも感じられる静かな今の季節が、私は好きです。

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夏が終わって…

2011-08-23

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8月22日・下山の朝  警備隊Kさん、栂海新道草刈隊長ヒロシ、マーちゃんも一緒に
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下山の前日は、盛り上がりました!  11.8.21

 昨朝、夏の短期アルバイトのみんなが下山していきました。

 ドタバタした毎日で、日記の中でみんなのことを紹介する間もなく下りて行きましたが、本当によく頑張ってくれた仲間たちでした。

 新人さんを“教育”してくれるはずのベテランさんが不足した今夏は、それぞれがとても大変な毎日でしたが、事故なくトラブルなく何とかやりくりすることが出来たのは、本当にみんなのお陰です。

 いつもながら、“社長!”の難しい注文や要求に良く応えてくれて、お客様にも喜ばれ、それがまた励みになって夏の間を乗り切ってくれました。

 笑顔の中にも、溢れる涙でいっぱいの昨日の下山になりましたが、また遊びに来てくれると約束しての一時のお別れです。

 サホちゃん、オノちゃん、アンナちゃん、そしてひと足早く16日に下山した恵子ちゃん、みんな本当に有難うね。また、会いましょう!!!

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Gパト2人、警備隊Nさん、遊びに来た元Gパト平野、そして恵子ちゃんのダンナさんも一緒に  11.8.16

 いろんなことがあります。
 大勢のみんなに助けられ、いろんな方に支えられて頑張っている、今年の朝日小屋です。

 そして小屋閉めまで頑張ってくれるのは、ヒロちゃんとトモ。 よろしくお願いします!!!  

そして残ったメンバーは…

2011-08-23

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今夜の食事風景  ひろちゃんとトモ、そして“時々居候”の陽介、それから私

 昨日、短期アルバイトの女の子たちが下山して淋しくなりましたが、今日は雨の中を陽介が登って来てくれました。

 彼は、元Gパト。そして元アルバイト、現在は北又小屋からの上下山を繰り返しながら小屋の手伝いをしてくれている「居候」です。朝日小屋にとっては、とても大事で貴重な戦力(!?)。

 陽介との付き合いは、もう5年目になります。
 Gパトからアルバイトへ、今は松本在住のS大学・大学院生で、朝日岳や白馬岳の植物の研究をしています。

 なので、今日は朝日岳、明日は白馬岳、そして週一以上の割合で朝日小屋のボッカをしつつ、小屋に着けば手伝ってくれている彼なのです。

 (とりあえず?)しばらくは、このままヒロちゃんとトモ、そして時々陽介、のメンバーで頑張る朝日小屋。

 週末の忙しい時や9月の連休には、また「エプロン部隊」や「応援団」の皆さんの手を借りながら、小屋閉めまでの50日間を乗り切っていく予定にしています。

 私も、ガンバリマス!!!

雨が落ちない一日、思うこと

2011-08-24

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今日の午前中  朝日平から眺める、白馬岳の雄姿

 もう毎日ずっと雨ばかりが続いた、そんな感がある中、今日は久しぶりにラジオ体操も外でしたし、曇り空ながらも朝から夕方までガスることなく、新川平野や周囲の山々が望めるそんな一日となりました。

 「…今年は秋の深まりが、早そうかな」何となくそんなことを思い始めている、8月下旬の今日この頃。

 秋雨前線の様子や台風情報からは、目が離せません。

 きちんとした気象情報の収集は、この先の秋山計画ではとても大切になってきます。

 標高3,000m近い高山では、万全の装備や体調管理も怠ってはいけません。それこそ、命取りになりかねませんから。

 でも、最近の皆さんは「雨が降ったら歩かない、歩けない」という方が、あまりに多いように思うのは、山小屋主人の勝手な推測と思い上がり、あるいは偏見(!?)。

 中には、「私、雨の時には歩かないことにしているの」とか、「ガスっているから、怖いので」などというお話も耳にします。

 体力を過信することなく、実力に合った山歩きをすることはもちろんですが、事前の準備をきちんとされた上で、少々の悪天や雨でも歩ける『力』を身に付けるようになりたいものです。もしもの時には、逆にそんな「普段の力」が試されるのですから。一朝一夕にはいきませんが。

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今日の夕方、どっしり構える雪倉岳の姿

 静かな朝日岳と朝日小屋は、また、「遠くて、長い道のりを歩かなければ、辿り着かない山小屋」となってしまったのは、いつの頃からでしょうか。私が子どもの頃には、考えられなかったことです。

 陽の落ちるのが早くなり、行動出来る時間が短くなる秋。

 でも、ガスの中でしか巡り合えない風景があることを思い出してください。

 登山道で人に会うことがないかもしれないから、静かに山を深く感じ思いながら歩ける、そんな『山』があっても良い、と思うのは負け惜しみでも何でもないのです。

 もちろん、「無理」と「無茶」はいけません、くれぐれも。

 朝日岳に来たかった、そう思って頂ける皆さんに、ぜひ足を運んでもらいたい、そう考える今日この頃。

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夕方の朝日平から  雪倉岳・白馬岳・旭岳の山並み

今朝の朝日平

2011-08-25

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午前8時半頃  この後天気予報どおり、午前9時から雨が降り出した

 今朝も、小屋周りをウロウロした。

 本当は山頂までも行きたいのだが、雑用もあり、なかなかその時間が取れないのと、そこまで気持ちがホントには落ち着いていないのも事実。

 30分ほどして9時になったら、天気予報どおりに雨が降り出した。

 スリッパ履きだったので、小屋に戻る。

 草紅葉も始まったのを再確認しての、ホンのつかの間の「お散歩」だった。

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みんなのお陰で乗り切った週末

2011-08-29

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お客様の夕食も無事に終わり、みんなで乾杯!!  11.8.27

 夏山最盛期の間にもなかったような好天に恵まれた、8月最後の週末。

 朝日小屋は、地元の皆さんや団体さんなどで、それなりに賑やかでした。

 でも、その前にアルバイトのみんなは下山してしまい、残っているのはひろちゃん・トモ・私の3人だけ。

 それではいくら頑張っても、食事の準備や掃除などとても対応できないということで、事前に各方面から助っ人をお願いしていて、何人もの皆さんが集まってくれました。本当に有難いことです。

 35年も昔のアルバイトのサワをはじめ、遭対協カズ・ヒロシ・ワダちゃん・浜翔・Tさん・居候陽介、みんなのお陰で無事に週末を乗り切ることが出来ました。(飛び入りで、Oさんも)

 もちろん、「ボッカ」付きでした!!!

 重たい荷物を背負い上げてくれて、その上配膳やら皿洗い、片付けに掃除と、ホントにフル回転してもらいました。

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ほぼ20~30キロ以上のボッカをしてくれたメンバー (サワが写っていないけど)  11.8.27

 本当に困っている時に駆け付けてくれるメンバー、助けてくれる人たち。
 「大丈夫!?、上手くいってる!?」と案じてくれる仲間が居てくれるのは、心強い限りです。

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朝のコーヒータイム 前日の金曜日から、3人もフル回転で頑張りました  11.8.27

 その助っ人のみんなが帰って、昨日からはまた3人。

 ガンバリマス!!!  

もしかして、「新人」バイト…

2011-08-29

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うしろ姿で、分かりますネ  11.8.22

 夏のアルバイトのみんなが下山してから、朝日小屋には「新人」のようなアルバイトがうろちょろしています。

 エプロン姿も珍しい、私「社長!」です。

 この数年、特にここ最近は、厨房担当のアルバイトが長期に居てくれて、「社長!」がシーズン中にずっとエプロンをして、しかも厨房でこちゃこちゃ動くというのは、滅多にありませんでした。

 でも今シーズンは、ここにきて、とにかくひろちゃんとトモ、そして私の、3人しかいません。

 いつも受付けに座ってお客様のお相手をしていられるのが、本当は理想なのですが、今年はそうも言っていられない状況にあり、22日以降は私も結構、食事の下ごしらえや茶碗洗いなどをしています。

 2001年に小屋の管理人を引き継いだ頃の1~2年は、私は殆ど厨房に居ることも多かったし、料理の味付けなどをして動いていたのですが、どうしてもお客様のことがおろそかになってしまうといけないので、本来は厨房はみんなに任せておくのがベスト。

 今シーズン朝日小屋の厨房は、ひろちゃんとトモがいつも以上に頑張ってくれていて、ひろちゃんの味付けも、どれもこれもとても美味しいと評判です。

 でも、今の朝日小屋の食事のメニューを維持して、「美味しかった、ご馳走様!」とお客様に喜んで頂くには、ひろちゃんとトモには引き続き頑張ってもらいつつ、私も下ごしらえや配膳など出来ることをやらなければいけないと、ただ今奮闘中デス。

 今の私はまるで、嫁に行って久しぶりに実家に帰ったら、家の中があれもこれも様子が変わっていて、「私、分からないワ」と言っている“昔の娘”みたいです。(例えが、ヘンだけど)

 知り合いには、「社長のエプロン姿は、超・珍しい!」と冷やかされつつ、まだガンバリマスからね!!!

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ご予約を、お願いします!!!

2011-08-30

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日の入りも、どんどん早くなる秋です   11.8.27 pm6:30

 朝日小屋は、ご予約が必要な山小屋です!!

 隣の小屋がありませんので、予約なしで来られたお客様を「お泊めしない」などという事は、絶対にありません。

 しかし、ここまで朝日小屋がしつこく「ご予約を!」というのには、3つの理由があります。

第一に、どのコースから来ても「長い、遠い」山小屋だからです。

 北アルプスの最北端に位置する朝日岳には、どのコースからお出でになっても、今の中高年を中心とする登山者の平均では、確実に7時間以上を要します。

 また道中には、白馬岳からのコース途中に雪倉岳避難小屋(緊急避難時のみ、使用可)があるだけで、その他からのコースには、都合が悪くなった時に緊急に駆け込める小屋はありません。

 もしかしたら、途中で誰にも会わないかもしれない、もし途中で何かのトラブルで行き倒れていても誰にも発見されないかもしれない、脅かすわけではありませんが、そんなケースさえ考えられる朝日岳であり、朝日小屋への道のりなのです。

 これから先、秋になればなお更のこと、歩く登山者も確実に少なくなり、平日では1~2組ということもあります。
 夏と違って、目撃情報がないパターンさえ出てくるのです。

 もしもの場合には、ご予約さえあれば、心配して迎えに行くことも出来ます。

 ご自身の安全、確実な登山のためにも、ご予約をお願いします。

 特に、単独の方、「一人くらいなら、予約がなくても大丈夫だろう」などと仰らずに、電話を1本お願いします。
 その時には、登山道の状況や交通機関の運行状況の確認も出来ますから、ご自分のために、ぜひご予約を。

第二には、お客様同士や小屋とのトラブルを避けたいからです。

皆さんに、朝日小屋で居心地よく過ごして頂きたいからです。

 先日、8月上旬にこんなことがありました。

 その日は平日で、ご予約は20数名。
 これなら女子だけで諸々の準備が出来るからと、男子は草刈りに出掛けました。

 ところが、ご予約がないお客様が次々といらっしゃって、てんてこ舞いになってしまいました。

 お夕食の準備だけなら、小屋のスタッフが頑張れば何とかなります。

 ところが部屋割りは、ご予約に合わせて初めから段取りをします。
 (基本的に部屋割りは、ご予約の早い順番に、小さめのお部屋をお取りすることにしています)

 その日は、27畳の大部屋が空いていたので、予約なしのお客様はその部屋に入っていただくことになりました。

 でも予約なしの方が何人お出でになるか、見当もつかず、「まぁ、大した事はないだろう」と思っていたのです。

 ところが、その日に限って次から次へと、予約なしの飛び込みのお客様が。。。

 いつもなら、その日の予想に合わせてお布団をセットしておくのですが、当日の大部屋はセットなし。お部屋で相談して、布団を敷いてもらうことになりました。

 そして上手くいくはずだったのですが。。。最後の最後に、これまた予約なしのお客様がお一人いらっしゃいました。

 私は、自ら大部屋に行き、「すみません、もうお一人お願いします」と頼みました。

 その時点で、27畳の部屋にいらっしゃったのは12名様。まだまだ余裕があったはず。
 各人で敷いてもらった布団を動かすこともなく、空いたスペースでこちらが敷くようにと思ってお願いしたのですが。

 しかし、ある方から「こっちは目一杯なので、向こう側の列に敷くようにしてくれ」との言葉が出ました。

 一瞬にして、その場の雰囲気が悪くなりました。

 「もう、よろしいです!」…これ以上お願いしても、もっと具合が悪くなりそうだったので、私は次の手を考えその部屋を出ました。

 27畳に12名。しかも、その部屋の全員が、ご予約なしの方だったはず。

 譲り合ってもらっても、良いのではありませんか。

 そんなトラブルというか、ナンダカンダがないように、「交通整理」するのも私の役目。

 30年前なら、男女別だとか、グループ構成がどうとか、本当にあまり気を遣わずにいたものです。

 でも今は、私なりにかなり気をつけて、部屋割りや布団の割り当てを考えています。

 女性の単独は、男性の方と隣り合わせにならないよう。
 グループの構成によって、部屋の組み合わせを考慮するとか。

 お出でになる皆様に、さり気ない気遣いをしつつ、快適に朝日小屋で過ごして頂きたいわけです。

 そんな理由からも、ぜひご予約をお願いします。

第三には、もちろん、お食事の準備のため。

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秋メニュー  でもこの日は暑かったので、そうめん付き  11.8.29

 山小屋は、コンビニではありません。

 夕食が終わってから、「やっぱり、お弁当作ってょ!」と言われても、困ります。

 また、朝日小屋の夕食は、午後5時からです。

 夕方4時を過ぎて遅く到着されて、「ご飯頼むよ!」と言われて、スタッフがどんなにドタバタしながら、努力しているか。

 お電話一本頂ければ、本当に幸いです。

 また、テントでお食事だけをご希望の方も、電話予約をお願いします。
 (基本的に、テントの方は、ご予約がなければお食事の提供は出来ません)

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この日は、湯豆腐が付きました!! 11.8.24

 山は、眠って、食べられなければ、歩けません。

 掃除の行き届いた快適な室内をご用意し、ゆっくり眠ってもらいたいのです。

 美味しいご飯を提供し、たくさん食べて頂けたら、もしかして明日の足取りが軽くなるかもしれません。

 そんないろいろな理由から、朝日小屋はご予約をお願いしています。

 例え、お一人様からでも、ご予約は受け付けております。

 朝日小屋のご利用をお考えの皆様、ぜひご予約をお願いします。

 直前でも構いませんが、日程が決まりましたら、なるべく早めのご予約を。

 山小屋なので、突然のキャンセルも料金は掛かりませんが、キャンセルのお電話がないと「遭難か?」と心配もしますので、中止の場合には必ずお電話を下さい。

 ただし、キャンセルのお電話も、お早めに。 当日キャンセルの場合には、朝のうちにお願いします。

 9月を前に、少ないスタッフで頑張っている朝日小屋から、重ねてのお願いです。