平成13年度 北アルプス山小屋協会総会
2002-03-06
2月28日〜3月1日にかけ、立山山麓「グリーンビュー立山」に於いて『北アルプス山小屋協会総会』が開かれ、朝日小屋管理人も出席して来ました。
当日は、「北アルプス山小屋友交会(長野県南部)」・「北アルプス北部山小屋組合(長野県北部)」・「ひだ山小屋友交会(岐阜県)」・「立山山荘協同組合」・「黒部観光旅館組合」の3県5つのブロックから、各山小屋のオーナーや支配人など約60名近くが参加、また各関係諸官省庁および関連業者等など合わせて総勢約90名の出席がありました。
この総会では、年度内の事業及び会計報告、新年度の事業計画が発表され、また新役員の選出と紹介も行なわれました。
各地区持ち回りで会長・事務局を担当しますが、平成13年度は富山県の「立山山荘協同組合」でしたが、14年度は岐阜県の「ひだ山小屋友交会」がその任にあたります。
また各地区別の実情報告もされ、発表者は、長野県南部から岳沢ヒュッテ・上條岳人氏、長野県北部から白馬館・松沢貞一氏、岐阜県から笠ヶ岳山荘・滋野 守氏、立山から太郎平小屋・五十嶋博文氏と立山室堂山荘・佐伯千尋氏、黒部から猿飛山荘・志鷹忠夫氏と阿曾原温泉小屋・佐々木 泉氏、そして朝日小屋・清水ゆかり。
昨シーズンの各地区入り込み登山者数は、各地区毎及び小屋別にかなり事情が違うようですが、全般的にはどの山小屋も「海の日」がピークで、7月は天候に恵まれ比較的良かったが、8月は思ったほどではなかったようです。特に8月20日頃の台風の接近が痛手だったという事です。シーズンを平均すると、天候に恵まれた割には宿泊者は全体として前年より若干の減、小屋によっては1〜2割の減という厳しい結果になったようです。これも不況の影響などがあるのでしょうか。
どの山小屋も、まだ受け入れ態勢の整わないまま、シーズン初めからいきなりシーズン最高のお客様を迎え入れなければいけないという混乱した様子で、その大変さも話題になりました。
やはり完全な「お天気商売」ですので仕方ありませんが、上高地などではお天気が良ければ登山者の皆さんは1日めいっぱいに行動するので、小屋によっては宿泊者が減少するといった状況が生まれたり、白馬連峰では「ただ単純に山に登る」、縦走しない、横への動きが減少したというような、中高年登山の影響なのか、そのような報告もされていました。
また白馬館の松沢社長からは、白馬山荘では昨シーズンから「ゴミ箱の撤去」が実施されたのですが、白馬山荘のゴミを朝日小屋で大量に置いていくというような事実があったので、各山小屋間で横の連絡が必要ではないかと報告され、朝日小屋管理人としては実名を挙げられ大変恐縮していた次第です。その後朝日小屋でもゴミ箱の撤去がされた事は皆さんご存知の通りです。
それから、各山小屋で規模の違いはあるものの、生ゴミ及び可燃・不燃ゴミの処理問題、また浄化槽設置の問題が関心ある共通事として取り上げられ、ここでも各山小屋間の情報交換や関係省庁の情報公開を求める声が聞かれました。
昨年も出席した総会ですが、昨年はもう本当に「新米管理人」そのもので、聞く事も話される事もチンプンカンプンでしたが、ワンシーズンを通して小屋で仕事をし、自分なりの問題意識も持ちながらの参加でしたので、とても有意義な総会でした。
また北アルプスのオーナー諸先輩達に混じって、私も生意気にも2回も発言する機会を頂き、恐縮しながらも嬉しく思いました。
定員1,500人の大きく近代的な設備の山荘から、30人も入ればいっぱいになる昔の面影を残す山小屋まで。でもそれぞれの山荘や山小屋のオーナー達の心意気に触れて、北アルプスの最北端の山小屋管理人として今年も頑張る決意がムクムクと湧いて来ました(笑)。
今日は「啓蟄」。虫も穴から這い出す、そんな春の陽気が少しづつ感じられるようになりました。小屋開けまであと3ヶ月ちょっと、今年もガンバロウッと!!
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