『夢中』
2002-04-05
登山道脇で可憐に咲く、イワウチワ
亡くなった父は今頃の時期に何をしていたかというと、ほとんど毎日のように「山菜採り」に出掛けていました。父が採って来るゼンマイやワラビやウド、コゴミやススタケ…等など、どれも太くて柔らかくて、どこの誰にも負けないくらいの収穫量もありました。朝早く出掛けて夕方遅くに帰って来て、夜通しその山ほどの山菜を始末し、また次の日イソイソと出掛ける父の姿。。。本当に少年のように生き生きしていたと思います。
そんな父と「山モン採り」に出掛けたのは小さい頃の一時期だけでしたが、どうやら私にもその血が流れているらしく、一昨年の朝日岳山開きの折に、ある場所で木の枝にしがみ付きながら必死に山菜を採る私の姿に、思わず主治医のY先生が「清水さん、それ以上は危ないから!」と後ろから叫ばれたこともありました(笑)。
そんな私が昨シーズンが終って山を降りてから、生まれて初めて手にした「一眼レフカメラ」。ファインダーの中に今まで見たことのない不思議な世界の広がりを感じて、毎回重い道具一式を背負って山を歩いてもほとんど苦にならないから、我ながらただただ不思議…。
冬の間は少し無理をして、練習のつもりでカメラを片手に被写体を探したこともあったけれど、春になって負釣山の急な斜面を登って、薄ピンク色の何とも可憐に咲くイワウチワや青空に聳える朝日岳の姿を撮っている今の自分は、それこそただ「夢中」…。
『夢中』。。。文字通り「夢の中」
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