「国有林野内宿泊施設等の経営者打合せ会」
2002-02-04
…左一番奥には、阿曾原温泉小屋・佐々木さんの姿も 02.1.30
1月30日、富山森林管理署宇奈月保養所に於いて、「国有林野内宿泊施設等の経営者打合せ会」が開かれました。今回は、城戸署長以下富山森林管理署の皆さんと、黒部観光旅館組合に所属する各山小屋・温泉のメンバーとの打合せ会でした。組合には、黒部峡谷鉄道沿線の各温泉の他、阿曾原温泉小屋や池の平小屋等の山小屋そして朝日小屋も加入しています。
私たちの山小屋には、各方面の関係各省庁や機関と緊密な連携を取りながら、登山者の皆さんの安全の確保やまた高山植物等の自然保護に務める事も大切な仕事として課せられています。
今回の打合せでは、高山植物保護等国有林野の自然保護について、平成13年度高山植物保護パトロールの結果等々についての各報告と情報交換が主な議題でした。
富山森林管理署管内全体の集計では、高山植物の摘み取り・踏み荒らし・指定地外キャンプ等などの違反者に対し、指導は対前年比107%、件数で110.9%で、約10%の増加になったという結果でした。
ご存知の通り、朝日岳周辺でも昨年7月24日〜8月23日の1ヶ月間に亘り、4名のグリーンパトロールが活躍してくれました。「海の日」の連休の集計が入っていないのですが、白馬・朝日・北又地区方面としては、「高山植物採取」が1件・1名、「踏み荒らし」が15件・37名、「指定地外キャンプ」1件等が報告されました。これは前年比39.5%で、違反が減少したという事は大変喜ばしい事と思います。
しかし朝日岳周辺は、どこからのルートもアプローチが長いので、予定以上に時間がかかってしまい、指定地外での幕営を余儀なくされたり、ひどい場合には初めから幕営指定地を無視して行動計画を立てているというパーティーがいたのも事実です。
また写真撮影を目的としておいでになる登山者の中には(もちろん、常識ある方々の方が多いのですが)、ついうっかり登山道以外に足を踏み入れてしまうケースもあるようです。
要望として、夏山が一番混雑する「海の日」の連休中にもパトロールを配備して下さるようお願いしました。
今後朝日岳周辺は、『高山植物の宝庫』として今以上に注目を集めるのではないかと思われますが、「自然保護」や「登山者のマナーの向上」については朝日小屋としても様々な機会を通じて啓蒙啓発に努めたいと考えています。
それにしても4名のグリーンパトのみんな、朝は小屋のアルバイトのみんなと同じように起きて小屋の仕事をし、1日中山を歩き、夕方から夜にかけてまた小屋の仕事を手伝ってくれました。山を歩いている時も必ずゴミを拾い、昨年は遭難者の救助活動にも協力してくれました。私達はあの若者の仕事振りや活躍を知っているだけに、多くの登山者の皆さんが同じように「かけがえのない自然を大切にした山歩き」を楽しんでいただく事を望みます。
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