朝日岳方面遭対協の秋期訓練に参加して
2003-10-28
実際にハーケンやボルトを打ち込む、清水直樹隊員
相又谷上部・ジャッケツ谷にて 03.10.26
25・26日の両日、朝日岳方面遭対協の秋期訓練が相又谷周辺で行なわれ、私も参加して来ました。 (掲示板にて、“観光従業員お酢さん”既報の通り)
今回の訓練は、(管理人の日記の中でも書きましたが)8月に沢登りの男性登山者が相又谷で道に迷い、8日目に自力下山し保護されるという遭難が発生しましたので、その現場周辺を訓練場所に選定し、協議会のメンバー等10名が参加して行われました。
遭対協からは、廣田隆夫副隊長をはじめとするメンバーが参加し、黒部市民病院から田邊ドクター(十全山岳会所属)も加わって、入善署から県警山岳警備隊の古崎分隊長と谷口隊員を講師としての1泊2日の行程でした。
8月の遭難では、朝日小屋からの現場出動はなかったものの、捜索現場がずっと不感地帯の谷沿いでしたので、私自身は、現場と所轄の警察署や対策本部、県警、現場のヘリコプターとの無線中継で、丸3日間に亘ってずっと遭対無線の係りを仰せつかっていたという次第でした。
そういう事もありましたので、朝日小屋の管理人としては、地名や地形の把握を含めて実際にその周辺をぜひ歩いておきたい、そういう考えもあって事務局に無理をお願いして参加させてもらいました。
初日は午前中に相又谷本流を登り、「デンボの谷」と「ジャッケツ谷」の出合いでテントを設営。午後からは、“精鋭部隊”で周辺の探査と状況の確認をしました。
2日目は、再び“精鋭部隊”に限り、「ジャッケツ谷」を途中まで詰めるという行程をこなして、昼食後下山となりました。
私は、もちろん“精鋭部隊”に入れるはずも無く、専ら“テントキーパー”として奮闘させてもらいました(微笑)。
今回の遭難は、一般登山道から外れた場所で発生しています。地元の山岳会等では時々会や個人の山行として登られている沢ではありますが、遭難については数年に一度発生するかしないかの場所だろうと想像できる為、今回のような救助訓練も地形の把握には必要だろうと考えられます。
それにしても、8月の救助活動を思い起こす時、遭難者が一体何処へ迷い込んだか皆目見当が付かない中、陸から空からの捜索には様々の苦労がありました。
いつもそうなのですが、山岳での遭難には、当事者や仲間・関係者の皆さんはもちろんのこと、多くの人たちの労苦を厭わない献身的な救助活動が必ず存在します。
県警山岳警備隊の古崎分隊長や谷口隊員をはじめ、朝日岳方面遭対協のメンバー一人一人も、「もしもの時」に備えて、シーズン中はもちろん日頃からの訓練を怠らないでいらっしゃいますし、小屋の管理人として今回、救助訓練に参加してその労苦の一端に触れることが出来たことは大変意義があったと思います。
秋晴れに恵まれた2日間、実りある訓練となりました。
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