『翼を持ったお巡りさん』
2005-07-20
この7月、『翼を持ったお巡りさん』という本が刊行されました。
この本は、地元朝日町出身で、元富山県警山岳警備隊隊長の谷口凱夫さんが編集されたもので、山と渓谷社から発売されました。
「ヘリ救助にかける富山県警察航空隊の現場から」というサブタイトルが付いています。
この本の中には、朝日岳に関する記載やあるいは関係者や知り合いの方々が書かれた文章もいくつか載っているのですが、特に本の帯裏に載せられている「−救助された小学生の礼状より」という文があります。
実はこれは、3年前の平成14年7月に、朝日岳近くの赤男山付近の燕岩で、白馬岳から雪倉岳を経て朝日小屋に向かって縦走中の、小学生が高山病にかかり県の消防防災ヘリで救助された時の、その当事者である男の子からのお礼状なのです。
もちろん今でも、その時のことははっきりと覚えています。
無線を傍受した消防防災ヘリが、ガスの晴れ間のほんの一瞬の隙をついて、燕岩のガレ場で小学生をピックアップしたのでした。
そんなこともあり、山岳遭難でのヘリ救助の現場に遭遇し関係する山小屋の一員としても、興味深く読み進みました。
そんな中、一昨日には負傷した登山者が朝日小屋から県警ヘリ「つるぎ」にて下山ということになりました。
昨日そのご本人から連絡があり、当初は捻挫ではないかということでしたが、病院での診察で骨折が判明し数日後には手術ということになったそうです。
あのまま、北又まで警備隊が同行して自力下山していたらどうなっていたかと思うと、ゾッとすると同時に、ヘリの要請が適切な判断であったし、へりの威力と活躍に改めて感心させられます。
しかし、ヘリ救助とて全てが磐石であるはずがありません。
心して、くれぐれも山歩きを楽しみたいものです。
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