くれぐれも、体調管理に気を配って!!
2005-07-26
再度の、県警ヘリ「つるぎ」の画像です。
大勢のお客様がいらっしゃった、週末の23日(土)。
翌朝24日(日)の私たち小屋の起床は、午前3時過ぎ。発電機を回し始めて電気が点いたのは、3時半前でした。
午前3時半、テント泊の男性が小屋に明かりが灯ったのを見て、顔を歪めながら受付にいらっしゃいました。
腹痛、とのこと。
すぐに管理人室で休んでもらい、夏山パトロールで入山中の県警山岳警備隊・平野分隊長に連絡し、病人の様子を聞き取りました。
午前2時半頃から腹痛があり、薬を服用するも治まらず、その後から右腰後ろ辺りに激痛があるとのこと。吐き気(実際に嘔吐)や冷や汗も。
午前4時過ぎに、私の主治医のY先生に連絡を取り、その様子からとりあえず考えられる、可能性のある病気などについて話をし、処置についての指示を受けました。
自力での下山は無理と判断。また山岳警備隊や遭対協メンバーでの搬送も、病気がはっきりしない段階であり、また北又までの下山には4〜5時間を要することなどから、県警へりを要請することになりました。
午前7時過ぎ、ちょうどガスの晴れ間となった時間帯があって県警ヘリがフライト、病院に直接搬送することが出来ました。
病名は、「尿管結石」。
結果としては、主治医のY先生の予想通りでした。
顔を歪めるくらいの激痛の原因でした。
50代後半の男性でしたが、既往症として結石があったわけではないのですが、突然の発症でした。
前日は、白馬大池からの出発で、朝日平のテント場まで10時間ちょっと掛かったそうです。
ひと昔前は、登山中はあまり水を飲むと「バテる」という話もあったようです。
極端な水分の取り過ぎも考えものかもしれませんが、暑い暑い夏の日差しの中を何時間も歩くというのは、やはりハードです。
小屋でいろいろなお客様を見ていると、入山前にかなり無理をして山に入る前から疲れていらっしゃるケースもあるように思います。
仕事に区切りをつけたり、数日間留守にするための諸々の準備。そして夜行電車に乗ったり、夜通し運転したり…。
そうでなくとも、猛暑の下界の生活から、数時間後には重い荷物を背負って何時間も歩くという、考えただけでも、やはり「登山」とはかなり過酷なものではないでしょうか。
予期せぬ病気は、致し方ないこともあります。
しかし、普段からの体調管理に気を配り、くれぐれも無理をしないように。
無事に下山口に辿り着いてこそ、「楽しい山行きだったね!」「あの山、良かったね!」と言えるはずです。
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