好天に恵まれ、栂海山荘まで
2003-05-01
そのしっかりとした足取りと、栂海新道にかける情熱に敬服 03.4.27
白鳥小屋で一晩ゆっくり休んだら栂海山荘まで歩く元気も戻ってきたようで、27日は私達の行く手で迎える犬ヶ岳が残雪にキラキラと輝く素晴らしい好天に恵まれました。
しかし。。。昨年も除雪山行に参加させてもらっている私は、この先の行程がどんな大変かを知っているだけに(苦笑)、好天と山並みの素晴らしさに感激しているばかりではすみませんでした。
「とにかく、今日は皆さんの足を引っ張らずに頑張って歩かなくっちゃ!」そんな不安に満ちた“悲壮”なまでの思いを(チョッと大袈裟?・笑)隠して、栂海山荘までの今日の行程が始まりました。
昨年同様、とにかく登っては下り、下ったと思ったらまた登る…。
『栂海新道』は、皆さんご存知の通り「朝日岳直下・蓮華温泉との分岐・吹き上げのコル〜親不知・日本海」です。
その全行程の中で、何処が一番大変で辛いかと言えば、季節や天候を問わずそれは「犬ヶ岳〜白鳥山」だと私は思っています。もちろん白鳥山〜親不知も、標高が低いだけに夏の間は暑さとの闘いを強いられます。がしかし、道のり自体の大変さは、やはりいくつものピークの登り降りを繰り返す「犬ヶ岳〜白鳥山」ではないでしょうか。朝日岳から来た場合も、親不知から登った場合も。
そしてその行程が雪で覆われている今の時期の行動は、雪庇の張り出しや急斜面の歩行を考えると、いつも以上に地形の熟知が要求され、また慎重な歩行や技術などの経験が求められます。この時期、白鳥山へ登る登山者の数に比べて、栂海山荘まで足を伸ばす登山者の数が断然少ないのはそういう困難さもあると思います。私も小野 健さん達が同行して下さるからこそ行ける山なのです。
急斜面の斜度は、一帯どの位あるでしょうか。夏道であればひどくなったら立ち止まることも容易ですが、急な雪面ではそれが叶わない時が間々あります。傾斜の急さに足が止まってしまいそうになりながら、それでも一気に登りきってしまわなければいけません。
雪面を登り降りする際の“キックステップ”は、疲れた足にはかなり堪えます。また急斜面での緊張の連続は、息を呑んだり殺したり、大きく吐いたり…。ふうーっっ…。
それでも昨年の経験が利いたのか、道のりが判っていたので覚悟が出来ていたからか、予定通り無事栂海山荘に到着することが出来ました。
今年の栂海山荘周辺の残雪も、思ったより多くはなく昨年並みでしょうか。「除雪山行」と言いながら、昨年同様、雪の中から小屋を掘り出す作業は皆無。
一日遅れて坂田峠から一気に上って来たのは、伊藤さんとひとみさん。そして“特別参加”は、私の日記の中にも時々登場される「いりやま岳友会」の平石さんと白沢さん。
栂海山荘の夜は、美味しいご馳走を頂きながら楽しい語らいの中、満天の星空と青海町や朝日町の街の灯かりに彩られて、遅くまで更けて行きました。そして翌日の黒岩平までの“お散歩”を楽しみにしながら、日中の布団干しでポンポンと軽くなった毛布で、ぐっすりと〈おやすみなさい…〉
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