黒岩平まで
2003-05-01
「今年も、黒岩平へ“お散歩”に」…前日同様、ぬける様な青空に誘われて黒岩平まで出掛けることになりました。
黒岩平まで行けば、朝日岳も朝日小屋ももうすぐそこ…そんな想いを胸に、歩きました。栂海山荘〜黒岩平までは、前日の行程に比べれば少し気持ちにゆとりが持てるかもしれないので、結構私の中ではルンルン気分(!?)でした。
大きくどっしりと横たわる初雪山や白金の頭、そして僧ヶ岳や毛勝三山、遠くには大日岳に続く立山や剱岳の山並みがキラキラと輝いています。そんな眺めを存分に味わいながら、細尾根・痩せ尾根を上下しつついくつかのピークを越え、さわがに山山頂へ。
自然の造形や雪の造形が、あちらこちらで見られます。
それを眺め、「キレイだねぇ…、ステキだなぁ…」と感心するひとみさんや私。
40年間、栂海新道の自然を記録していらっしゃる小野さんはシャッターを押し続けます。
また、20年以上前に一度訪れて以来、今回久し振りに栂海新道を歩いた写真家の森下さんは、いつになく積極的に(失礼!?)“仕事”をされている様子。
足跡ひとつ無い黒岩平は、まさに「別の世界」を演出して私たちを迎えてくれました。まだまだ芽吹きには早いそこには、風雪に耐えたダケカンバやシラビの姿だけが目立つのみでした。
黒岩平まで行ってしまえば、本当に朝日小屋はもうすぐそこ…。そんな気持ちの昂ぶりと切なさは、ドキドキする鼓動となって他の人に聞こえてしまわないかと思うくらいです。
いつか、黒岩平に一面に咲くというミズバショウの群落を見てみたいのですが、やはり小屋の管理人をしている以上、お花が一番ステキな時期に黒岩平へは行けないだろうというのはとても残念で仕方ありません。でも今の時期に小野さん達に連れて行ってもらえるのも、また小屋を通じて小野さんと知り合えたからと思い直し、後ろ髪を引かれる想いで黒岩平を後にしました。
今年もまた多くの登山者の皆さんがこの地を訪れ、その“楽園”の姿に熱い想いを感じてくださることと思います。そのかけがえのない自然をいつまでも大切に…シーズンを前にして、そう願わずにはいられません。
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