『ホシガラス』のこと
2003-05-16
『ホシガラス』− 高山を歩いていらっしゃる皆さんでしたら、きっとこの鳥を何度も見かけていらっしゃることでしょうネ。
『ホシガラス』…星烏・星鴉。スズメ目カラス科。高山〜亜高山帯の針葉樹林に住む留鳥で、下界で見かける“カラス”よりやや小柄なハトほどの大きさで体長は約35†前後。ハイマツの実などを主食としている。鳴き声は「ガーガー」。茶色がかった黒っぽい体毛に、白い斑点が鮮やかに見える。
小さい頃からほとんど北又〜朝日岳しか歩いたことがなかった私は、恥ずかしい話ですが「ホシガラス」の存在を知りませんでした。名前も聞いた記憶がないし、実際出逢ったこともありませんでした。
ところが、朝日小屋の中に「ホシガラス」の名前が付けられている部屋があります。お客様の目につかない、以前は“おっちゃん部屋”(アルバイトの人が使っていた)とも呼ばれていた、今は物置になっている3畳程の小さな部屋です。
管理人になって初めてのシーズン、小屋に入った私は何故かその部屋に付けられた「ホシガラス」という名前に強い抵抗感を覚えました。
『ホシガラス』…私の印象は全く以下のようでした。
「ホシ」=「干し」=「梅干」
「カラス」=「真っ黒い体の、カーカーとうるさく鳴いて、何だか不気味な雰囲気を持つ」“下界の”カラス
だから私の「ホシガラス」のイメージといえば、〜干からびた(?)カラス〜(笑)
そんな私が初めて「ホシガラス」を見たのは、一昨年歩いた蓮華温泉〜白馬大池〜白馬岳〜朝日岳のコース、三国境から白馬岳へ向かった登りの道すがらでした。
ガイドしてくれた写真家の森下さんが、「あれが、ホシガラスですよ」と教えて下さいました。その時、あの両側切り立ったガレ場を颯爽と、そしていとも楽しそうに、軽やかに何ともスマートに、スーイスーイと飛び廻っていたのが「ホシガラス」。
私の印象は完全に覆ったかって?…う〜ん、先入観とは恐ろしいもの。「ホシ=星」に結びつかなくて困惑したまま、どうしても「ホシ=萎びた」となってしまうのですが(笑)、実際に飛翔している『ホシガラス』の姿は本当にステキです。
インターネットに載せられた『ホシガラス』の写真、どれも愛らしく写っていました。今年も何処かで出逢えるといいなぁ。
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