帰って来たら、『冬』だった!!
2003-09-30
今朝は、蓮華温泉を5時半過ぎに出発。「ゆっくり、朝ご飯を食べて行けばいいのに!」とおっしゃって下さる蓮華温泉の皆さんのお気持ちを有り難く思いながらも、とにかく遅足で登りの苦手な私は、時間がかかることを覚悟しての早発ち。
気を付けながら歩いたはずの木道では、2回も転倒してしまいました。
歩き始めは小雨が降っていましたが、白高地沢へ着く頃にはすっきりとした秋の空が顔を見せてくれました。
カモシカ坂は、泥んこで歩き難かったのですが、その内ふと振り返るとうっすら雪を頂いた山並みが見えて来ました。「えっ、雪!?」
花園三角点に着くと、流れの速い雲に見え隠れしつつも、青空に白い雪を頂いた小蓮華岳、そして雪倉岳がはっきりと確認出来ました。「雪だ雪、雪が降ったんだぁ…」と、何だか子どものようにウキウキしている自分にチョッと可笑しくなってしまいました。
花園三角点は今まで何回か通っているのですが、いつもガスの中だったり雨が降っていたり。初めて見える眺めは、「エーッツ!!」と声を上げそうになるくらい、それはそれは素晴らしかったです。
花園三角点から五輪尾根を歩く道すがらは、懐深い樹林帯の中を行く素晴らしさに加えて、周りの景色を眺められて本当にステキな山歩きが楽しめました。
青空に映えて雪を頂いた小蓮華岳。
うっすらと雪を覆った山頂付近と、紅葉の始まった中腹部のコントラストが綺麗な、大きな大きな雪倉岳。
濃い緑の中に、点々と赤や黄色に染まった樹々を抱いた赤男山。
そして、たおやかに裾野を広げる朝日岳のどっぷりと雄大な姿は、「どう、私ンところの山は、スゴイやろ!?いい山やろ!?」と思わず誰かに向かって自慢したくなりそうでした(微笑)。
雪は、五輪尾根のそこここに残っていました。
前の日にその素晴らしさに感動した八兵衛平から、吹き上げのコルに向かいます。
そして…
吹き上げのコルから上部は『冬』でした!!
恵振谷から吹き上げる突風に一人さらされながらも、不思議と何だか嬉しくなってしまいました。
山には初雪が降り、これから長く厳しい冬を迎えます。その始まりのその時に、「すごいモノを見て」「こうやって山を歩いていられる」…なんて幸せなんだろう、そう思いながら山頂へと向かいました。
朝日岳の山頂では、樹々も草も葉も凍った世界。オオシラビソがまるでクリスマスツリーのようです。
1泊2日の、朝日小屋〜蓮華温泉往復の山行。
今年の宿題がやっと片付いたような、そんな満足感で一杯になって、ようやく自分の小屋へ戻って来ました。
私の拙いデジカメ写真の腕前では、私が見て来た素晴らしい風景を全て見たままお伝えできないのが本当に残念です。
まるで話し掛けるような樹々のざわめき、ヒンヤリとした風の冷たさやそよぐ音、さーっと抜けていく雲の流れ、秋の澄んだ青空と真っ白な雪のコントラスト、そして何より紅葉や黄葉の素晴らしさ。
朝日岳という山の「懐の深さ」を実感し、素晴らしさを痛感することのできた今回の山行でした。
紅葉はこれからが本番。今週中は、本当に素晴らしい出逢いがありそうですネ。
ぜひお出掛け下さい。お待ちしています!!
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