北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

前の記事

くれぐれも、体調管理に気を配って!!

2005-07-26

朝日平にて病人を搭乗させる、県警ヘリ「つるぎ」   05.7.24の画像

朝日平にて病人を搭乗させる、県警ヘリ「つるぎ」   05.7.24

 再度の、県警ヘリ「つるぎ」の画像です。

 大勢のお客様がいらっしゃった、週末の23日(土)。
 翌朝24日(日)の私たち小屋の起床は、午前3時過ぎ。発電機を回し始めて電気が点いたのは、3時半前でした。

 午前3時半、テント泊の男性が小屋に明かりが灯ったのを見て、顔を歪めながら受付にいらっしゃいました。
 腹痛、とのこと。

 すぐに管理人室で休んでもらい、夏山パトロールで入山中の県警山岳警備隊・平野分隊長に連絡し、病人の様子を聞き取りました。

 午前2時半頃から腹痛があり、薬を服用するも治まらず、その後から右腰後ろ辺りに激痛があるとのこと。吐き気(実際に嘔吐)や冷や汗も。

 午前4時過ぎに、私の主治医のY先生に連絡を取り、その様子からとりあえず考えられる、可能性のある病気などについて話をし、処置についての指示を受けました。

 自力での下山は無理と判断。また山岳警備隊や遭対協メンバーでの搬送も、病気がはっきりしない段階であり、また北又までの下山には4〜5時間を要することなどから、県警へりを要請することになりました。

 午前7時過ぎ、ちょうどガスの晴れ間となった時間帯があって県警ヘリがフライト、病院に直接搬送することが出来ました。

 
 病名は、「尿管結石」。
 結果としては、主治医のY先生の予想通りでした。
 顔を歪めるくらいの激痛の原因でした。
 
 50代後半の男性でしたが、既往症として結石があったわけではないのですが、突然の発症でした。

 前日は、白馬大池からの出発で、朝日平のテント場まで10時間ちょっと掛かったそうです。

 ひと昔前は、登山中はあまり水を飲むと「バテる」という話もあったようです。
 極端な水分の取り過ぎも考えものかもしれませんが、暑い暑い夏の日差しの中を何時間も歩くというのは、やはりハードです。

 
 小屋でいろいろなお客様を見ていると、入山前にかなり無理をして山に入る前から疲れていらっしゃるケースもあるように思います。

 仕事に区切りをつけたり、数日間留守にするための諸々の準備。そして夜行電車に乗ったり、夜通し運転したり…。

 そうでなくとも、猛暑の下界の生活から、数時間後には重い荷物を背負って何時間も歩くという、考えただけでも、やはり「登山」とはかなり過酷なものではないでしょうか。
 
 予期せぬ病気は、致し方ないこともあります。
 しかし、普段からの体調管理に気を配り、くれぐれも無理をしないように。
 
 無事に下山口に辿り着いてこそ、「楽しい山行きだったね!」「あの山、良かったね!」と言えるはずです。

お花が素晴らしい!!

2005-07-26

朝露に濡れて、ニッコウキスゲ  05.7.25の画像

朝露に濡れて、ニッコウキスゲ  05.7.25

 今年は6月中旬の小屋開けの頃でも雪が多かったのと、その後一時期寒くて日中でも気温がなかなか上がらなかったことなどで、雪解けがなかなか進みませんでした。

 「お花はどうですか!?」というご質問をずい分頂きましたが、ようやくこの4・5日前からお花がいっせいに咲き始めました。

 23・24日の週末に朝日岳周辺にいらっしゃったお客様からは、「本当に、朝日岳のお花は素晴らしいですね!!」との声を頂いて、私もまるで自分が褒められたように嬉しかったです。

 コバイケイソウやニッコウキスゲが咲き誇っていると書きましたが、他の花たちも負けじと次々と咲き出しています。

 水平道にも未だ雪が残っているような状況ですので、それが融けた後からも次々とお花たちが待ち焦がれたように咲き出すでしょう。

 今年は、朝日岳のお花の素晴らしさを充分に楽しんでいただけそうです。

2年越し、3年越しの…

2005-07-26

ヨツバシオガマ  05.7.25の画像

ヨツバシオガマ  05.7.25

 …恋、ではありません(微笑)。

 朝日岳周辺は、昨年は台風の直撃が何度もあったり豪雨にもたたられ、また一昨年は雨の日が多く、2年続けてお天気に恵まれませんでした。

 その為、2年続けて予約のキャンセルが続出しました。
 「白馬岳までは来たんですけど…」
 「明日の予報が悪そうなので、このままもう下ります」
 「朝日岳は、どうしても行きたい山なんだけど、なかなか縁がなくて…」

 そんなわけで、この週末にいらっしゃったお客様でも…
 「去年も一昨年も計画していたのですが、ようやく念願かないました!!」

 どうやら、そんなお客様が多いようですね!!

台風7号

2005-07-27

台風に備える  05.7.26の画像

台風に備える  05.7.26

 台風に泣かされた昨年の悪夢が甦るような、台風7号接近の情報。
 
 昨日は朝から、台風対策に追われました。
 小屋、そして上の写真にあるように向いにある“センター”の雪囲いをして、風で飛ばされそうなモノの始末や補強など。

 幸い、影響はそれほどでもありませんでしたが、まさに「備えあれば憂い無し」です。

 “台風直撃”は逸れましたがその影響でしょうか、今朝は朝から強い雨と風も吹いています。

 台風が来ると、もちろんお客様はキャンセル続出です。
 今日予定されていた地元朝日中学校の集団登山も、中止。一般のお客様も、この雨風では白馬岳や雪倉岳の稜線は歩けないでしょう。

 昨日からキャンセルばかりですが、今日白馬岳に登れなければ明日のご予約もキャンセル必至です。
 台風接近となれば、最低その前後3日間は“閑古鳥”が鳴くのが山小屋です。

 雨風でお花たちが痛んでしまわないように祈りながら、週末の好天に期待しながら、今日は「骨休め・休養日」となりそうです。

「山の中にいる」…その時間

2005-07-27

ミヤマダイモンジソウ  05.7.25の画像

ミヤマダイモンジソウ  05.7.25

 私は、山を歩く皆さんに、ぜひ「山の中にいる」その時間を大切にして頂きたいと思っています。

 上の写真は、小屋の周りで見つけました。
 うっかりすると見過ごしそうな小さな花たちが、今登山道のすぐ脇でもあちこちに咲いています。

 この朝日岳周辺は、お花の宝庫です。お花を目当てにいらっしゃるお客様が、何時間も掛けて長い道のりを歩かれます。
 北又からの道は、ブナの原生林です。深い山奥の匂いがして、緑が濃い大好きな道です。
 どこを歩いても、お花畑や草原あり、沢あり、湿原あり、樹林帯あり、そしてそれなりの眺望もあります。

 駆け足の登山もいいでしょう。
 でも、ふっと見つけた足元の花たちや、風雪に耐えるダケカンバの逞しさや、見上げる空の青さに心を動かされるような、気持ちに少しゆとりが持てるような登り方を、ぜひしてみてください。

 小屋に少し早く着いて、近くを散策できるような時間があればいいですね。
 連泊して、アヤメ平辺りまでのんびり散歩に出掛けるのも素敵です。
 小屋の食堂には、たくさんの山の本が並んでいます。早めに着いたら、目当ての本を見つけて読書も出来ます。

 年に何度も歩けない、北アルプスの山です。
 気持ちにも、時間にも、そして行程にも、ぜひ少しの余裕を持ってもらえたら。

 ぜひぜひ、「山の中にいる」時間を大切にして頂きたい、そう思います。

日記を書く時間

2005-07-28

今朝の朝日平から、雪倉岳・白馬岳・旭岳を眺めるの画像

今朝の朝日平から、雪倉岳・白馬岳・旭岳を眺める

 昨年までの日記は、結構夜に書くことが多かった私です。

 小屋の中で唯一携帯電話の電波が届く「カモシカ」という名のアルバイト部屋で、窓際に置いた机でこの日記を書き、張り付くようにして電波を拾って日記をUPしています。

 忙しくなってくると、日中にも夜にも電話が鳴りっぱなしで、なかなか思うように時間が取れません。
 また午後からになれば、次々いらっしゃるお客様の受付や売店での仕事があります。

 そこで、最近は朝食後(身内のご飯は、大概6時から)ラジオ体操をして、朝のミーティングが終わってからの時間に日記を書くようになりました。

 朝早い時間帯には、それほどの「電話攻勢」もなく、少し落ち着いてパソコンに向かうことができます。

 明るい朝の陽射しの中でこれから始まる一日を前にして書く内容と、一日の仕事が終わった夜の時間帯に書く日記の内容とでは、多分少し雰囲気が違うかもしれませんね。

 でも、なるべく続けて書きたい、この管理人日記です。
 週末を中心に日記がUPされない日は、「あぁ、もしかしたら忙しいのかな?」と思ってください。

 「管理人日記、楽しみにしていますょ!」と声を掛けてくださる皆さんに、とても励まされています。
 
 「たまには、バイトの子たちの写真も載せてね!」などのご要望も(微笑)。
 この週末には、今年の朝日小屋フルメンバーが揃うはず。そしたら、またチャンスを見て、ご紹介します。お楽しみに!!

久しぶりにお天気が良く

2005-07-28

朝陽を浴びて、朝露がキラリと光る   チングルマの画像

朝陽を浴びて、朝露がキラリと光る   チングルマ

 今朝の朝日平からは、黒部川扇状地がとても良く見えています。

 まさに、台風一過。
 昨夜は満天の星空でした。
 今朝は久しぶりに、海岸線がはっきり見えて富山湾が一望できます。

 富山県地方も、いつの間にか(!?)梅雨明けしたとか。晴れの日が続いてほしいものですネ。