「ぎゅーっと、抱きしめるように」
2005-09-24
昨日、栂海新道を目指すあるグループの皆さんがお出でになりました。
その中に、3年程ぶりに朝日小屋にお見えになった女性。亡父の代から、何度か通って下さっている方でした。
夕食の後、立ち話でしたが、少しお話しする時間がありました。
時々私の管理人日記も読んでいらっしゃるようで、「9月病」などと書いたりしたものだから、いろいろと心配して下さっていました。
その中で出た話…。
その方が以前から通っていた、ある山小屋。
最近先代のオヤジさんから、徐々に息子さんご夫婦に経営が移っていっているようです。
…… 前のオヤジさんの時は、小屋に行くと『おぉ、遠い所ホントによう来たなぁ!!』と “ぎゅーっと、抱きしめるように” 迎えて下さったように思えて、結構足繁く通っていたんだけど、息子さんになったら、何だかあっさり「いらっしゃいませ」と言われているだけのような気がして、最近はなかなか足が向かわない ……
「あぁ、登山者・お客様の皆さんは、こういう風に感じている時もあるんだ」 そう思った一瞬でした。
私も亡父から管理人を引き継いだ形で、もう5年。
日常的な小屋の切り盛りはもちろんのこと、そして日々のお客様との応対だけでなく、警備隊や遭対協他関係者の皆さんとの関係、そして大蓮華山保勝会の会員の皆さんとの関係…、その他とにかく諸々に気配りをする毎日です。アルバイトや週末にお手伝いに来てくれるみんなも、大切にしなくてはいけません。
でも昨日のお客様の話は、小屋の管理人として「一番大切にしなくてはいけない、気持ち」を再確認させられたようで、ハッと思いました。
… 『よく来たね!!』と、先ず受け入れる …
この言葉は、管理人になってしばらくしてある方に教えられたひと言です。
でも、特に夏山繁忙期を中心に、小屋が最高に混んでいる時、またいろいろなお客様との「思いもかけない場面に遭遇した時(!?)」、果たしてそのことが確実に実行されているのか、いつも自問自答は繰り返してはいるのですが、どうでしょうか。
「ぎゅーっと、抱きしめるように」お客様を迎える…
(正直なところ、実際には何でもかんでもという訳にもいかず…)
いろいろな場面で難しい時もあるでしょうが、そんな気持ちはいつもいつまでも大切にしたいと、改めて思った昨日の夜でした。
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