北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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5年目にして…

2005-10-11

ガスの中、今日の夕方には電話のアンテナを撤去  の画像

ガスの中、今日の夕方には電話のアンテナを撤去  

 お客様にも手伝って頂いた(!?)『食糧計画』も無事に滞りなく進行したお陰で、ようやく5年目のシーズンにして、もしかしたら「予定通りに進んだ」下山日を迎えられるかもしれません。

 お天気も雨や霙といったことがないので、外仕事を中心に、全ての作業が少し予定より早めに片付いています。

 それもこれも、最後の仕事を手伝ってくれているアルバイトやその他の皆さんの力があってこそです。

 明日は、午前10時頃には下山を始めたいと思っています。

05シーズン、最後の日記です…

2005-10-11

名残のミヤマアズマギク  小屋の横で  05.10.11の画像

名残のミヤマアズマギク  小屋の横で  05.10.11

 朝日小屋の今シーズンの営業は、昨日お泊りになった4名のお客様を今朝早くにお送りして、全て終了しました。

 明日の午前中には下山を開始しますが、4ヶ月の間小屋から発信し続けた今シーズンの日記は、今日のこのページが最終となります。

 最後の日記を、畳が上がった「かもしか」の部屋で書いています。

 皆様には改めて、シーズン中のお礼をさせて頂きますが、いろいろな点で本当に有難うございました。
 どうにか無事に4ヶ月のシーズンを終えることが出来そうです。

 まだまだ明日無事に北又小屋に着くまでは、気が抜けませんが、とりあえずお礼まで。

 本当に有難うございました。

無事に下山して来ました、有難うございました!!

2005-10-14

小屋閉めの日  みんなで最後の記念写真   05.10.12の画像

小屋閉めの日  みんなで最後の記念写真   05.10.12

 12日、無事に小屋を閉めて下山して来ました。
 4ヶ月のシーズン、本当に有難うございました。

 12日の夜に「打ち上げ」をして、みんなで慰労。散々飲んで歌って、最後の楽しい夜を過ごしました。

 一夜明けて、昨日テツと悠を送り出しました。
 山ちゃんとみきちゃんが昨日は「沢」へ遊びに行き、今日の午前中にそれぞれ帰って行きました。

 これで、全てのアルバイトの子たちが引き上げていって、私の仕事も終わり。

 しばらく、「充電」したり、また他の山へ行く計画もあったり。
 
 本当に有難うございました。

明るい、「小屋閉め」でした!!

2005-10-14

最後に、発電機室の囲いをする  05.10.12の画像

最後に、発電機室の囲いをする  05.10.12

 「初氷」もなく、もちろん「初雪」は降らず。

 5年目にして、明るい「小屋閉め」と「下山日」でした。

憧れの涸沢から、初めての3,000m峰へ

2005-10-25

雲ひとつ無い青空の下、満面の笑みで  05.10.20の画像

雲ひとつ無い青空の下、満面の笑みで  05.10.20

 しばらく日記が途絶え、「きっとゆかりは、小屋閉めの疲れから“グテーッ!”としているのでは…」とご心配戴いた皆様、本当にすみません。

 
 実は、山へ行っていました。それも、憧れの涸沢から、晩秋の3,000m峰へ!!

 一昨年秋、私には行けるはずも無いと思っていた剱岳に登って以来、「いつかは涸沢へ。そしてまた岩稜の山へも…」と憧れ続けていた穂高連峰の中の3,000mの峰を3山も登ることが出来、本当に満足の山行きでした。

 今回の同行者は、長野県白馬村遭対協所属の元村さんと、息子さんで小学5年生の友一クン。
 元村さんは白馬岳方面の常駐隊の方で、夏の間中は白馬岳を中心にパトロール員として活動されています。2年程前に娘の綾花ちゃんが朝日小屋にアルバイトに来てくれていた関係もあって、親しくして頂いています。

 
 18日は、午後から松本へと向かい、次女・はるかのアパートで一泊。
 好天に恵まれた19日は、上高地から入って横尾経由涸沢まで。
 元村さんとの共通の知人が涸沢小屋に居て、今回はその彼に会うのも目的だったので、涸沢小屋に泊りました。(結果的に、連泊しました)

 雲ひとつ無い青空が広がった20日は、涸沢小屋から北穂高岳へ。
 そして、涸沢岳を経由して穂高岳山荘で休憩。
 少し欲張って、奥穂高岳山頂を往復。
 ザイデングラードを下って、夕方に涸沢小屋に戻りました。

 本当は、21日は徳本峠小屋に泊って22日に島々に下りる予定にしていたのですが、元村さんに急用が出来、21日には私も上高地へと下山しました。

 
 …こんな風に書くと、まるで青空の下スイスイと歩いてきたような印象を受けるでしょ!?(苦笑)
 そんなこと無いんですよ、もう〜ッ、ホントに!!
 あちこちに鎖場やハシゴがあるような岩稜の山、手に汗を握りながら、真剣そのものの私でした。

 涸沢小屋では「念のため」と言いつつ、いろいろ装備も貸して頂き、元村さんには「ゆかりさん、ザイル結ばないで大丈夫ですか!?」と聞かれながらの、ハラハラドキドキの、『へっぴり腰』での初めての3,000mでした。

 でも、いつかこの「恐怖感」と「スリル感」が、『何とも言えない、快感!!』に変わる日が、やって来るといいなぁ。…な〜んて!!!
 
 いつも山小屋の会合でお会いする、長野県南部の皆さん。それぞれの小屋も快く見せて下さったり、泊めて頂いたり。行く先々で、とても親切にしてもらって来ました。
 たくさんの事を勉強することが出来、本当に素晴らしい山行となりました。

 去年の今頃は何処へも行けず鬱々としていた私でしたが、今年は、シーズンが終わってもますます元気です。

 
 北穂高岳に着いたとたん、目の前にど〜んと大きく広がった槍ヶ岳の雄姿に、思わず歓声を上げた私。写真の顔、本当に嬉しそうでしょ!?

 そう、今度はぜひぜひ槍ヶ岳へ…。密かにチャンスを狙います!!(微笑)

いろいろな山

2005-10-25

晩秋の早朝、朝陽に輝くナナカマドの実と前穂の峰々   05.10.20の画像

晩秋の早朝、朝陽に輝くナナカマドの実と前穂の峰々   05.10.20

 『自分の山』(と言うと、表現が上手くいかないが)と山小屋だけを見続け守り続ける、それもひとつ。

 いろいろな山を見て、また自分の山を深く想う、それもまたひとつ。
 
 それもいいかな、どちらもいいかな、と。

「山の神様」に感謝!!

2005-10-25

「証拠写真」   奥穂高岳山頂にて   05.10.20の画像

「証拠写真」   奥穂高岳山頂にて   05.10.20

 上の写真、何で手のひらを広げているか分かりますか?

 実は、日本で3番目に高い奥穂高岳の山頂で方位盤を見ていたのですが、その方位盤の石積みの周りで一緒に行った友一クンがちょろちょろ。
 
 高い所が割りと怖い(!)、私。
 
 「友一クン、危ないよ、危ないから!」と、石積みの上を平気で動く彼を見ていたら、気が付いたら私の手のひらに汗がベト〜ッッ…。
 (ホント、手に汗握るとはこのこと。笑えない)

 そして私は、しっかり方位盤を抱えていました…。

 でも、今回は本当にお天気に恵まれました。
 雲ひとつ無い青空が広がり、朝から快晴。夕方までガスも上がって来ず、そして無風。行き交う登山者の方も少なく、360度の眺望を思いのままに堪能することが出来ました。

 本当は、無理をせずに涸沢小屋から北穂高岳だけか、あるいはザイデングラードを登って奥穂高岳だけの、どちらかを歩くつもりでした。

 でもあまりに良いお天気に、さすがに岩稜歩きが不安な私でも、ちょっと欲張りになりました。
 
 「このお天気は、山の神様が私に、頑張って行って来いョと言って下さっているのかも」なんて、勝手に決め込んで。

 もし曇っていたり雨風だったら、軟弱な私は諦めていたかもしれません。

 素晴らしいチャンスを与えて下さった山の神様に、心から感謝です。

 そしていろいろアドバイスしながら、3,000m峰を案内して下さった元村さん、「小学生の子が頑張っているんだから、私も」という気にさせてくれた友一クン、有難うございました。