北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

前の記事 次の記事

「栂海新道」に至る、各コースについて

2008-10-01

今日の朝日岳  日に日に、秋の彩りにの画像

今日の朝日岳  日に日に、秋の彩りに

 アルプスと日本海を繋ぐルート「栂海新道」は、朝日岳を起点・終点としています。

 このルートを成功させるために、そこへと至る、つまり朝日岳へお出でになる各コースについて、参考までにお知らせ致します。

 「栂海新道」を成功させるためには、とにかく『充分な余力』を残したまま、朝日岳から日本海へと向かうことが重要なポイントとなるのではないでしょうか。

 何しろ、朝日小屋から未だ2日間、一日8時間以上歩かなければいけないのですから、体力も気力も充実させたまま、吹き上げのコルから先を歩かなくてはいけないでしょう。

 そのための参考として頂ければ、と思います。

1.白馬岳から
 
 大雪渓から、栂池から、あるいは蓮華温泉から入って、もしくは南から縦走して来られて、白馬岳へ。
 
 白馬岳から朝日岳を経て栂海新道となると、1泊以上宿泊が余計になる分、背負う荷物が重くなることも考えられます。
 
 「3,000m級の主稜線から日本海へと繋ぐ」との思いが、“ガンバリ”を継続させることとは思いますが、それぞれの体力と相談の上、充分な計画を立ててお出で下さい。

 また、いざという時のルート変更やエスケープの覚悟もお願いします。

2.蓮華温泉から

 蓮華温泉から朝日小屋へは、五輪尾根を通って一日でお出でになれる分、荷物も少しは軽くなるでしょう。

 秋は紅葉が素晴らしいコースとしても、有名です。草紅葉あり、樹林帯の紅葉あり、沢あり、眺め良しの楽しいコースです。

 ただこのルートは、時間が掛かります。今の中高年登山者なら、余程健脚でない限り、8時間以上は必要となっています。

 蓮華温泉へのバスも、秋には一日2本しかなく、蓮華温泉到着が9時55分ですから、出発が午前10時過ぎになってしまいます。

 蓮華温泉から朝日小屋へお出での場合は、自家用車で深夜か早朝に蓮華着、あるいは蓮華温泉に前泊がよろしいかと思います。

3.北又から

 富山県側の北又からは、時間的には朝日小屋への最短コースです。早い方なら6時間、遅くても8時間程で朝日小屋へ辿り着けるコースです。

 最近は、余裕を持って北又小屋に宿泊されるグループを含めて、栂海新道を行く登山者の皆さんにも利用されることが多くなりました。

 「余力を持って、栂海新道へ」という方なら、北又からのコースがおススメです。

 東京(急行のと)や大阪(急行きたぐに)からの夜行列車で来られると、早朝5時に最寄の泊駅に到着でき、タクシーで北又へ入れば、朝7時前には北又を出発することが可能です。遅くとも午後3時前には朝日小屋に到着して、翌日からの行程に備えてゆっくり出来るのも魅力のようです。

 また自家用車を親不知の下山口に停めて置いたり、朝日町のタクシー会社に停めて置いて北又までタクシーを使えば、入・下山の際の車の利用が便利になるという点からも、栂海新道を下りて行くのに、この頃は北又からのコースをお出でになる皆さんが増える傾向にあります。

 「白馬岳へは何度も登っているから」「少しでも、力を残して栂海新道をやりたい」という方に、良いでしょう。

 秋は、ブナ林の紅葉も魅力のコースです。

4.テント泊は、朝日平のキャンプ指定地で

 この周辺のキャンプ指定地は、朝日平の他には
  
  白馬岳(頂上宿舎近く)
  蓮華温泉(ロッジ近く)
  北又(北又小屋近く)     です。

 朝日岳周辺一帯は、中部山岳国立公園に属しており、また国の特別天然記念物『白馬連山高山植物帯』に指定されております。

 特に、雪倉岳・雪倉岳避難小屋周辺、黒岩平の周辺は、絶対に幕営は禁止です。
 また、朝日岳山頂付近や照葉の池周辺なども、幕営は厳に禁止となっております。

 最初からの「確信犯」的な『違法テント』は、本当に止めてください。重ねてお願いします。

 雪倉岳避難小屋は、「緊急避難時のみ、使用可」です。最初から宿泊の予定で利用するようなことのないようにお願いします。

 残された貴重な自然を後世に受け継ぐべく、栂海新道を歩かれる皆さんは、違法テントなど張られませんよう、くれぐれもお願い致します。

 秋の栂海新道、どのコースから朝日小屋へお出でになるか、お電話でのお問い合わせ・ご相談にもお答え致します。

 体力や気力、その他要件を考え合わせて、魅力ある山行計画を立てて下さいませ。

 秋の深まりとともに、栂海新道の紅葉情報も気になるところですね。

 上の写真は、今日の朝日平から。
 写真で見ると分かりにくいかもしれませんが、とにかく日に日に、秋の彩りに染まる朝日岳周辺です。昨日と、また色が違うのですから。

 黄色、黄緑色、朱色、紅色、とそれぞれが鮮やか。これからが楽しみです。