17日という日…。
2001-04-17
桜が終わりに近づいたと思ったら、チューリップが満開になって来ました。
今日17日は、前管理人・下澤三郎の月命日です。昨年6月17日に亡くなってから、早いもので10ヶ月が経ちました。車ですぐの所にいても、忙しくしているとなかなか実家に顔を出す事もままなりません…。
一年前の今頃はまだ、「山開きにはきっと上るんだ」と半分本気、半分自分を励ますようにベットの上で話していたのを思い出します。春になり段々暖かくなってきて、本人も希望を捨てずに頑張っていた姿が目に浮かびます。
父が亡くなった6月17日は、小屋開けの日でした。山開きをちょうど一週間後に控え、ヘリコプターで荷揚げをしたその日に、容態が急変しました。
朝5時に天候を確認しヘリが飛べるだろうと判断、長年アルバイトに来てくれているみんなは北又のヘリポートへと急ぎました。私はみんなを送り出した後、いつものように職場へ向かう前に病院に立ち寄りました。でもその朝の様子はいつもと少し違っていました。
「今日ヘリが飛ぶと思うよ、大丈夫だよ!きっと飛んだよ!」と父に伝えたところ、もう言葉にはならない声で、しきりに何かを訴えました。私にはそれが今でも「頼んだぞ!ゆかり、頼んだぞ!!」と言っていたように思えます。
後ろ髪を引かれる思いのまま、病室を後に。山の上から、「無事にヘリは飛びました!」と私の職場に報告があったのが午前9時。病院から、父の容態が急変したのですぐ来るようにと連絡が入ったのが午前9時30分過ぎでした。…そして夕刻、父は家族に見守られながら静かに息を引き取りました。
人生に、生まれる時、そして終わる時、一年365日の中で、自らその日を選ぶ事が出来ないのはわかっていても、まるで父は自分の終わりの日を敢えて選んでいったと思えるのです。
大好きだったヘリコプターに自分も乗って行きたかったのでしょう。一緒に乗って作業の無事を確認したら、そのままもっと高い所へと旅立って行ったような気がします。
その日から数日、「雷鳥」が毎日小屋の玄関まで顔を見せに来ていたそうです。
…今日はしんみりした話になってしまいましたね。山開きまで後2ヶ月、室堂の山小屋へ嫁いでいる妹も明日入山する予定です。私の忙しさも本格的になってきました。でもふっとした瞬間、「父がいる間に、もっといろいろ聞いておけばよかったなぁ…」と思う時があるのです。
‥‥頑張ります。応援していてください。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2001/04/d20010417a.html