北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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最高の山行!…太郎平小屋・太郎山・北ノ俣岳

2001-10-20

   太郎平小屋のスタッフの皆さんと   photo by yosiyasu

 素晴らしいお天気に恵まれ、本当に最高の山行(「出張」?)になりました。

 18日〜19日と、一泊で折立から太郎平小屋まで行って来ました。残念ながら、ぜひゆっくりお話したかったオーナーの五十嶋さんにはお会い出来ませんでしたが(5月にご挨拶には行って来ましたが)、ゆっくり流れる時間の中に自分を置いていろいろなことを想い、考えてきました。

 折立から三角点までの道は、深まる秋に樹木の葉が落ち、少し曇った空が明るく感じられるほどでした。急坂とはいえ、樹林帯の中の階段状の登山道は、やはり北又からの恵振山の急登の方がはるかにきつく、ゆっくり歩く私にはとてもやさしい登りでした。

 三角点を過ぎると視界も開け、石畳の道を珍しく感じながらとにかくゆっくりゆっくり。左手に剣岳や立山の山並み、そして薬師岳をずっと見ながら。朝日岳からははるか遠くにしか見えない白山が、右手に大きく望む事が出来ます。途中行き交う登山者の方は一人もいない。

 相変わらずゆっくりそこここで立ち止まってデジカメで写真を撮りながら、そして昼食とお昼寝付きでしたが、それでも約4時間半で太郎平小屋に到着。ただ、残念ながら午後1時近くだったので無理をして薬師岳の山頂を目指すことは諦め、小屋でゴロゴロしてしまいました。(何しろ前日の睡眠が2時間だったので。「登山者失格」ですね…笑)

 夕陽と雲海も最高! …朝日岳とはまた一味違うスケールの大きさ、そして夕陽に輝く薬師岳の勇姿も堪能しました。

 ナンと、平日だった為か、とびきりのいいお天気だったのにお客様は他に誰もいらっしゃらなくて、私一人!…淋しいというか、もったいないというか、贅沢というか…(笑)。スタッフの皆さんとお喋りしながらの夕食、そしてトランプゲーム大会。最高の待遇でした。皆さん有り難う!!

 日中あまりにゆっくりしたからか、なかなか寝付けず、真夜中に起き出すと満天の星空…、本当に素晴らしかった!!朝日小屋からの星空もそれは素敵なのですが、太郎平からのあの星空は、う〜ん、ナンとも言えず、ひとり占めするのが申し訳ないくらいでした。

 翌朝は、5時半に小屋を出て北ノ俣岳まで往復。本当は薬師岳へ登りたかったのですが、午後から二女と富山市内で待ち合わせをしていた為、どうしてもお昼過ぎには折立へ下山する必要があり、やっぱり薬師岳登頂は断念。まぁ、山は逃げていかないので、また来年かな…。

 霜柱がザクザク音を立てる朝の道。寒かったのですが、景色も気分もスッキリと最高。朝焼けの山々、淡いピンク色の白山…。北ノ俣岳は360°の眺望が素晴らしく、朝陽に輝く山並みに一人感嘆の声を上げつつ、寒さを堪えてずっと佇んでいました。

 「帰りたくな〜い!」をここでも連発。「もう一泊いかがですか?」のスタッフの皆さんのお誘いに、後ろ髪をいっぱい引かれつつも、時間ギリギリになってやっと下山開始。

 前日には雲海の下で見えなかった有峰湖が湖面をキラキラ輝かせていましたし、紅葉の山々も素晴らしく、私の大好きな樹林帯の道を一人で楽しみながら下りて来ました。

 実は、薬師岳の山開きにぜひ来ませんか?と、夏山シーズンが始まる前に薬師岳山荘の堀井よし子さんからお誘いを受けていたのですが、朝日岳の山開きの一週間前で、もう私も山へ入らなくてはいけなかったので、残念ながら諦めていたのです。でも来年からは、朝日小屋を閉めて下りてきたら必ず「太郎へ行こう」と思いました。出来たら、足を伸ばして他の山も訪ねてみたいな…。

 遊んでいるように見えるでしょ!?…遊んでいるんですよ、本当に(笑)。でも、私なりにいっぱいいっぱい考えていたりして…。新米管理人は身体はもちろん、気持ちも心も頭の中も整理しているんです。来年のエネルギーをたくさん蓄えて、頑張れるように。

 この後もいろいろ予定を立てています。あまりここで書くと羨望の的になるから止めておきます(笑)。でも、山に雪が降るまで…もう少しだけ、ほんの少しの時間、山の中に居たいので。