2002年、『最高齢』のお客様
2003-01-16
先日の掲示板に、大阪のみきさんから「山を歩き続けるために」という題で書き込みがありました。ご覧になられましたか?…(現在は削除されていますが)
今や山を歩く登山者の多くは「中高年」、もちろん朝日小屋でも40〜60代のお客様が主流となっています。昨シーズンでは、40代以上のお客様が全体の75%以上を占めたほどで、特に50代後半〜60代の皆さんが一番多いのです。
そんな中、昨シーズンのお客様で最高齢の、とってもお元気な方をご紹介します。
9月26日小屋にお泊りになった、愛知県安城市の村田久彌様です。ナント、大正11年生まれの80歳!!
残念ながら、その日は私がUさんと一緒に白馬岳へ出掛けた日でしたので、朝日小屋でゆっくりお話することはできませんでしたが、ちょうど雪倉岳を少し下がった雪倉池のところでバッタリお会いしました。
白馬鑓温泉を経て白馬山荘にお泊りになり、体調も良いようだから念願の朝日岳まで足を延ばすことにしたとのこと。北アルプスは殆ど登っているけれど朝日岳だけが残っていました、と話していらっしゃいました。
「自分は年も年だから、必ずガイドブックのコースタイムの1.5倍の時間が掛かると思って山行計画を立てて歩くようにしているんだ。だけど、やっぱりこのコースは結構長いねぇ…」と笑いながら、しばらく私たちと立ち話。
「分岐からは、朝日岳の山頂廻りで行った方がいいかね、それとも水平道を歩いた方がいいかな?」と言いながら、その場でお別れしましたが、私達はやっぱり気になって村田さんの後ろ姿が見えなくなるまで見送っていました。
白馬山荘に着いてから、小屋で留守を預かってくれている哲也と孝太に連絡して到着を確認しましたが、その時点では未だだったので少し心配しましたが、その後無事小屋に着かれたそうです。
翌日は、北又へ下山。あの恵振山の急坂を下りて行かれて、小川温泉にご宿泊されたのですが、温泉からお電話を頂きました。「いやぁ清水さん、とっても良い山だったよ、本当に!もっと早くに訪れたかったなぁ…」
白馬鑓温泉〜白馬岳〜朝日岳〜北又への縦走は、若い登山者でも大変な健脚向きのコースだと思いますが、
…『山をよく研究し、マイペースで、しかしあくまでも自分の体力や脚力を正しく認識して、長年の経験や技術を決して過信せず、無理をしないで、自然の中にいる幸せを感じながら楽しく歩く』
中高年の登山者が、ぜひ心掛けるべきことかもしれませんね。私も見習わなくては!!
村田様にはさすがに、「来年もまた遊びにいらして下さいネ!」とは言い難かったのですが、でもまだまだお元気で、いろいろな山を楽しんで頂きたいと思います。
この日記に実名と写真を掲載するにあたり、村田様にお電話しました。
白馬山荘〜朝日小屋は10時間弱、朝日小屋〜北又は5時間あまりかかったそうです。
「あの、雪倉岳と恵振山の下りさえなければ、何度でも行きたい山なんだがなぁ。。。いい所だよ、朝日平は」
そして、今シーズンは西穂高岳や焼岳へ行って来ようかなと思っていると話して下さいました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/01/d20030116a.html