「平成14年度・北アルプス山小屋協会総会」
2003-03-06
議長は、飛騨山小屋友交会・会長の小池 潜氏(双六小屋)
3月4日、「平成14年度・北アルプス山小屋協会総会」が飛騨高山市の高山グリーンホテルで開かれました。
総会は、三県(岐阜・長野・富山)の北アルプス各山小屋からオーナーや支配人等60名近く、また環境省(自然保護事務所)・農林水産省(森林管理署)・国土交通省(砂防工事事務所)、開催地の岐阜県から上宝村村長や県警山岳警備隊飛騨方面隊隊長、飛騨ガイド協会会長等の来賓各位、関係業者多数等など合わせて約100名近くが出席し盛大に開かれました。
総会は議案に基づいて議事進行され、会計報告や事業報告、来年度の新役員の選出や事業計画に続いて、昨シーズンの5地区別の実情報告、諸官庁からの連絡事項や要望事項が報告されました。
議事に引き続き、山岳ジャーナリストの菊地俊朗氏による講演も行なわれました。
また関係業者からは、特に近年各山小屋での利用が進む生ゴミ処理や山岳トイレに関する商品の説明などもありました。山岳雑誌の出版社からの出席もありました。
地区別の実情報告によると、宿泊者数や営業収入は各地区・山域・山小屋毎に多少の差異はあるものの、北アルプス全体では前年と比べると若干の減少になったということでした。
理由としては諸々考えられるようですが、例えば大きな山小屋では天候に恵まれた割には7月海の日の連休にそれ程の人出がなかったとか(超・混雑を避けたのか?)、8月後半にやっと盛り返したとかいうこともあったりしたそうです。また不況の影響で登山者の足も遠のいている、登山人口そのものの減少といった報告もありました。
特に私が所属する黒部観光旅館組合では、9月中旬に黒部峡谷鉄道が落石で通行できなくなりそれ以降の営業が事実上ストップし大打撃を受けたことが報告され、また今シーズンは雪融けを待って鉄道の復旧作業に入るわけですが、開通予定が7月18日にずれ込むので峡谷鉄道沿線の旅館では今シーズンもかなりの収入減が予想されるとのことでした。
しかしその中で、立山山荘協同組合に所属する薬師岳方面の黒部源流・太郎平周辺の山小屋と、黒部観光旅館組合の中でも朝日小屋が、比較的良好な入り込みだったという報告もありました。
これは最近の中高年登山者の中で、『百名山ブーム』というものに落ち着きが見られる一方、「今までに行ったことのない山」「お花のきれいな静かな山」を求めてコースを選んでいるという傾向があるからではないかということのようです。
それから、生ゴミや可燃ごみの処理及び山岳トイレに関する懸案事項等など環境保全と衛生の問題に関して、また、国立公園内の土地利用料設定に絡む問題等などについては、関係諸官庁との活発な議論がなされました。
一年に一度の総会ですので、友好を深めながらも、山積する諸問題にどう取り組むかなど、大変有意義な会合となりました。
14年度は「飛騨山小屋友交会」の担当でしたが、来年度は「北アルプス山小屋友交会」(長野県南部)に担当が交代します。
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