小屋の中でも気を付けて!!
2003-08-10
実は。。。
台風10号が富山県地方に最接近していた、昨日のちょうどお昼前。朝日小屋では大変な事態が起こっていました。
8日に白馬岳からかなり遅い時間にご到着の5人パーティーがあったのですが、9日は台風が来ていたので朝日小屋で“沈殿”。県内が今まさに暴風雨域に入っていたその頃。。。
「ゆかりさん!お客様が!!」
見ると、足を踏み外して階段から滑り落ちたお客様の、左手の掌がぱっくり口を開けて血が出ているではありませんか!
詳しいことは余り書けませんが、とにかく前日長時間歩いていらっしゃった疲れから、ご本人はかなり足がフラフラで踏ん張りが利かなかったようです。昨日は台風対策で冬囲いをしていたので小屋の中はただでさえ薄暗く、また日中発電機が止まっているので、かなり足元が見え難かったのもあったのですが…。
とにかく電話で整形外科のY先生の指示を受けながら、他のお客様の協力で止血をしました。しかし、70歳を越えた年齢、朝の話し合いの時点からすでに自分の荷物も自分で持てないような状況にあって、小屋にサポートを要請されていた事を考えると、翌日の自力での下山はかなり難しいのではないかと判断されました。
その後、県警山岳警備隊との話し合いで、風雨が少し沈静している一瞬の隙を狙って、県警ヘリ「つるぎ」が出動しました。
今なら大丈夫と思っていたのも束の間、あっという間にガスが湧きあがり雨も強くなって来て、「いくら県警のヘリでも、もう飛べないのでは…」という悪天候の中、「つるぎ」が朝日平のヘリポートに着陸しケガ人を収容していきました。
まさか、小屋の中で事故が発生するとは。。。
もちろん、小屋の管理人としてはこちらの責任も免れないかもしれませんが、とにかく小屋の中でもいろいろありますから、十分気を付けて頂きたいと思います。
行動中はもちろんのこと、特に小屋に到着されてからはホッとして身体の疲れがドッと出るのかもしれません。
小屋の中では、ちょっとした段差があったり急な階段だったり、決して“バリアフリー”になっているわけではありませんから、私たちも出来る限りの善後策は考えていくようにしたいと思いますが、くれぐれも注意されますようお願いいたします。
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