北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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03年、いろいろ有り難うございました!!

2003-12-31

ミヤマキンバイ   03.6.15      photo by mezawa

 ミヤマキンバイ   03.6.15 photo by mezawa

 03年も、残すところあと数時間となりました。
 大掃除やおせち料理作りもどうにか終わり、やっと新しい年を迎える準備が出来ました。
 
 朝日小屋の管理人になって、3年目が過ぎようとしています。
 
 亡き父から受け継いだ、朝日小屋の管理人。
 
 1年目と2年目は、見ること、聞くこと、すること、そして人間関係…仕事に関することの殆ど全てが初めてで、とにかく無我夢中で過ごした2年間でした。
 過去の2年間は、父が大切にしてきたものを「守り、繋いでいこう」との想いがありましたし、とにかく自分がやりたかった仕事だというコトが良く分かっていましたので、「楽しくて、面白くて」そんな気持ちで頑張れたシーズンだったと思います。
 自分自身が小さい頃から親しんできた朝日小屋で、若い頃に過ごした記憶や父のやり方を元に、どちらかと言えば「自分自身の想い」だけで何とか出来たのが1年目・2年目のシーズンだったでしょうか。

 3年目となった今シーズン、小屋開け前は、これまで以上にお客様に喜んでいただく為にどうしたら良いか、食器を陶器に買替えたり等など、楽しく準備を進めました。
 しかし一方で、周りの状況や自分の置かれている立場に対する私自身の認識に微妙な変化が現れてきたようにも思います。
 いろいろな事が少しづつ分かってきて、同時に私の中に、「勢い」や「今までの“財産”」だけでない、もっと「確かな」「理想とする」『管理人としての自分の姿』を追い求める姿勢が出てきたのも事実です。
 
 「どうすればいいのか」「どうあればいいのか」が、「こうしなければ」「こうあらねば」といった気持ちに変わり、でもそれが分からないまま、何をどうすればいいのか分からないまま、空回りした部分がずいぶんあったのではないかと思います。

 シーズンの最初からいろいろありました。
 どうしたら良いのか分からないまま、小屋は大勢のお客様をお迎えするハイシーズンに突入。
 正直言って、まさ子さんの件も、白高地沢の一件も、いろいろな意味で最後までずっと引きづったままの4ヶ月間だったかもしれません。
 
 こんな事を書いたら可笑しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、山小屋での生活は、下界とは少し異なる世界の広がりを持っているのではないか、小屋のオーナーや管理人には、他とは「違ったモノ」が要求されるようにも、時々思ったりすることがありました。
 「頑張りすぎないで」「気を楽にして」という周りの皆さんの励ましも、まだまだ3年目の未熟な私の胸にはストンと落ちないで、全部を自分ひとりで背負おうとして、「ゆかりさんの“はつらつ”とした姿が陰をひそめている。。。」と言われたこともありました。

 小屋閉めして下山してから、10月下旬、11月いっぱい忙しい日々が続きました。それはそれで、小屋の関係の仕事ばかりで充実した毎日だったのですが、12月に入ってぽっかりとヒマになった頃、そうした今シーズンの反省やら諸々抱えていた問題が一気に自分の中で噴き出してきて、本当にもうどうにもならない位、自分自身の中でもがき続けました。
 もがけばもがく程、自問自答すればする程、先が見えなくなりどうしたら良いのか分からなくなり、その終いにはただ自分自身を責めたり問い詰めたりした毎日。

 今思えば、ずい分肩に力が入りっぱなしの“この一年”でした。

 でも、いろいろと悩みや話を聞いてもらって勇気付けられたり、たくさんの皆さんに励まして頂いたり、時には本を読んだりテレビを見ていてふっと元気をもらったり…。

 いろいろありましたが、この03年は笑顔で締めくくることができそうです。
 いいえ、今まで以上に“ひと皮むけて”素晴らしい歳の瀬を迎えることができました。

 『大切なものはなに!?』…そう想い続ける自分はステキだし、これからも大事にしたい気持ちです。
 でも、もう少し「楽に」考えていければ、と思います。
 
 励まし続けてくださった皆さん、そっと見守ってくださった皆さん、そして朝日小屋を大切に思ってくださる皆さん…。
 本当に、一年間有り難うございました!!
 来年も、どうぞよろしくお願いいたします!!!