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8ヶ月振りの朝日小屋は…
2003-06-16
今日の雪倉岳、白馬岳、旭岳 夕方小屋の前から
昨日のドタバタから一夜明けて今日は朝から、梅ちゃん、孝太、山口クン、そして手伝いに来てくれた皆さんが、それぞれの持ち場で一生懸命仕事に励んでくださいました。
私もあっちへウロウロこっちでモタモタしながらも(笑)、食堂・厨房を中心に『今年のゆかりの模様替え』をすべく、それなりに頑張りました。
しばらくはこんな生活が続きますので、日記もゆっくりと書けないかもしれませんが、写真を中心にして『今の朝日小屋周辺』をお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それにしても、8ヶ月ぶりに小屋に戻って来たのですが、正直言って何だかとても不思議な気持ちです。
4ヶ月の山小屋生活、そして山を下りてからの8ヶ月間の長い下界での生活…。
でも昨日小屋に入ったら、私の気持ちも、想いも、生活のリズムも、何だか全てがあっという間に8ヶ月前に一気に戻ってしまって、まるで昨日もその前もその3日前も、ずーっと小屋に居たみたいな、そんな感覚です。
それだけ、私の中で朝日小屋の生活が大きな位置を占めて、ここに居ることがごく当たり前になってきたのだと思います。
気持ちは、『当たり前』なんだけど『とっても新鮮』…とても不思議です。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030616a.html
小屋ではストーブを焚いて…
2003-06-16
ガスの晴れ間をぬって続けられた、ヘリコプターでの荷揚げ作業
昨日の朝までは半袖を着て蒸し暑さの中過ごしていたのに、小屋に着いた私達はフリースを着て靴下を履いています。
今日の夕食には、まるで恒例とでも言うように、お鍋を囲みました。
動いて仕事をしている時は良いのですが、チョッと外へ行ったり部屋で休むと寒い寒い。部屋の中ではストーブにやかんが乗っています。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030616b.html
上へ下への大騒動!?
2003-06-17
小屋のすぐ前の雪は例年並みのようですが、
すぐ向かい側では、未だ2メートル近くも雪が残っています。
昨日の掲示板の書き込みの中で、ばんどーさんが「お手伝いを始めてから今年が一番の模様替えかも」と書いていましたが、もう、今回の小屋開け直後からの諸々の整理・整頓・片付けは、本当にハンパじゃありません!
今年の小屋開けには、保勝会役員の方の他にも、電器屋さんや大工さんなどいろいろお手伝いして下さった男性10名と私の計11名が上山。
小屋を開けてからすぐ、梅ちゃんや孝太・山口クン達は発電機を回したり水を引いたり、電器屋さんは私の要望に沿ってあっちこっち改造してくれて、そして大工さんは次回のヘリコプター以降に行なう「センター改造」の為の段取りと寸法取り。
そしてあとの助っ人の皆さんは、『今年のゆかりの大改革』にむけての荷物の移動にホントにてんやわんやでした!
どんな改革をするかですって??
それは、もう少し小屋の片付けが落ち着いたあとに、ちょっとゆっくり書くことにします。
もったいぶっている訳じゃないんですけど(笑)、管理人になってから2年半ずっと考えていた事だったので、私自身うまく始まるかどうかチョッと心配な部分もあり、今はその「念願」にむけて一生懸命仕事をこなす事で、その不安を打ち消しながらひとつひとつ準備を進めている最中なのです。
まあ、そんな大した事ではないんですけど(笑)…。
また近いうちにお話しますネ!
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030617a.html
今日は亡父の命日
2003-06-17
ウルップソウ 小屋の前に一株だけあります。
今日は、亡き父の命日です。もう丸三年が経ちました。
この2年間、どうにか大きな失敗も無くやってこられたのは、周りの皆さんの大きなお力添えはもちろんのこと、いつも父が見守ってくれているからではないかと、ふと思う時があります。
由起子さんなんか小屋開けの朝、「おやっさん、どうか無事にヘリコプターが飛びますように」と祈ってくれていたというのですから。
運も、そしてお天気までが私に味方してくれたのですね。
どうか今年も、無事故でシーズンが終えられますように…。
ずっとずっと高い空から、見ていて下さい。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030617b.html
登山道の状況確認と、白高地沢の橋架けに
2003-06-18
ほぼ完成近く、作業途中の仮橋 蓮華温泉側白高地沢で
台風接近の影響で全国的に天候が崩れていく中、昨晩から作業の進め方が心配だったのですが、朝起きてみたらどうにか一日持ちそうなお天気だったので、急遽梅ちゃんと孝太・山口クンの3人が蓮華温泉側の登山道の状況を偵察がてら、白高地沢まで仮橋を架けに行きました。
朝8時小屋を出発。夏道の全く見えていない雪の上をベンガラでマーキングしたり、登山道に横たわっている倒木を動かしたりしながら、白高地沢へ。
帰って来たのは、夕方の6時頃でした。さすがの梅さんはじめ、若い2人も相当くたびれたことでしょう。本当にお疲れ様でした。
いつもの事ながら、山小屋にとって一番大切な登山道の整備と管理・点検ですが、シーズン初めの作業は特に神経を使います。
今日は、夜勤明けの古崎分隊長もお休みを利用して、山開き前の偵察にいらっしゃいました。いつもの事ながら、本当に真面目に仕事に取り組んでおられて頭が下がります。
小屋の中も、かなり片付いて来ました。『ゆかりの大改革』の為の準備も、どうやらそろそろ整ったようです。
小屋周りの仕事はもう少し、それから朝日岳山頂から向こう側、水平道の点検・確認作業にもできれば近いうちに行ければと考えています。
蓮華温泉側の雪渓の残り具合については、梅ちゃんの話によると…
朝日岳山頂から蓮華温泉側直下にかけての雪渓は、例年に比べて「かなり」多いそうです。
青ザクまでは、いつも雪渓が残る箇所では、未だかなりの範囲で多くの雪が残っているそうです。
帰路は、ガスで一寸先も見えない真っ白な状態の中、行きに付けたベンガラのマーキングの跡がなかったら、もしかしたらルートを見失ってしまったかもしれないと思うほど、雪の量は多いそうです。
この時期の朝日岳周辺は、北アルプスの中でも、北陸地方・日本海側特有の残雪の多さが特徴です。雪融け直後の6月下旬から7月初めの時期は、咲き始めたばかりの高山植物も魅力ですが、確かな技術と相当の体力がなければなかなか難しいのも確かです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618a.html
勇姿!
2003-06-18
左から、山口クン、梅さん、孝太
出発前の3人の勇姿です。
孝太が手に持っている焼酎の空きペットボトルの中味はベンガラです。この中に入れて、持ち歩くと撒く時に便利だそうです。
梅ちゃんは、いつも通りとっても元気!!
3年目の孝太は、梅さんから「今年はオマエがやるんだゾ!」と言われて、重要なベンガラ撒きを任されていました。
飄々とした雰囲気の山口クンは、淡々と仕事をこなしていきます。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618b.html
雷鳥が…
2003-06-18
夕方、外仕事をしていた板さんが「ゆかりちゃん、雷鳥だよ!」と呼んでくれました。
慌ててデジカメを持って行ってみると、小屋のすぐ前で、一羽の雷鳥が一生懸命に何か啄ばんでいました。
連日鳴き声は聞いていたのですが、私は今シーズン初めて姿を見かけました。
雷鳥の横に見えている黒い線は、小屋の横にある水のホースです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618c.html
『どっぽな、雪多いじゃ!!』
2003-06-19
ベンガラでマーキングをする孝太、後方は古崎分隊長 水平道で
今日は午前中、梅さん・孝太・山口クン、そして古崎分隊長の4人で、朝日岳山頂〜水平道の小桜ヶ原側の分岐〜水平道〜小屋をぐるりとひと周りして来ました。
残雪の状況、登山道の様子を把握し、特に危険箇所の確認をすると共に、ベンガラや赤色テープでのマーキングを行ない、倒木の始末等などの作業を行って来ました。
昨日の日記で、朝日岳山頂から蓮華温泉側の残雪の量がかなり多いと書きましたが、今日の白馬岳・雪倉岳方面への今シーズン初の偵察でも、それぞれのポイントで例年以上とも言える雪が残っているのが確認されました。
『どっぽな、雪多いじゃ!!』とは、帰って来て玄関に腰をおろしたとたん梅さんの口から出た言葉です。バリバリの富山弁ですが、訳すと『もの凄く、雪の量が多い。(本当にビックリした!!)』となります。
特に、山頂から水平道の分岐へのルート(今回はこちら側から行ってので下りだった)は、毎年同じ時期に通っている梅さんでも上へ行けばよいか、下へ降りればいいのか、かなり迷ったそうです。
この後、梅雨の雨でかなり雪融けも早く進むとは思いますが、くれぐれも早い時期の入山には気を付けて下さい。
なお水平道は、登山道に残る雪が少なくなって、道迷いや滑落の危険がなくなるまで『通行禁止』となっています。(分岐点に看板がありますので、注意して下さい)例年、7月20日近くまで通行止めが続きますので、詳しくは朝日小屋へお問い合わせ願います。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030619a.html