ガスが濃い中、どうにか一便だけ 05.8.11
先週末のこと。
「ゆかりさん、ありません!」
「うっそぉ!!そんなわけないわょ!!」
「どこを探してもありません!!」
トイレ掃除を終わったリュウジに、トイレットペーパーの補充を頼んだのですが、小屋の中の上から下まで、どこを探しても見当たらないというのです。
「しまったぁ。。。!!!」
川原青年に何度もボッカを頼んだのですが、さすがにもう限界です。
ましてまだシーズン半分の2ヶ月を残して、まさかトイレットペーパーが無くなるとは。。。
もしかしたら、私の思い違いや計算間違いということも、もちろんあります。
それほど、今シーズンはお客様の入りが多いのかというと、それほどではないのですが、台風に散々襲来された昨シーズンと比べれば、やはりお客様はおいでになっているのですが、それにしてもいつもいつも「もう少し荷揚げしようかな」と思いつつも、狭い小屋の中の置き場所を考えて、控え目にしたのが仇に。 昨シーズンを基準にしていた私の計算ミスだと思います。
…それからのドタバタしたこと。
元々シーズン最盛期にもヘリは頼まず、生鮮食品を中心に、無くなったらボッカ、ということで乗り切っていた朝日小屋です。
そうと決まったら、ヘリの手配やら荷物の集荷などなど、やっと少し落ち着き始めた頃だったのですが、私の頭の中は一度に真っ白になってしまいました。
最短でヘリが飛べるのは、11日との連絡。10日からぐずついたお天気が続き、飛べるか飛べないか本当に気を揉みました。
決められたトン数以上の荷物がないと、「回送料金」が発生します。
トイレットペーパーやら、食料を集めたところで500キロ足らず。後は、来年荷揚げ予定のプロパンガスや軽油などの燃料で調整することにしました。
「とにかく、一便だけでも。とにかくトイレットペーパーと食料だけでも。」
ヘリは他での仕事をしてから回ってくるということでしたので、午後からの天候が持つことをドキドキしながら祈りました。
11日午後3時、一瞬の隙を突いて、濃いガスでほぼ真っ白になっている中を、A社のベテランパイロットが「神業」のようにして、飛んで来てくれました。
お陰さまで、一便だけ、何とか荷物を運んでくれました。
燃料関係は次回に、ということになりましたが、本当に助かりました。
「ゆかりさん、ありません。見つかりません!!」
時々この声がすると、本当にドキッとします。