遭難者、6日ぶりに「無事発見」!!
2006-09-17
すでに、マスコミ報道でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
63歳、男性。
栂海新道を親不知から入山され、8日に白鳥小屋泊まり。
9日に朝日小屋宿泊予定でしたが、途中ビバーク。
10日朝、朝日小屋に携帯電話で「昨日は、朝日小屋に行けず申し訳ありませんでした。予定を変更して蓮華温泉に下山します」との連絡を入れた後、行方が分からなくなっていましたが、昨日(16日)午前9時過ぎ、捜索していたヘリコプターにより6日ぶりに無事発見されました。
かなり衰弱されているものの、生命に別状は無いそうです。
14日早朝4時、発電機を廻したとたんに掛かってきた、警察からの問い合わせの電話。
捜索願は糸魚川警察署に出されたのですが、朝日小屋宿泊予定のお客様でしたし、私が“最後の”電話を聞いていたので、本当に気が気ではありませんでした。
小屋からも、14日はカズ君に白高地沢まで捜しに行ってもらい、実は私も心配のあまり、15日に花園三角点まで行って来ました。16日の朝は、「まさかと思うけど」と、アルバイトのみんなと夕日ヶ原方面へも捜しに出掛けました。
新潟県警からは、ヘリコプターでの捜索と合わせて地上からの捜索も続きました。
…とにかく、6日ぶりに無事に発見され、本当に良かったです。
しかし、今回も。。。です。
小屋のアドバイスにも、もう少し耳を傾けてほしかったです。ご予約の段階ではっきり申し上げたはずです。
登山は、本来『危険』を伴うものだということは、私が申すまでもありませんが、計画の段階で再考すべき点はなかったでしょうか。
「安全」と「危険」の狭間にいて、せめぎ合いながらその行為を遂行しているのだという事を忘れてはいないでしょうか。
「無理」と「無茶」は、いけません。
それから、「油断」(私はこれで、5月に骨折をしましたから)、そして「過信」もあってはなりません。
ご本人が無事に発見され、本当に喜んでおります。
しかし、安堵感とともに、少々の虚脱感といささかの虚無感のようなものも感じています。
いつも、お客様にはこんな話をさせて頂いています。
「無事に下山口に辿り着いてこそ、あの山は良かったね、朝日岳はいい山だったね、また行きたいねと言えると思います。事故無く、頑張って歩いてくださいね」と。
残りのシーズン、登山者の皆様の安全な登山を願っています。
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