ご予約を、お願いします!!!
2011-08-30
朝日小屋は、ご予約が必要な山小屋です!!
隣の小屋がありませんので、予約なしで来られたお客様を「お泊めしない」などという事は、絶対にありません。
しかし、ここまで朝日小屋がしつこく「ご予約を!」というのには、3つの理由があります。
第一に、どのコースから来ても「長い、遠い」山小屋だからです。
北アルプスの最北端に位置する朝日岳には、どのコースからお出でになっても、今の中高年を中心とする登山者の平均では、確実に7時間以上を要します。
また道中には、白馬岳からのコース途中に雪倉岳避難小屋(緊急避難時のみ、使用可)があるだけで、その他からのコースには、都合が悪くなった時に緊急に駆け込める小屋はありません。
もしかしたら、途中で誰にも会わないかもしれない、もし途中で何かのトラブルで行き倒れていても誰にも発見されないかもしれない、脅かすわけではありませんが、そんなケースさえ考えられる朝日岳であり、朝日小屋への道のりなのです。
これから先、秋になればなお更のこと、歩く登山者も確実に少なくなり、平日では1~2組ということもあります。
夏と違って、目撃情報がないパターンさえ出てくるのです。
もしもの場合には、ご予約さえあれば、心配して迎えに行くことも出来ます。
ご自身の安全、確実な登山のためにも、ご予約をお願いします。
特に、単独の方、「一人くらいなら、予約がなくても大丈夫だろう」などと仰らずに、電話を1本お願いします。
その時には、登山道の状況や交通機関の運行状況の確認も出来ますから、ご自分のために、ぜひご予約を。
第二には、お客様同士や小屋とのトラブルを避けたいからです。
皆さんに、朝日小屋で居心地よく過ごして頂きたいからです。
先日、8月上旬にこんなことがありました。
その日は平日で、ご予約は20数名。
これなら女子だけで諸々の準備が出来るからと、男子は草刈りに出掛けました。
ところが、ご予約がないお客様が次々といらっしゃって、てんてこ舞いになってしまいました。
お夕食の準備だけなら、小屋のスタッフが頑張れば何とかなります。
ところが部屋割りは、ご予約に合わせて初めから段取りをします。
(基本的に部屋割りは、ご予約の早い順番に、小さめのお部屋をお取りすることにしています)
その日は、27畳の大部屋が空いていたので、予約なしのお客様はその部屋に入っていただくことになりました。
でも予約なしの方が何人お出でになるか、見当もつかず、「まぁ、大した事はないだろう」と思っていたのです。
ところが、その日に限って次から次へと、予約なしの飛び込みのお客様が。。。
いつもなら、その日の予想に合わせてお布団をセットしておくのですが、当日の大部屋はセットなし。お部屋で相談して、布団を敷いてもらうことになりました。
そして上手くいくはずだったのですが。。。最後の最後に、これまた予約なしのお客様がお一人いらっしゃいました。
私は、自ら大部屋に行き、「すみません、もうお一人お願いします」と頼みました。
その時点で、27畳の部屋にいらっしゃったのは12名様。まだまだ余裕があったはず。
各人で敷いてもらった布団を動かすこともなく、空いたスペースでこちらが敷くようにと思ってお願いしたのですが。
しかし、ある方から「こっちは目一杯なので、向こう側の列に敷くようにしてくれ」との言葉が出ました。
一瞬にして、その場の雰囲気が悪くなりました。
「もう、よろしいです!」…これ以上お願いしても、もっと具合が悪くなりそうだったので、私は次の手を考えその部屋を出ました。
27畳に12名。しかも、その部屋の全員が、ご予約なしの方だったはず。
譲り合ってもらっても、良いのではありませんか。
そんなトラブルというか、ナンダカンダがないように、「交通整理」するのも私の役目。
30年前なら、男女別だとか、グループ構成がどうとか、本当にあまり気を遣わずにいたものです。
でも今は、私なりにかなり気をつけて、部屋割りや布団の割り当てを考えています。
女性の単独は、男性の方と隣り合わせにならないよう。
グループの構成によって、部屋の組み合わせを考慮するとか。
お出でになる皆様に、さり気ない気遣いをしつつ、快適に朝日小屋で過ごして頂きたいわけです。
そんな理由からも、ぜひご予約をお願いします。
第三には、もちろん、お食事の準備のため。
山小屋は、コンビニではありません。
夕食が終わってから、「やっぱり、お弁当作ってょ!」と言われても、困ります。
また、朝日小屋の夕食は、午後5時からです。
夕方4時を過ぎて遅く到着されて、「ご飯頼むよ!」と言われて、スタッフがどんなにドタバタしながら、努力しているか。
お電話一本頂ければ、本当に幸いです。
また、テントでお食事だけをご希望の方も、電話予約をお願いします。
(基本的に、テントの方は、ご予約がなければお食事の提供は出来ません)
山は、眠って、食べられなければ、歩けません。
掃除の行き届いた快適な室内をご用意し、ゆっくり眠ってもらいたいのです。
美味しいご飯を提供し、たくさん食べて頂けたら、もしかして明日の足取りが軽くなるかもしれません。
そんないろいろな理由から、朝日小屋はご予約をお願いしています。
例え、お一人様からでも、ご予約は受け付けております。
朝日小屋のご利用をお考えの皆様、ぜひご予約をお願いします。
直前でも構いませんが、日程が決まりましたら、なるべく早めのご予約を。
山小屋なので、突然のキャンセルも料金は掛かりませんが、キャンセルのお電話がないと「遭難か?」と心配もしますので、中止の場合には必ずお電話を下さい。
ただし、キャンセルのお電話も、お早めに。 当日キャンセルの場合には、朝のうちにお願いします。
9月を前に、少ないスタッフで頑張っている朝日小屋から、重ねてのお願いです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2011/08/d20110830a.html