北アルプス 朝日小屋

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“朝日岳の歌”、2曲

2003-03-13

晩秋の雰囲気を漂わせる、夕日ヶ原    02.10.5

 晩秋の雰囲気を漂わせる、夕日ヶ原    02.10.5

 『山の歌』といえば…
 実は朝日岳にも、今から20年以上も前に作られた“名曲”があります。ご存知ですか?

(以下、資料は「保勝会50年のあゆみ」「70年のあゆみ」による) 
 
 “朝日岳の歌”は、昭和51年に朝日町の歌人で版画家の間部善治(まなべぜんじ)氏が作詞された「夕日ヶ原慕情」と「大蓮華讃歌」の2編です。
 「夕日ヶ原慕情」は、なだらかな斜面に咲く美しい高山植物と、黒部の山々を背景にしながら日本海に傾いていく夕日の素晴らしさを歌っています。また「大蓮華讃歌」は、登山口の小川温泉元湯から恵振山・夕日ヶ原を経て朝日岳への登山コースを順々に歌い上げてあります。
 その歌詞にPRも兼ねて広く全国から曲を募集し、草加市の土田明人氏がメロディーを付けて出来上がったのが、互いに曲調の違う2曲の“朝日岳の歌”です。
 その2曲のうち、テンポが速く明るく軽快な曲調の「大蓮華讃歌」が全国に紹介されました。“越道過ぎれば湯ノ瀬もはるか、小川元湯はもう見えぬ”で始まるこの曲は、昭和54年夏の1ヶ月間、NHKテレビの「みんなの歌」で、ナント演歌歌手・細川たかしが歌ってお茶の間に流れました。
 当時学生だった私は、毎日お客さんに食堂で、“ムリヤリ”“歌唱指導”と称して「大蓮華賛歌」を歌わせていました(笑)。
 それから、しっとり静かな曲調で歌われる「夕日ヶ原慕情」ですが、「大蓮華賛歌」の“陰に隠れて”当時はあまり歌われる機会がありませんでした。しかし今では、朝日小屋のアルバイトのみんなの“テーマソング”として、特にアルバイトを終えてみんなが下山する時のバックミュージックとして流されます。小屋での想い出を胸に小屋をあとにする後ろ姿に、この曲が流されると、みんなこみ上げるものがあるようです。
 この「夕日ヶ原慕情」は、亡父の葬送の場面でも流させてもらった大好きな曲で、私にも忘れられない歌となっています。
 
 先日の高岡では、“山の歌”さんに「夕日ヶ原慕情を歌ってください!」と言われたのに、お酒のせいかド忘れしてしまって、ゴメンなさい。この夏にはちゃんとお聞かせしますから、お楽しみに!!