今年の『ゆかりの大改革』…!!
2003-06-23
今年の『ゆかりの大改革』…先日来、大々的にこのHPで書いていて(笑)皆さんきっと楽しみにしていらっしゃるのではないかと思いますが、ようやくその様子が見えてきましたので、そっとお知らせしますネ。
実は今シーズン、朝日小屋はお客様にお出しするお食事に使う食器を、新しく入れ替えました。お茶碗からお椀、お盆からお箸のはてまで、全てです。
そしてその食器をいわゆる『唐津モノ』にしました。(お椀・お箸・お盆以外)
…そうです、落としても「割れない食器」から「割れる食器」へ替えたのです。
亡父の代から使っていたのは、山小屋では一般的にどこでも使用されているメラミン製でした。それもメインのお皿は、3つに仕切られた給食用みたいなもの。
朝日小屋のお食事は、インスタントや出来合いを殆ど使わずに、長い山行で疲れた登山者の皆様にも食べていただけるような「家庭的なメニューと、素朴な味」を心掛けているつもりです。
しかし、いくら小屋のみんなが心を込めて○kgのジャガイモの皮をむいて大鍋で肉ジャガを作り、“灼熱の”厨房で油と格闘しながら美味しい天ぷらや豚カラを揚げても、それらがメラミンの食器に乗ってしまうと、何だかせっかくのお料理が見栄えも味も半減してしまうような気がずっとしていたのです。
「せっかくの朝日小屋の食事を、何とかもっと美味しそうに」「家庭的な雰囲気で、もっと心も身体も休めてもらえないだろうか」
…そんなことを管理人になってからずっと考え続けて、ようやくたどり着いたのが『食器を、従来のメラミン製から唐津モノに切り替える』ということでした。
正直言って、この決断は私にとってかなり勇気のいることでした。
若い頃から小屋の、特に厨房の中で働いた経験のある私にすれば、殆どの山小屋でメラミンの食器が使われている理由がよくよく分かります。あのまるで“戦場のような”シーズン最盛期の山小屋の厨房では、「軽くて割れない食器」はどうしても当たり前なのです。
また、山小屋全体の敷地面積が限られている中で、どの山小屋でも、お客様に絶対必要不可欠な客室や談話室・乾燥室といったスペースの他に、厨房や押入れ・物置といったそれぞれの空間をどう確保するかに、本当に頭を悩ませ四苦八苦しているのが現状です。
その中で実際今回も、収納に大きなスペースを要する「唐津モノ」を置く場所を、朝日小屋の厨房の中に作り出すということにかなり苦労しました。
またアルバイトのみんなの事を考えると、ただでさえタイヘンなシーズン最盛期の厨房で、割れることに気を遣い、また重たい唐津モノの食器は、それだけでも若いみんなの負担を増やすことになるのが分かりきっているから、私もかなり心が痛みました。
しかし、『どうしても、お客様に美味しいお食事を』という私の願いが、今回のことを英断させました。
実は、管理人になってから2年半以上、ずっとこのためにいろいろ自分で足を運んで食器類を見て回りました。
なるべく、割れにくい、欠け難い、洗い易い、収納し易い、そして少々割っても怒らないで済むような安価な値段…そんなことを念頭に置いて、何軒ものお店を覗いたり、フェアーのような場所に顔を出したり。
いろいろ書きましたが、未だ実際に使っていないので、果たしてどんな結果になるか、正直言ってかなり不安があります。(…一度に20枚とか、ガッシャーンと割れたらどうしようとか・笑)
でも、アルバイトのみんなや週末従業員の皆さんにも頑張ってもらって、どうにかこれを『朝日小屋のウリ』にしたいと思います。
実際に今、孝太・山口クン・私の3人は、毎食唐津モノの食器でご飯を食べているのですが、やっぱりコレが最高です!!。
昨日3人で、食器の並べ方や、テーブルのお盆の配置の確認をしました。お盆の上に乗ったそれぞれの食器を見ていると、「実際これにお料理が乗ると、もっとステキだろうな!」と自画自賛(笑)。
どうか、今年も朝日小屋の食事を楽しみにしていて下さい。みんなで、心を込めて作りますから。
先ずは山開きの日、皆さんに喜んでいただけるように、今一生懸命準備を進めています。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030623a.html