北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

前の記事 次の記事

平成15年度 北アルプス山小屋協会総会

2004-03-06

活発な討議がされた総会の様子   04.3.3の画像

活発な討議がされた総会の様子   04.3.3

 3月3日(水)から一泊の日程で、平成15年度北アルプス山小屋協会の総会が、長野県松本市の美ヶ原温泉のホテルにて開催されました。
 この会は、長野県・岐阜県・富山県の三県にまたがる北アルプスの各山小屋が、「…北アルプスの紹介、知識の向上、自然保護及び遭難対策のため、会員間の連絡調整を行うことを目的と」し、その目的を達成するために関連した事業を行なうとしています。
 つまりは、それぞれの山小屋が情報交換と交流を通じて懇親を深めると共に、共通の課題に取り組んでいこうという主旨により設立されているわけです。
 三県・5単位組合に分かれており、それぞれ持ち回りで山小屋組合が事務局を担当しているのですが、15年度は長野県南部の山小屋の皆さんで構成する「北アルプス山小屋友交会」が担当でした。
 
 例年通り、今年度の事業報告・会計報告・会計監査報告・次年度の事業計画・規約の変更などが審議、承認されました。また環境省、林野庁、国土交通省など諸官庁からの連絡事項などの伝達などもありました。
 また、近年の山岳界を取り巻く情勢を反映した議題として、昨年相次いで発足した「社団法人日本山岳ガイド協会」「旅行業ツアー登山協議会」からの連絡もありました。

 また、今回の総会では特に『勉強会』という形での情報交換や討議が行なわれました。
 勉強会の座長は、信濃毎日新聞社の記者時代から山岳遭難や山岳環境問題を追求され、またご自身もヒマラヤ登山隊に隊員として参加するなどの実績をお持ちの、山岳ジャーナリスト・菊地俊朗氏でした。
 内容は「山小屋の将来の為に」という方向性の中で、その1−登山道・ゴミ処理・し尿処理・安全登山、その2−“新しい登山者層の開拓についての提案”という、全体で5つの項目別に各組合からの発表と討論が行なわれました。
 
 山小屋が抱える問題は山積しています。また緊急に統一性を必要とされる問題もあるのではないかと、私自身も感じた次第です。
 あるひとつの問題を取り上げても、各山域、各県によって取り巻く状況が違っている場合があります。
 また監督(担当)官庁が複雑に入り組んでいる場合もあります。環境省・林野庁・国土交通省・各県・各市町村…などの担当がそれぞれ関わってきます。
 あるいは山小屋の規模や設備によっても、出来ることや出来ないこともあったりします。
 
 社会情勢、個人のニーズ、「山」「山小屋」に求められるもの…山小屋を取り巻く状況は一様ではないとは思いますが、今回のような会議を通じて全体の意思統一を図りつつ、情勢に対応していく必要性を痛感しました。
 
 山小屋の管理人になって今年で4年目。勉強不足の私は、一年に一度ではありますが、山小屋の皆さんと情報交換し交流を深めることの出来る機会をとても大切に考えています。
 自分自身の考え方が未熟な分、対応に苦慮する場合もありますし、まだまだ分からないことも多いのです。これからも諸先輩方の意見に素直に耳を傾けつつ、登山者の皆さんの声をしっかりと受け止めながら、自分の問題意識を高めていく努力を続けて行きたいと思っています。