北アルプス 朝日小屋

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朝日岳方面遭対協の春山訓練・二日目

2004-03-15

大地から初雪山の稜線  04.3.14の画像

大地から初雪山の稜線  04.3.14

 テント場での朝は早く、早朝4時半起床。前日の疲れも見せず、山慣れた警備隊・救助隊の皆さんの行動は起き掛けからすでに迅速です。朝食は、何だか良く分からない(!?)前日のご馳走(キムチ鍋)の残りにうどんを入れて食べました・笑。
 初雪山から戻って昼食を済ませてからテントを撤収することになっていましたので、とにかく素早く身支度を済ませて、いざ行動開始。
 お天気はまずまず。前日は何も見えなかった初雪山への稜線が、ずっと延びているのが良く分かります。朝はさすがにガチガチに凍っていますので、前日の打合せ通り各自アイゼンとピッケルを装備し、ザイルなどその他必要な装備も携行しました。 
 いくつかの小ピークを踏みながら、稜線を歩きます。幸い天候が穏やかなので、地形の状態も良く分かりましたが、張り出した雪庇に充分に注意しながら慎重にルートを選んで行動します。
 アップダウンを繰り返しながらのなだらかな稜線歩きで高度を稼ぎましたが、途中には切れ落ちた斜面をトラバースする所が何箇所かあったので注意深く通過しました。昨年剱岳や野口五郎岳で経験した『落ちたら、死ぬかもしれない。。。』という思いが、少し頭を過ぎりました。
 しかし、凍てついた斜面にアイゼンが利きます。また普段の無雪期の山歩きでは滅多に使用しないピッケルも、その効果を発揮してくれました。
 そして、とうとう念願の初雪山へ!!…02年の4月に境川上流の大平(だいら)側から初めて登った初雪山でしたが、今回はどうしても行きたかった大地山からのルートで山頂を踏むことができました。
 強風の吹く初雪山では、記念写真を撮ってすぐさま下山開始。初雪山直下の急斜面ではアイゼンを付けたままでしたが、気温も高くなって雪面も緩んできたので帰路は途中からアイゼンを外しましたが、かんじきを装着するほどでもなく“ツボ足”で歩きました。
 テント場まで、往復約5時間半。遅足の私が同行していた割りに、予定時間を少しオーバーするくらいの所要時間でしたので、皆さんにあまり迷惑を掛けずに済んだと私なりに少々ホッとしました…。
 具沢山のラーメンで昼食を済ませて、テントを撤収。最後にもう一度、立ち木を使ったりピッケルをアンカーにしたりした訓練をした後、下山開始です。
 帰りは、山スキー組はそれなりに楽しみながら、かんじき組は緩んだ湿った雪に散々悩まされヘロヘロになりながらも、夕方全員が小川ダムの駐車場に無事下山。
 
 大地山から見る初雪山は、本当にステキでした。そのどっしりとした山容、凛としたその姿は、岳人たちの気持ちを駆り立てるにふさわしいものです。

 今回の訓練に参加した全員が、達成感と充実感で満足のいく春山訓練になったと思います。
 大地山、そして初雪山一帯は、この春山の時期、最近隠れた人気がある山ではないかと思いますし、週末になると何組かの入山者もあるように聞いています。実際今回も県内の愛好者で3名1パーティー、単独行1組の計4名の登山者に会いました。
 そういうこともあって、遭対協の春山訓練地に選んだわけです。
 
 今回の訓練では、私自身がいろいろな経験をし、「山」と「山登り」を深く考えることができました。

 里は春でも、山は一瞬にして厳冬期の山のようにその姿を変貌させてしまうこともあります。標高が2,000mに満たない山であっても、その入山にあってはくれぐれも入念な計画と慎重な行動をぜひお願いしたいと思います。