北アルプス 朝日小屋

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母と一緒に、黒薙温泉へ

2005-11-12

猿飛峡にて   05.11.10の画像

猿飛峡にて   05.11.10

 10日・11日と、母と知り合いのNさんの3人で、黒部峡谷の秘湯・黒薙温泉へ行って来ました。

 いつだったか、母もNさんもそして私も、誰も黒薙温泉へ行ったことがないということになり、「それじゃあ、一度紅葉がきれいな時に行って来よう!」ということになったのです。

 黒薙温泉さんは、同じ山小屋組合に所属しているということもあり、一度は訪ねてみたいと思っていた温泉。
 朝日町から宇奈月温泉のトロッコ電車の乗り場まで30分弱、トロッコ電車で黒薙駅まで25分、宿まで歩いても15分。一時間ちょっとで行ける温泉なのに、今まで一度も訪れたことがありません。

 当日は青空が広がる良いお天気に恵まれ、せっかくだからと、トロッコ電車の終点の欅平まで足を延ばしました。
 私も、欅平周辺を“観光客”となって歩いたのは初めて。
 紅葉には少し遅かったようですが、それでも渓谷の秋を感じつつ、猿飛峡までの道のりを散策しました。
 すぐ近くの山、そして遠くの峰々は、前日に降ったのでしょうか、白く冠雪しており、すぐ近くまで冬が近付いてきていることを窺わせていました。

 そして、お目当ての黒薙温泉へ。

 黒薙温泉辺りは、紅葉が真っ盛り。赤や黄色の葉が鮮やかで、陽の光に輝いて本当に見事でした。

 黒薙温泉の発見は、今から360年も前の正保2年(1645年)といいますから、本当に昔からの温泉です。
 深山幽谷の「隠れ湯」としての面影があちらこちらに残されている温泉で、「こんな近くに、こんなに素敵な温泉とお宿があったとは」と3人で感激しきりでした。

 女性専用露天風呂の「天女の湯」、宇奈月温泉の源泉がすぐ横にある「大露天風呂」、そして源泉掛け流しで風情のある「内湯」。
 どのお湯をとっても最高で、もちろん全部入って来ました!! (満天の星空を眺めながらの、大露天風呂は圧巻)

 そして、山菜料理を中心として、富山湾の海の幸や岩魚の塩焼きまで出た宿のお料理。素朴な中にも工夫があり、そしてお味は薄味で上品。
 山菜は、春の間に宿の方たちで摘みに行ったものばかりとか。また、雪が多いからでしょうか、今現在この時季でも採れるという山菜が“天ぷら”になって食卓に上っていました。

 宿良し、お湯良し、そしてお食事も良し。

 母もNさんも大喜びで、少しは親孝行が出来たかなと、大満足の『小さな旅』となりました。