『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』
2001-03-30
4月を目の前にしての春の雪。待ちこがれた暖かさが少し遠ざかってしまいましたが、すぐには届かないから手に入れた時の喜びが大きいのかもしれませんね。
先日の日記の中で、「私にとっての朝日岳の魅力」について書きましたが、何か言い足りないような気がしてなりません。
他の山を訪れる機会の少なかった私にとって、やはり「山といえば朝日岳」なのですが、実は昨秋日帰りで剣岳の早月尾根を早月小屋まで往復してきました。
馬場島からの登り始めは、北又からの恵振の急坂と同じような雰囲気がありましたが、段々と標高を稼いでゴツゴツした岩肌を行くうちに、「何かが違う」という気持ちが起こってきました。朝日岳へのいつもの山道で私が感じるのとは全く違う想い。
「私の山じゃない…」
馬場島の登山口に建つ大きな石碑には『試練と憧れ』の文字が刻んであります。岩と雪の殿堂・剣岳はそういう山なのだと思います。では、朝日岳はどんな山なのでしょうか。もしそれを文字にするとしたらきっとこんな言葉が似合うのではないでしょうか。
『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』
…大らかな山容と同じく、黙って私達を受け入れてくれる、包み込んでくれる。山の持つ大きさや深さをまた別の意味で感じさせてくれながら、そこで出逢った人達の事もまた忘れさせない。もしかして朝日岳の持つ魅力は、そんなところにあるのかも…。私にとっての朝日岳は、いつもそんな山です。
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