気になるニュース、「30年に一度の異常気象」
2002-03-22

昨シーズン 01.7.7の朝日小屋・前朝日岳周辺
朝日岳への登山道から望む
昨日の地元新聞には、観測史上例のない早さで桜の開花が相次ぐなど、このところの異常気象についての記事が載っていました。
気象庁の発表によると、1月以降、偏西風が蛇行しなかった影響などで北極圏上空の寒気が南下しにくくなった為に、アジア、ヨーロッパの広い範囲で30年に一度程度しか見られない異常な高温現象を観測しているらしい。 (北日本新聞より抜粋)
今朝早く、朝日町の桜の名所・舟川べりを訪れてみると、いつも他の地区の桜よりやや開花が遅めの舟川べりでも(冷たい川風が吹き付ける為?)、 桜並木全体が何となく昨日までと違う様子。昨日の富山県内は20℃を超え5月並みのお天気だったというから、無理もないかも知れません。近づいてよく見ると、蕾のホンの先端がうっすら薄ピンク色に色付いていました。もしかして、このまま暖かい日が続くような事があると、今までにない位信じられないような早い開花があるかもしれませんネ。
そうなると、気になってくるのはやはり山の残雪の様子。
立山のアルペンルートでは、すでに4月の開通に向けて除雪が始まっているのですが、今年の積雪量は平年並み、と発表されています。しかし、低山、里山などではやはり例年に比べて積雪量はかなり少ないという情報もあります。但し、尾根、谷、沢などによっても毎年状況が違うのは、昨年の経験からも言えるのですが。
下界での水不足も、もちろん今から心配されているようですが、山小屋の水の確保はそれぞれその年の雪の量にも左右されるのですが、朝日小屋は7月の「海の日」頃までは雪渓から、それ以降は沢からの取水となりますので、今からとても気懸かりです。
朝日小屋でも、滅多に枯れない沢の水がとうとうピンチになって、水のある谷を降りて大きなポリタンクで背負子に担いで小屋まで何往復もしたという事が、過去にもあったと聞いています。
やっぱり『水』。「水の確保」はどの山小屋でも、とても重要な仕事です。朝日小屋では、いつもの年なら水に不自由する事はあまりないのですが、「30年に一度」という事であればいったいどうなるのか、ちょっぴり心配…。
それから、『花の開花時期』。今まででしたら、朝日岳での花の見頃は大体「7月20日頃〜8月お盆頃まで」とお答えしていたのですが、昨年など7月「海の日」の前にかなり一斉にチングルマなどが咲き始めました。もちろん朝日岳周辺は花の種類も個体数も多く、それが次々に咲くのでいつおいでになられても花は楽しめるのですが、それにしても昨年は、花の咲き始めがいつもより早いなぁというのが正直な感想でした。
昨シーズンの日記を読み返してみると、すでに7月5日には小屋の周りでハクサンコザクラやチングルマが見頃・満開と載せています。
この後3ヶ月間の天候の具合と、その影響が気になるところです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2002/03/d20020322a.html