自然相手
2005-01-20
今日は、黒部地区の山小屋組合と富山森林管理署との会合「国有林野内宿泊施設等の経営者打合わせ会」が行われました。
私たちは「自然相手」の仕事をさせてもらっています。
いろいろな職業の中でも、“癒し”系の仕事として最近注目もされ、ある意味羨ましがられているのかもしれません。
それにしても。。。
昨年は豪雨や台風などが相次ぎ、自然災害に晒された年でした。
“山”ももちろん例外ではありませんでしたが、昨年だけでなく、ここ3年続きで、この黒部地区の山小屋の皆はまさに『自然の脅威』の前にその非力さを痛感させられています。
黒部地区の山小屋組合のメンバーは、阿曾原温泉小屋や池ノ平小屋・仙人湯温泉・朝日小屋といった「山小屋」の他、祖母谷温泉小屋、その他黒部峡谷鉄道沿線の温泉旅館をも含んでいます。
そういった中、出ていた話。
例えば昨シーズンをみても、黒部峡谷鉄道沿線の特に欅平周辺では、落石による“人喰岩”の通行止めが長引いたり、黒部川の土砂が露天風呂を直撃したり。平成7年の大水害以降、「ろくなことがない」という声も聞かれます。
営業成績が悪かったというだけでなく、「この先どうすればよいのか。死活問題に繋がる」といったため息が出るほど。
黒部の山も川も、その大きさ・偉大さゆえ、それに関わる者たちを翻弄し続けています。
立山・剱岳地区でも、何度も襲った集中豪雨や台風の影響で剱沢雪渓などの状態が悪く登山者の通行に支障をきたし、また仙人新道下の二股の吊橋は何度も流出してしまいました。
佐々木泉さんの阿曾原温泉小屋では、初夏から秋にかけて、他に出来るメンバーがいないということで、二股吊橋の復旧に「山を越えて」4度も通ったという事態となっていました。
それもこれも、自分の小屋の利益のためではなく、登山者の皆さんの安全確保を第一にという思いだけで、大変な作業を引き受けていらっしゃるわけです。
朝日岳周辺でも、白高地沢の仮橋が早々と7月初旬に流出(その後復旧)。
(時々、豪雨や台風の影響をあまり受けなかった・感じなかった皆さんから、的外れな話を受けたりもしますが…苦笑)
朝日小屋では、小屋の建物そのものが直接の大打撃を受けたという最悪の事態だけは免れました。
しかし、一昨年の冷夏、昨年の福井・新潟の集中豪雨や何度も襲った大型台風の影響をもろに受け、2年続けての宿泊者の減少となっています。
自然相手の仕事です。
何が起きるか分かりません。
でも、頑張らなくては。
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