北アルプス 朝日小屋

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警告…貴方の靴は、大丈夫ですか!?

2005-09-22

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18の画像

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18

 『トレッキングブーツの中で、ミッドソールにポリウレタンを使用した製品において、ポリウレタンの経年劣化によるミッドソールの破損の可能性が…』

 上の文章は、トレッキングブーツのミッドソールの破損について警告したポスターから、一部引用したものです。

 
 上の写真を見てください。
 ご本人の了解を得て、HPに掲載させて頂きました。

 私が管理人になって5年、ほぼ毎年かなりの件数で、朝日小屋でもこの手のトラブルが発生しています。

 歩き始めてすぐこのような状態になった靴を履いて、よくこの長い道のりを歩いていらっしゃったものだと思うことがあります。

 
 今シーズンも、もう10件近くあったでしょう。
 その度に、靴の状態に応じて、テツが「にわか靴屋さん」をやってくれています。

 しかし、靴の状態次第では、予定のコースを変更せざるを得ない場合も生じます。補修した靴では、あと1日は何とか持たせられても、朝日小屋を経てまだ2日も3日もの縦走は無理となることもあるのです。

 今シーズンのお客様も、蓮華温泉を諦め北又へ下山された方、あるいは靴そのものを諦め“朝日小屋の長靴”で下山された方もありました。
 また、たまたま居合わせたうちの娘の靴が思いがけずピッタリで、それを履いて予定通り栂海新道を抜けた方もいらっしゃいます。でもそれは、本当に運が良かっただけの話ですから。

 いろいろ見ていると、一年にほんの数回、極端なケースでは一年に一度くらいしか履かない靴を使用している場合、あるいは、その靴が購入してから3〜5年くらい経っている場合、メーカーも割りと同じ場合、などなどがあるようです。

 ポリウレタンミッドソールの経年劣化については、調べれば多分インターネットでもかなりいろいろ載っているのではないかと思います。
 
 とにかく、山行きの前によくよくご自分の靴を点検されることが大切です。(靴ばかりではなく、もちろん道具全般)
 
 靴については、靴本体はもちろん、ミッドソール、フック、D環などの細部に亘っての点検が必要です。
 特にミッドソールの場合、靴底を繰り返し折り曲げて、ひび割れ等がないかのチェックをしてください。

 「歩く」「登る」という行為が基本である『登山』である以上、靴は命を預かってくれている一番大切な道具に違いありません。

 くれぐれも、よろしくお願いします。