小屋としては緊張、そしてほっと安堵感
2009-07-18
新聞記事でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、17日朝、朝日岳から蓮華温泉への下り(八兵衛平~五輪の森間)で登山者の方が転倒し負傷されました。
前日朝日小屋に宿泊し、当日朝小屋を出発されたグループだったのですが、雨に濡れてツルツルした木道で転倒し左膝を強打。歩行不能となり、同行者が朝日小屋に通報されたというケースでした。
幸いにも当日は、県警山岳警備隊の夏山週末警備初日で、ちょうど通報直後に入善署・丸山分隊長が朝日小屋に到着。すぐさま朝日小屋からも4名が出動し、背負い搬送で夕方4時前に小屋に収容しました。
しかし当日17日もずっと雨風で、とてもヘリコプターが飛べる天候ではありませんでした。
とりあえず、朝日小屋で応急処置。
私の主治医の整形外科医・Y先生と電話でやり取りしましたが、膝蓋骨骨折の疑いということで、シーネ(添木)をしました。
ずっと天候の回復を待ちましたが、17日に引き続き今日18日も朝からの悪天候。チャンスを待ちましたが、どうにも雨も風も止みません。
今日は、ご予約が10分の1まで減って、お夕食は10名様だけ。
そんなわけで夕方5時半を過ぎ、「今日は、もうヘリはダメかも」ということで、私たち“身内”も早々と6時から夕食を始めることにしました。
怪我をされた方、そして付添いの友人の方も一緒に、みんなで「さぁ、ご飯だよ!」と食堂の席に着いたのですが…。
「え~っ、平場が見えてきたよ!能登半島まで、見えるじゃないの!」
それから丸山分隊長と、大慌てで関係機関に電話。
一緒にご飯を食べている途中だった(ほぼ食べ終わっていた)負傷者の方、付添いの方、そして小屋の者と大至急準備をして、ヘリを待ちました。
間もなくというかあっという間に、富山県消防防災ヘリが飛来。
午後7時過ぎ、無事にK市民病院に運んで頂きました。
しかも富山平野はよく見えていたのですが、新潟方面や白馬岳方面は濃いガスでまったく視界が無く、雨も降っていて風もあるという状況でしたので、ほんの僅かの雲の晴れ間、日没まであと少ししか時間が無いという中で、よくぞ飛んでくれたという感じです。
いつになったらヘリが飛べるのか、最終的には北又まで背負い搬送になるのかと、やきもきしていた警備隊・丸山分隊長他、関係者や朝日小屋のみんなも本当に安堵しました。
負傷されたご本人も、怪我はしているものの思いのほかお元気のようでしたし、K市民病院にて無事に応急処置をしてもらい、明日には自宅に戻りその後手術になるだろうと、連絡がありました。
受傷されたことは大変な事態だったと思いますが、命に関わるような重大な結果になることはなく、ヘリで無事に運ばれて本当に安心しました。
まだ梅雨も明けなくて、お天気の悪い日が今しばらく続いています。
無事に下山されてこそ『朝日岳は良かったね、また行ってみたいね』と言えると思います。
くれぐれも、事故の無いよう。いつもそう願っています。
…あぁ、それにしても、『梅雨明け』がとっても待ち遠しいです!!!
…夏の空、青空、や~い!!!
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