北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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朝日小屋「火事騒ぎ」…!?

2001-11-19

朝日岳遠望      photo by  E・KAKUMA    

  左が朝日岳、右の前朝日岳との鞍部にポツンと尖がって見えるのが

              朝日小屋の赤い三角屋根…わかりますか??

 またまた実は…

 ちょうどひと月前の10月20日(土)の夕方、隣の入善町で会合に出席していた私の携帯電話に、家から連絡が入りました。慌てた様子の義母の声…「ゆかりちゃん、朝日小屋から煙が出とるって!!」

 「えーっ、ホント!?…ウソやろ!?」…昔朝日小屋でアルバイトをしていた男性から連絡があり、同じ会社に勤める二人の元アルバイトが、どうも朝日小屋付近から横に流れる筋の様なものを発見、どうやらそれが朝日小屋から出ている煙に見える、というのです。

 まさか…10月12日に小屋を閉めて下山して来てから、ちょうど1週間。何人もの人が最後を確認してきているはずで、火の不始末なんてそんな事があるわけがない。でも、100%絶対無いとも言い切れず、もしかしたら小屋閉め後に何かトラブルがあったか、それとも小屋閉め後にいらっしゃったお客様が何か不始末でも…。

 考えても頭の中は悪い事態を想像するばかり。時刻は夕方4時を過ぎて、夕暮れも近付いてきます。とにかく確認する事が先だと、自分の目で確かめただけではどうにもならず、朝日町と隣の入善町の消防署へ連絡。「こういうわけなので、消防署の高い所から、双眼鏡で確認して下さい。お願いします!」…朝日町の消防署の担当の方は、「それは大変だ、もし何でしたら、ヘリコプターで確認するという事で、手配をしましょうか!?」

 「ちょ、ちょっと待って下さい。そんな大事になってしまってもナンですから」「では、こちらで確認してからすぐ電話を入れます」…そうやって待つ時間の長いこと。消防署から折り返し連絡があり、「どうも私達が見たところでは、そういう煙らしきものが見える気もするのですが。。。、実は、朝日小屋の場所が正確に確認できないようで。。。」

 「わかりました、今からすぐ消防署へ向かいます!!」…もう日没も時間の問題。消防署までの道を、ドキドキしながら車を走らせました。屋上へ着いたのは、殆ど陽も沈みかけてようやく山が見えるギリギリの時刻でした。

 その頃には双眼鏡では煙は見えず、朝日平の鞍部には、どうにか小屋の屋根らしき物が見えるような気もしますが、何しろ夕暮れの中、絶対とは確信できませんでした。

 結局、煙らしきものが見えてからの経過時間をみると、その後赤い火の手が上がったのもわからないし、きっと横にスッーっとたなびいた筋状の雲が小屋からの煙のように見えたのだろうということで落ち着きました。

 翌日は朝起きるとすぐ山を見ました。でも良くわからなくて、いつも小屋のお手伝いに来て下さる板さん(消防署員です)に連絡し、彼が天体望遠鏡で見てくれました。で、大丈夫、小屋の屋根が見えるとのこと。少しホッとしました。

 その後、10月下旬に白鳥山・犬ヶ岳へ行った時など、とにかく朝日小屋を確認したくてじっと目を凝らしていました。そして先日増村さんと町を歩いた時には、蛭谷という集落の朝日岳がよく見える場所から、双眼鏡でしっかりと小屋を確認する事が出来ました。

 ……来年6月の小屋開けの時まで、どうか小屋が無事でありますように。新米管理人はちょっとドキドキです。

 写真は、10月末か11月初めの初冠雪の時のものです。

 地元出身で今は東北地方で勤務のY・Nさんが送って下さいました。朝日町にお住まいのお友達が写されたそうで、撮影場所は、柳田〜下殿町の間の小川左岸。

 この写真を見て、本当に安心しました(笑)。