第5回 富山県保勝会会議
2001-11-26
(デジカメを持っていくのを忘れ、
会議の様子が撮れませんでした)
25日(日)は、第5回富山県保勝会会議・黒部大会が開催され、新米管理人も出席しました。
この会議は、『富山湾をめぐる山・川・海を守る団体が、それぞれの活動紹介や意見交換を通じて交流を深め、今後の自然保護思想の高揚と各会の発展に資する』という趣旨で、「富山県保勝会連絡協議会」が主催し2年に一度開催されるものです。
参加しているのは、大蓮華山保勝会・僧ヶ岳保勝会・五箇山保勝会・三千坊保勝会・鴨川にもサケを呼ぶ会・魚津漁業協同組合・東布施食生活改善推進委員の、県内各団体です。
今回は、基調講演で「自然の循環と共生」という演題で元富山大学教育学部教授の長井真隆先生が講演され、その後「自然にやさしい登山道について」のテーマで各会代表によるパネルディスカッションが行われました。
参加している会は、対象となる山や海、会の規模、活動内容等も大きく異なりますが、『今、山、川、海の自然を考える』という点で一致し、それぞれの情報を持ち寄り自分達ができる事を考えようとしています。
長井先生の講演、そしてパネルディスカッションを通して、いろいろな課題が見えてきたように思います。
例えば私達営業している山小屋では、登山道の整備や草刈りは大切な仕事となっていますが、登山者のニーズにどこまでも応えていくという姿勢をとろうとすれば、昨今の「中高年登山ブーム」で増え続ける中高年登山者向けに、<道幅が広くて、絶対つまずく事のないような、草刈りの行き届いた登山道>作りをしなければいけないでしょう。
しかし、元来登山とはそれぞれの力量に応じた各人の責任の元において行われると考え、<山は厳しいものである>という認識であるならば、当然登山道は自然との共生を考えた『自然にやさしい』作り方をするべきでしょう。
そんな議論を交わしながら、最後に長井先生は、「かけがえのない自然」をどう保護しまたどのように利用していくか、「自然と人間」の折り合いをどうつけていくのか…どれも性急に結論が出る命題ではないが時間をかけて議論していかなければいけない、現状維持をいかに図っていくかを話し合う事が大切だと話しておられました。
会議の中で、今年開通した「(越中)駒ヶ岳」の登山道の話題も出ました。2002年の来年に向けて、標高2002Mの駒ヶ岳に登山道をという事で整備されたのですが、「ここまでしなくてはいけないかと思うほど、とても立派な登山道が出来ていた」という報告もあり、僧ヶ岳登山者が年間3,000人という数字とあわせて、僧ヶ岳の仏ヶ平の貴重な高山植物や自然がこれ以上荒らされる事が懸念されるという事でした。
いろいろな立場の方の意見に耳を傾けながら、私達が出来る事やしなくてはいけない事を見つけていく場として、とても有意義な会議でした。
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