今年の夏山は…!?
2004-01-15
今日の富山県地方は、朝からずっと雪が降り続いています。辺り一面真っ白な雪・雪・雪…。“車社会”に頼り切っている私たち現代人には通勤・通学の足にも支障をきたしたり、外で仕事をしている皆さんにとっては一番辛い季節ですよネ。家に居ても、どうしても家事等全てが億劫になってしまいがちです。
しかし何かと尻込みしそうなこの時季ですが、やはり冬に雪が降らないと、私たち山小屋関係者は夏の間の「水不足」が心配になったりもします。
さてさて…
外は真冬でも、心は『シーズン』へ。今年の山開き登山会の日程が決まり、ぼちぼちと夏山のご予約やお問い合わせも入って来たりしています。
今から夏山シーズンの諸々の予想をするのは、到底無理なのですが、それでも私なりにいろいろ考えます。
梅雨明け予報、残雪の予想、お花の開花時期、お客様の動向…などなど。
ここまでの雪の降り具合などを見ていると、今年は雪は少ないのかしら?と思ってしまいます。しかし昨年のように、6・7月の天気によってはアレほどいつまでも雪が残った年も珍しかったりするので、本当にどうなることやら。
(お客様からのお問い合わせには、「明日の予報も当たらないのに、1ヶ月先・1週間先のお天気なんて…??」と答えている私です・苦笑)
しかし『お花の朝日岳』とすれば、今年の7月・8月は、どの週においでになっても、必ず楽しめるというような休日の配置になっているのではないかと考えています。
「最高の、百花繚乱のお花たちに出逢いたい!」と、多くの皆さんが7月最終と8月最初の土・日曜日に集中される事態が避けられれば、と思っています。
1. 7月17日(金)・18日(土)・19日(海の日)
この週は、北陸地方が梅雨明けするかしないか微妙な頃です。昨年のような場合は残雪もかなり多く、お花の開花も少し早いかなという時期でした。が、一昨年は「海の日」辺りがちょうどお花が満開で見頃だったと記憶しています。
「雪融け直後のお花が見たい!」「梅雨明けがどうなるか心配だけど、予定を組もう!」というパーティーは、この時期も良さそうです。
ただし、信頼のおけるリーダーの下、綿密な計画を立てた上で、残雪の状況や登山道の様子などを必ず小屋に確認の上での入山をお願いします。
2. 7月24日(土)・25日(日)
3. 7月31日(土)・8月1日(日)
例年でしたら北陸地方の梅雨明けは7月20日頃だと思いますので、「梅雨明け10日」と言われる好天を狙うなら、やはりこの辺りが確実でしょうか。朝日岳の高山植物たちが、夏の光の中で最も美しく咲き競うのもこの頃でしょう。
しかし皆さん考えは同じ…となれば、夏の山小屋が一番込み合うのもこの週だと思います。この2つのパターンで、どちらの方がより混雑するかは今のところ分かりません。昨年のように、皆さんが空模様を眺めながら、天気予報次第で行動を決めようとされると、どちらかの週に極端に集中することさえ予想されます。
4. 8月7日(土)・8日(日)
例年朝日小屋では、7月最終週と8月第一週の週末にお客様が集中しますが、実は今年はこの週も案外イイかなと思っています。
朝日岳周辺は遅くまで雪が残りますので、雪が融けたあとから咲き出した夏の花も、まだずい分楽しめるはずです。そして高山では、早くも8月に入るとふっと秋の風が吹き始めるので、雪倉岳の稜線辺りではもうタカネマツムシソウなどの秋の花たちが少しづつ咲き始める頃です。
お天気の安定した時期を選んで、「夏の花」と「秋の花」の両方を一度に楽しめる山行を計画されたいのなら、この頃がお勧めです。
以前にも書きましたが、朝日小屋はそれ程大きくない山小屋です。その小屋に、夏の花を見たさに皆さんが集中されれば、当然込み合います。
私たち小屋のスタッフとしても、なるべく避けたい事態ではありますが、他の山域のように割と近くに隣の小屋が建っているわけでもありませんから、予約が無くてもおいでになったお客様には雨露を凌いで頂かなくてはいけません。
出来れば、今年は上手く4週に分散して混雑が少しでも避けられたらなぁ…などと、今からいろいろ考えている私です。
昨年のように全国的に「登山者は、空眺め」の様相ですと、予約状況は日々変わりますので把握しづらいのですが、なるべく皆さんにも状況報告したいと思っていますが、やはり詳しい話は、個々にお電話でのお問い合わせが確実かと思います。
今から夏のコトを考えてもどうなるわけでもありませんが、それでも、どうか「分散傾向」となりますように、と今から一人願っている私です…(微笑)。
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