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陽春の候、立山室堂から剱沢へ
2004-05-07
陽春に輝く剱岳をバックに 04.4.30
天候にも恵まれたゴールデンウイーク前半は、立山室堂から剱沢へと行って来ました。
自分の小屋開け前、シーズンイン直前の“ご挨拶”(!?)を兼ねての3泊4日の山行きでした。
今回は、阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さん、白馬村でガイドをしている永井さん、阿曾原のアルバイト・妙ちゃんの4人での、まさに“珍道中”…!?(笑)
初日の29日は、午後から上山し室堂で1泊。妹の立山室堂山荘も、連休中とあって登山者やボーダー、スキーヤーなどで結構混み合っていました。県警山岳警備隊の室堂派出所など、室堂周辺をウロウロしていた4人組です。
翌30日は、快晴。雷鳥沢を越えて剱御前への急登では、白く輝く大日岳や立山三山、遠く薬師岳など、春の北アルプスを満喫しながら登りました。
相変わらず遅足で登りの苦手な私は、後ろから泉さんに「登らんかい!歩かんかい!!」と“気合い”(褐!?)を入れられながら(笑)ひたすら剱御前小舎を見上げて登りました。はぁはぁ、ゼイゼイ…と息も荒く、とにかくお昼ご飯に釣られながら上を目指しました。
昨秋以来の剱御前小舎では、豊田支配人に美味しいラーメンをご馳走になりました。
ひと休みしてからは、剱沢小屋に向けて出発。永井さんと妙ちゃんは颯爽とスキーで滑り降りて行き、泉さんと私は雄大な陽春の剱岳をたっぷり感じながらしばらく下ると、まだまだ雪に埋もれた剱沢小屋に到着。
ブルト−ザーで小屋の周りを除雪中の佐伯友邦さんと、厨房を切り盛りする奥さんの里子さん、そして長男の新平君たちが満面の笑顔で出迎えて下さいました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040507a.html
雪に埋もれた剱沢小屋で
2004-05-07
剱沢小屋は、未だたっぷりの雪の中 04.4.30
4月末の剱沢小屋は、雪の中から掘り出されたばかりでした。
私たちがお邪魔した日も、そして連休中もずっと、友邦さんはじめ皆さんで小屋の周りを除雪し、雪を解かして水を作り、お湯を沸かす作業が続きました。
昨秋に初めて訪ねた剱沢小屋。今回、私の中には再訪の目的がありました。
朝日小屋の小屋開けは6月中旬です。
お陰様で、朝日小屋が小屋開けする頃には小屋の周りにはそれ程の雪は無く、「小屋を掘り出す」「雪を解かして水を作る」といった作業はありません。また建っている場所的に、たとえ小屋閉めの時でも、豪雪地帯にありながら沢山の「斜交い」をして雪の害から小屋の倒壊を防ぐといったこともしないで済んでいます。
以前に徳本峠小屋でも経験しましたが、私は小屋開け直後の剱沢小屋で、そんな「雪の中の山小屋の苦労」を体験し実感したいと思いました。「自然の厳しさ」をもっと知りたいと思いました。
雪崩で崩壊してしまった苦い経験のある剱沢小屋では、小屋を開けてお客様をお泊めするようになっている中でも、まだいくつかの「斜交い」が残っていました。しばらくの間、除雪の様子を見ながら徐々に外していくそうです。また厨房の窓も、雪の壁に閉じ込められて厳重な雨戸が閉められたままでした。
男たちは、ブルト−ザーで、そしてチェーンソーやスコップを使いながら、朝早くから夕方遅くまで小屋周りの除雪に明け暮れていました。
そして女たちは、小屋の中に雪を持ち込み、それを解かし、厨房やトイレなどに必要な水を次から次へと段取り良く作っていきます。
小屋を閉めてから数ヶ月、厳しい自然の中にひっそりと埋もれた山小屋の姿を思いながら、いつもは何気なく使っている「水」の有り難さと自然の恵みに思いを馳せ、夏の山々と樹々の緑が瞼に浮かんだ剱沢の春でした。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040508a.html
「沢の小屋」の厨房で
2004-05-07
賑わう剱沢小屋 04.5.1
剱沢小屋では、厨房のお手伝いをさせてもらいました。
自分の小屋に入ると、忙しくなればなるほど私はどうしても受付にいることが多くなり、お客様や電話の応対に明け暮れる毎日が続きます。厨房がどんなに忙しくても、なかなか食器洗いには手を出せません。
今回は久し振りに皿洗いに精を出し、「ナンダカ夢中で、一生懸命に仕事をした」というような充実感も味わうことが出来ました。
働き者であり、またいつも優しい笑顔の里子さん。
限られた“時間”や“水”を無駄にせず、厨房の仕事や掃除に一生懸命な里子さんには、いろいろと教えられることがありました。また、厨房で交わした雑談のやりとりからも、陰で日なたで小屋を支える女性として、「山小屋の大先輩」として、学ぶことがありました。
気持ちも仕事の出来栄えも、まるで「アルバイト一年生」になったようで(微笑)、有意義で新鮮な気持ちで過ごした春の剱沢小屋でした。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040508b.html
3日からは、北又小屋へ
2004-05-08
5月5日現在の、北又小屋の様子
2日(日)に剱沢から下山し、翌3日(月)〜5日(水)までは北又小屋そして恵振山の5合目まで行って来ました。
今回は、昨年と同じく大蓮華山保勝会会員で朝日岳方面遭対協救助隊員の水野幸正さんに同行してもらい、写真家の森下 恭さん、今シーズン北又小屋の小屋番をお願いした米沢さんも一緒でした。
湯ノ瀬〜北又間の町道は、まだまだ残雪に覆われ、また場所によってはデブリが出ていてかなり危険な箇所もありました。私たちが歩いている途中でも、雪塊が崩落してきたり、沢で雪崩の発生が確認されるなどもしました。
保勝会の安全登山研修会(4月25日)から約1週間ほどでしたが、その間好天に恵まれたこともあってか雪融けはかなり進んでいましたが、車両も途中までしか乗り入れることは出来ず、特に越道峠から北又にかけては町道(林道)の大半が未だ露出していない状況にありました。今後朝日町役場と業者によって、除雪と危険箇所の点検と道路補修などが行なわれる予定です。
北又小屋の周囲は、殆ど雪が融けていました。小屋の前にあるのは、屋根雪が落ちてきたものが融けずに少し溜まっている程度。
小屋は雪の影響で傷んだ箇所もなく、3日は夕方まで4人で周りの雪囲いを外したり窓を開けて空気を通したりなどの作業をしました。
ただ、町道の完全開通は6月初めになると思われますし、完全に小屋開けしてこれからずっと小屋番が入るということではありませんので、帰りにはまた入口は塞いで来ましたので、利用は出来ません。
昨年と比べても雪の量はやや少なめのように思いますが、それでも北又の「本格的な始動」は未だ少し先になります。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040508c.html
慎重に歩く
2004-05-08
町道湯ノ瀬〜北又間の様子 04.5.3
上の写真は、越道峠を越えて北又小屋側に下った箇所です。手前にかなり大きな雪塊がなだれ落ちてきている様子が分かるでしょうか。
斜面は、細い雑木が雪の下敷きになっているのですが、その雪が大きな塊となって不気味な音と共に一気に落ちる様を何度も目撃しました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040510a.html
まだまだ雪が残って
2004-05-08
越道峠の手前 04.5.3
北陸地方の奥深い山の中では、春はもう少し足踏みもしているようですね。
でも、周りでは山菜が芽を吹き始め、樹々は日に日に緑を増していきます。
雪融けも、この後は一気に進むはずです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040510b.html
「森の精」
2004-05-09
恵振山3合目 04.5.5
4日は雨で“沈殿”しましたが、曇り空に小雨が降った程度だった5日は恵振山の5合目まで行って来ました。
昨年7合目まで行ったのは5月20日でしたが、今年は雪融けが早そうだというので、それより2週間早く登ってみたのです。
今年の残雪は、5合目辺りでも昨年より少なめだったと思います。
しかし、不思議なことに雪の量に比べてブナの芽吹きは遅く、新緑はそれ程ではなくて、5合目のブナは未だ冬の衣を被ったままのようでした。
これは、4月末に2度も冬型の気圧配置になって寒波に見舞われた影響があるのではないかと思われます。春の仕度をしていた樹々たちも、あんなに寒い思いをしてもう一度冬の衣を纏い直したようですね。
3合目辺りまでは、芽吹いたばかりの緑が濃い靄のなかにも鮮やかでした。
手付かずのブナの林には、まるで「森の精」が住んでいるようでした。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/05/d20040510c.html
静かに
2004-05-09
恵振山2合目 04.5.5
シーズンに入る前に、こうやって自分の山を歩くのは、本当にいいものです。
もちろん、登山道の様子を見たり点検したり、危険箇所のチェックもありますが、その時々の『山』の様子に触れられるのが、今の私にはとても幸せなことです。
静かに、山を歩く…。
とても、気持ちが落ち着きます。
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