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約ひと月にわたった作業が終了!!
2004-10-01
台風一過の秋晴れの下、作業が進む
台風一過の今日、雲ひとつない秋晴れの下で、ヘリコプターによる関連物資の荷下げ作業が行われました。
これで、8月末から約ひと月間続いていた「平成16年度登山道整備事業」と、9月上旬の「今年度の朝日小屋改修及び補修作業」が完了しました。
関係官庁はじめ工事関係者の皆さんのお陰と、また大蓮華山保勝会のお力添えをもって、全ての作業が滞りなく終了したことに感謝申し上げます。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2004/10/d20041001a.html
紅葉の様子
2004-10-01
水平道を眺める 奥には雪倉岳
山の上では、今年は例年になく暖かな秋が続いています。
一昨日、白馬山荘の若林支配人から連絡がありましたが、白馬岳でも、いつもなら水道管が凍る時期であるのに、今シーズンはまだそこまで寒い日がやって来ていないということでした。
台風で大荒れだった一昨日と昨日。
今朝方、寒さで目が覚めました。もしかしたら、この秋初めてのことかもしれません。
今日は朝から快晴。でも、風の冷たさが先日までとは違うようです。
周りに目をやると、赤や黄色の色が、つい台風前の頃より鮮やかになっていることに気付きました。
紅葉も、まだもう少しとも思いますが、これもこの後のお天気と気温次第です。
ただ、今日の山の様子を眺めていると、「紅葉の良し悪し」を、本当に色の鮮やかさだけで口にするのは、もったいないように思いました。
色付き始めた樹々が、辺りの常緑樹と描くコントラスト、あるいは淡く染まりかけたそれぞれの様子などなど…、その時々にいろいろな自然の姿を、ありのままに感じられたらいいなぁと思いながら、ずっと飽きることなく水平道から雪倉岳にかけての様子を眺めていました。
それにしても…
まさかまさか、このまま「初氷」も「初雪」も見ないまま、13日の下山日を迎えるのかしら…
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朝日小屋、『平成の大補修・大改修』
2004-10-03
足場が組まれ、作業が進む 04.9.7
なかなかお伝えすることの出来なかった、今シーズンの朝日小屋の『大補修・大改修』の様子です。
昭和60年に完成した現在の朝日小屋も、今シーズンで丸19年が経過しました。
お陰さまで、皆様からは「きれいですね」「建ってから5年ほどですか?」などと感想を頂くほど、頑丈でまだまだ“健在”です。
しかし、奥深い北アルプスのこの自然の中で、しかも日本海側の厳しい環境に建ち、永年の風雪に耐えに耐えてきているこの小屋も、この数年少しづつ傷みが目立ち始めていました。
特に、お客様にご迷惑をお掛けしていたのが、「雨漏り」です。
普段の静かに降る雨の時でも、最近は雨漏りをする部屋がありました。
まして、強い風に巻き上げられたような、「雨が下から降る」ような時や台風が襲った時などは、“ポタポタ”どころか、水が壁を伝って流れるようなこともありました。
また、小屋を閉め切っている8ヶ月間はもちろん、小屋を開けている間も湿気が抜けきらなかったり、そのために「カビ」が発生する部屋もありました。
そんな諸々の不都合を改善しよう、頑丈に建っている現在の朝日小屋をもっと「長持ち」させようと、持ち主である大蓮華山保勝会が今回の『平成の大補修・大改修』を決めてくださいました。
今年、そして来年にかけて、朝日小屋は補修と改修に入ります。
お客様の目に見えて、何か今各山小屋でも流行りの「パブリックスペース」が出来るとかいうことではないかもしれません。
それでも、小さな山小屋にとってはそれなりの『大仕事』ですし、少しでもお客様の快適な小屋泊まりを実現できたらという、関係者の想いを形にしたいと思っています。
来年は、多分小屋開け早々からの工事になるかと思います。
ご不自由をお掛けするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
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厨房の中も…
2004-10-03
ブルーシートが張られて 04.9.6
直接お客様の目に触れることはあまりないのが、厨房です。
しかし、「快適に泊まって頂くこと」「美味しい食事を提供すること」…もしかしたら、この二つが山小屋の仕事のほとんどと言っても言い過ぎではないかもしれません。
今頃の時季になると、朝日小屋では平日はお客様のない日が続くこともあります。
がしかし、夏山シーズンの最盛期の、しかも限られた週末ともなれば、朝日小屋の厨房・食堂でも、大勢の皆様のお食事の用意に、まるで「戦場」のような混雑を極めます。
何交代もあるような場合でも、朝日小屋の食事はほとんどインスタントを使わず、「肉じゃが」や「豚カラ」「野菜の天ぷら」「サラダ」といったメニューを、一から手作りしています。
そんな毎日の仕事をどうしたら効率よくできるか。
それにはやはり厨房での作業能率の改善をぜひ図りたいと、昨シーズン中からずっと考えて、ようやく今シーズンの小屋開けから改修を進めてきました。
厨房の中は、以前に比べてぐっと動きやすくなり、また作業に見合った厨房機器も取り入れて、時間の短縮などを図れるようになりました。
それもこれもお客様に、少しでも美味しい食事をして頂いて、「また明日も元気で歩こう!!」という力を出してもらいたいという小屋の願いです。
前にも書いたかもしれませんが、『食べること』『寝ること』は山歩きにとって大切なことだと考えています。
もしかしたら、「超繁忙期」の週末でゆっくり休めなかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、それでもぜひ食事はとって頂きたいし、そのために小屋のスタッフは頑張っています。
朝日小屋にいらっしゃったら、ぜひご飯を食べてみてください。若いアルバイトのみんなが、手を抜かずに、一生懸命作ってますから。
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受付を改造して
2004-10-03
去年まで受付だったフロアです 04.9.7
上の写真は、去年まで受付だったフロアの床を取り壊している作業風景です。
受付を移動し、新たに今までとは反対側に作っていることは7月に報告したかと思いますが、その“元受付”だった場所がどうなったかについては何も書いていませんでしたが、実はその作業も9月中旬までに無事終了しました。
元の受付は厨房に隣接していましたが、今回の改修では、そのフロアを厨房に続く食料庫及び雑庫としました。
狭く限られたスペースの朝日小屋では、建てられた当初から雑庫や物置の不足が指摘されていました。
特に厨房関係では、父の代から私に代わって、大型の冷凍ストッカーが増え、寸胴や5升用の電子ジャーといったような大型の「モノ」のスペースの確保が課題となっていました。
今回、受付を移動し、空いた場所を厨房に続くスペースとしてもらったことで、人の動きや収納効率がぐんとアップしました。
何しろ今までは、ヘリで荷揚げされた1袋30キロもある「米」を、階上まで運び上げ必要に応じて下ろして来ていたのですから。。。
今シーズンからは、「米」の保管場所も1階に確保することが出来るようになりました。
ホッッ…です。
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紅葉の様子・続報
2004-10-04
深まる秋の中で、今日の雪倉岳・白馬岳・旭岳
先週末、朝日小屋においでになった方々からの情報によると…
紅葉も、かなり見頃を迎えているようです。
「水平道も良かったですよ。あまり期待していなかった割にはまずまずでした」とは、Tさんのお話。
「蓮華温泉からの紅葉は、良かったです。綺麗でした」とは、週末に蓮華温泉から往復された地元朝日町のMさん達。
小屋のみんなは、私も含めて小屋閉め作業の毎日で、歩いていないのでデジカメ写真もありませんが、どうやら朝日岳周辺の紅葉も見頃となっているようです。
今シーズンは台風の襲来が続き、激しい雨と風に樹々の落葉があったり、また葉が擦れたりしていて、紅葉はどうかしらと心配していたのですが、Tさんのおっしゃるようにここに来て全体に色付いてきているようです。
悪天候に泣かされた今シーズン。最後の連休は、どうか好天に恵まれることを期待したいと思います。
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ひと月、ひと月、ひと月…そして、ひと月
2004-10-05
昨日の夕焼け 04.10.4
朝日小屋の小屋開けは例年6月中旬、そして小屋閉めはちょうど4ヵ月後の10月中旬。
私の管理人生活も、今年で4年目。
あともう少しで、小屋閉め・下山です。
小屋開けからのひと月は、8ヶ月間の長い雪の中の眠りから小屋を起こしてやって、お客様をお迎えする準備に追われます。
北アルプスの最北端、雪深い朝日岳周辺では、7月中旬にならないとお客様はなかなかおいでになれません。
私たち小屋のスタッフは、ただただ毎日、掃除や片付け、そして登山道の整備などに明け暮れます。
そして7月第2週を過ぎた頃、ようやく待ちかねた登山者の皆さんが、雪解け直後の可憐な花たちに逢いにいらっしゃいます。
7月中旬から8月旧盆の頃までの約ひと月、朝日岳周辺は一番賑やかで華やかな季節を迎えるのです。
旧盆を過ぎて、秋の風が顕著に感じられる時季になると、お客様の姿は極端に少なくなります。
夏休みも終わりに近づくから余計なのでしょうが、時には、だあれもおいでにならない平日があったりして…。
8月中旬過ぎから9月半ばまでの約ひと月、夏の花が終わって紅葉のシーズンを迎えるまで、朝日小屋は本当に静かです。
寒くなれば、少ないお客様には温かい「お鍋」などでのおもてなし。ゆっくりして頂ける時季です。
そしてそんな時間(とき)、私も含めた小屋のスタッフは、つい目の前を通り過ぎた短い夏の間の喧騒から離れて、静かに思い思いの時間と空間を楽しみながら、少し疲れた心と身体を休めるのです。
小屋開けからほとんど一日も休まずに、暗がりから夜遅くまで働いた毎日を懐かしんだりもします。
そして小屋閉めまでの、約ひと月。少しばかりの淋しさを感じながら、8ヶ月の間空けていく小屋の整理や掃除に取り掛かります。
来年、小屋開けに来た時のことも考えながら、毎日毎日下山日に向けての準備が始まると、紅葉や初霜、初氷、初雪といった、山小屋のスタッフしか味わうことの出来ない「感激」を感じながら作業は着々と進められます。
ひと月、ひと月、ひと月…そして、ひと月。
その時季時季に、いろいろな想いを感じながら、山小屋の生活は、淡々と流れていきます。
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いつのの年と違って…
2004-10-05
池塘 小屋の近くで
管理人4年目にして、これまでの3年間とは少し違った4ヶ月間を過ごしました。
今年はお天気が悪くて、冷夏だった昨年同様、お客様のかなり少ないシーズンでした。
特に、「奥の小屋」ほど天候に左右されるという現象があるようで、朝日小屋も例外ではなく予約のキャンセルが相次ぎました。
しかし、小屋開け直後からの小屋の補修・改修工事、そして登山道整備事業が入ったことで、登山者の数が少なかったにもかかわらず、小屋の中の動きは例年以上に忙しかったと思います。
3番目の「ひと月」…つまり、本当だったらボーっとするはずの8月下旬から9月いっぱいの時期、小屋は毎日毎日時間に終われました。
でも、小屋廻りを快適にし、また登山道を整備し登山者の皆様に喜んで山歩きを楽しんで頂くために、小屋のスタッフも、人夫さんや職人さんたちと一緒に頑張りました。
だから…、
いつもの年と違って、やっぱり少し疲れました。
イチローじゃないけれど、「少し休みたい」です。
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