北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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ご案内…テレビ番組2本

2005-09-17

遭対協の訓練で   立山・文登研にて   05.5.28の画像

遭対協の訓練で   立山・文登研にて   05.5.28

 山関係の皆さんに、テレビ番組2本のご案内です。

1.本日(17日)午後7時〜9時
  テレビ朝日系列

 『ドスペ!』
  極限の救助 北アルプス山岳警備隊
  標高3000メートルからSOS 生死のドラマを見た

 ・約1年間に亘って、富山県警山岳警備隊を密着取材した番組です。朝日岳方面担当の平野分隊長や谷口隊員、前任の古崎分隊長なども登場されると思います。
・山岳警備隊員の厳しい訓練、そして現場での姿を、ぜひ見ていただけたらと思います。
 と同時に、遭難が多発している中高年登山の実態などが実録されているそうなので、必見です。何かを感じ学んでいただければと思います。

2.明日(18日)午後8時〜10時の間で
  テレビ東京系列

 『日曜ビッグバラエティー』
  故郷の名物母ちゃん…(!?)

・2時間スペシャル番組の中で、6人のお母さんたちが取り上げられているそうです。
・6人の中の一人が、私。
 だから、登場するのは約15分くらいでしょうか。
・先日、テレビ東京のクルーが朝日小屋を取材して行かれたものです。隠し続けた朝日小屋の「裏の姿(!?)」が映っているかも…。
・放送エリアが限られているかも。
 関東、関西は入りそうですが、残念ながらというか、富山県内での放送はありません。ホッ…。

寒くなりました!!

2005-09-21

今朝の朝日平と前朝日  の画像

今朝の朝日平と前朝日  

 下界でも、もう「真夏日」も終わったという予報が出ていますね。

 標高2,000mを超える高山では、いよいよ秋が深まって来ています。

 今朝の朝日平の気温は、8℃。
 昨日白馬岳からいらっしゃったお客様のお話では、白馬岳山頂付近では昨日朝方「霙交じり」の雨だったとか。

 日中でも、手や足が冷たく感じられます。
 それ程“冷え性”でない私でも、薄い靴下だけでは心許なく、分厚い靴下と二枚を重ねて履きました。

 ダケカンバやブナの葉が色付くには、未だ少し早いのですが、草紅葉は今とても綺麗で、この先まだまだ楽しめます。

 紅葉の本番、見ごろはいつ頃になるでしょうか。昨年は、10月に入ってからでした。

 それもこれも、この後のお天気次第。もう少し、グッと気温が下がらなくてはいけません。

 この後の時季、山は日に日にその姿を変えていきます。
 紅葉の様子を、順次お知らせできたらと思っています。

あと20日…!!

2005-09-21

朝陽を浴びて、今朝の朝日小屋の画像

朝陽を浴びて、今朝の朝日小屋

 10月10日の営業終了、そしてその2日後・10月12日の下山まで、あと20日ほどとなりました。

 先日の連休(17日・18日)はお天気が良くて、夏山ほどではないにしても、この時季としては珍しく、少しだけ賑わった朝日小屋でした。

 …… 蓮華温泉からお出でのお客様が、朝日小屋から下山した方に「夕飯は、湯豆腐が出ましたヨ」と聞いて楽しみに来たとおっしゃていましたが、残念ながら大勢だったので、夏バージョンのメニューで、湯豆腐はありませんでした。ゴメンナサイ ……

 しかし、今週末の次の連休はどうでしょうか。お天気も今ひとつはっきりしないようで、お客様も模様眺めといったところでしょうか。

 
 小屋閉めまで「あと○日!」となると、やっぱり、どうしても気になってくるのが、『食糧計画』です。

 一体小屋を閉める最後の日まで、あと何人のお客様がいらっしゃるのか、全く見当が付かない中で、そろそろ始まる恒例の『毎日の、在庫チェック!!』。

 特に、小屋閉め直前の10月の3連休は、お天気が良ければ「大入り満員(大袈裟!)」になる可能性も無きにしも非ず。でも、雪や霙が降ったりすればお客様ゼロも、これまたあるかも…。

 昨年は、工事の人夫さん用に9月にヘリで荷揚げした食糧その他が大余りとなってしまい(多分私の単純計算ミス)、最後には「みんなお願いだから、持って帰って!!」と、牛肉やら何やら、何十キロの荷物を『逆ボッカ』してもらったという、苦い経験もありました(苦笑)。

 ヘリやボッカで荷揚げした、貴重な食糧。
 もちろん「越冬」させられるものは残していくのですが、冷凍した肉類やその他は、お金が惜しい云々ではなく、当然捨てていけるわけもありません。

 なるべく「逆ボッカ」をせずに済むよう、うまく帳尻が合えば良いのですが…。
 
 これからは、日替わりでメニューも考えて、微調整しながら…の毎日となります。

 
 あと20日。
 何だか淋しいような、気が抜けるような。
 反面、ホッとする日が近付いているんだなぁというような。

 …何とも言えず、複雑な毎日です。

警告…貴方の靴は、大丈夫ですか!?

2005-09-22

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18の画像

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18

 『トレッキングブーツの中で、ミッドソールにポリウレタンを使用した製品において、ポリウレタンの経年劣化によるミッドソールの破損の可能性が…』

 上の文章は、トレッキングブーツのミッドソールの破損について警告したポスターから、一部引用したものです。

 
 上の写真を見てください。
 ご本人の了解を得て、HPに掲載させて頂きました。

 私が管理人になって5年、ほぼ毎年かなりの件数で、朝日小屋でもこの手のトラブルが発生しています。

 歩き始めてすぐこのような状態になった靴を履いて、よくこの長い道のりを歩いていらっしゃったものだと思うことがあります。

 
 今シーズンも、もう10件近くあったでしょう。
 その度に、靴の状態に応じて、テツが「にわか靴屋さん」をやってくれています。

 しかし、靴の状態次第では、予定のコースを変更せざるを得ない場合も生じます。補修した靴では、あと1日は何とか持たせられても、朝日小屋を経てまだ2日も3日もの縦走は無理となることもあるのです。

 今シーズンのお客様も、蓮華温泉を諦め北又へ下山された方、あるいは靴そのものを諦め“朝日小屋の長靴”で下山された方もありました。
 また、たまたま居合わせたうちの娘の靴が思いがけずピッタリで、それを履いて予定通り栂海新道を抜けた方もいらっしゃいます。でもそれは、本当に運が良かっただけの話ですから。

 いろいろ見ていると、一年にほんの数回、極端なケースでは一年に一度くらいしか履かない靴を使用している場合、あるいは、その靴が購入してから3〜5年くらい経っている場合、メーカーも割りと同じ場合、などなどがあるようです。

 ポリウレタンミッドソールの経年劣化については、調べれば多分インターネットでもかなりいろいろ載っているのではないかと思います。
 
 とにかく、山行きの前によくよくご自分の靴を点検されることが大切です。(靴ばかりではなく、もちろん道具全般)
 
 靴については、靴本体はもちろん、ミッドソール、フック、D環などの細部に亘っての点検が必要です。
 特にミッドソールの場合、靴底を繰り返し折り曲げて、ひび割れ等がないかのチェックをしてください。

 「歩く」「登る」という行為が基本である『登山』である以上、靴は命を預かってくれている一番大切な道具に違いありません。

 くれぐれも、よろしくお願いします。

ちょっと痛々しい姿だけど

2005-09-22

テツによる、「手術後」の画像

テツによる、「手術後」

 その靴の状態によって、ビスで留めたり、針金や番線を使って固定し、最後はテーピングテープで巻いたりします。

 何があるかわかりませんから、テーピングテープは、携行するのが良いでしょう。

「日曜ビッグバラエティー」

2005-09-23

サンカヨウも実になっての画像

サンカヨウも実になって

 先日テレビ東京系で放映された番組のビデオが、昨日手に入りました。
 その名も、『日曜ビッグバラエティー 海・山・大地で生きる!ふるさとの名物かあちゃん』
 
 昨日の晩ご飯の時、みんなでビデオ鑑賞会。

 あ〜ぁ、またまたいろいろ出ちゃった!?…というのが、正直な感想(苦笑)。
 でも、なかなか面白かったというのも本音デス。

 ドタバタもあり、涙あり笑いあり、チョッピリ厳しい姿あり。

 トイレットペーパーが無くなって大騒ぎしている姿も、しっかり映っていました。
 ちょっとした遭難騒ぎの場面もありました。

 私自身としては、三女のかなえの言葉が印象に残りました。
 「じいちゃんの時は、じいちゃんは静かだったけど、お母さんになったら…」
 亡父が小屋をやっていた時、我が娘たちはまだ小学生から中学生だったはず。でも、子どもなりにいろいろしっかり見ていたんだなぁと思いました。

 まだまだ5年目。バタバタしています。
 お客さんにもアルバイトのみんなにも、迷惑を掛けていないか、そして私の姿はどんな風に映っているのか、そんなことも考えました。

 前を向いて、一生懸命頑張る。
 そして、いつの日にか、もっと自然体でいられるようになったら。

 もう何年か経ったら、少しはドタバタも落ち着くのかな…、そう思いながらテレビに映る自分の姿を眺めていました。

お電話やファックスを戴いて

2005-09-23

ミヤマカラマツ   05.8.24の画像

ミヤマカラマツ   05.8.24

 「日曜ビッグバラエティー」放映の後、何件かのお電話やファックスを戴きました。本当に有難うございました。

 見ず知らずの方からの、心のこもったファックスもありました。
 常連さんからのお電話もありました。
 20年前、亡父の代にアルバイトをしていたという方からも「親父さんの写真も出ていて、とても懐かしくて電話しました!」と連絡を戴きました。

 今シーズンも最後まで、そして来シーズン、またテレビに映ったそのままの笑顔でお客様をお迎えできるよう、一生懸命頑張りたいと思います。

「ぎゅーっと、抱きしめるように」

2005-09-24

今朝のマツムシソウ  草丈わずか10cmほど、小屋の横での画像

今朝のマツムシソウ  草丈わずか10cmほど、小屋の横で

 昨日、栂海新道を目指すあるグループの皆さんがお出でになりました。
 その中に、3年程ぶりに朝日小屋にお見えになった女性。亡父の代から、何度か通って下さっている方でした。

 夕食の後、立ち話でしたが、少しお話しする時間がありました。

 時々私の管理人日記も読んでいらっしゃるようで、「9月病」などと書いたりしたものだから、いろいろと心配して下さっていました。

 
 その中で出た話…。

 その方が以前から通っていた、ある山小屋。
 最近先代のオヤジさんから、徐々に息子さんご夫婦に経営が移っていっているようです。

 …… 前のオヤジさんの時は、小屋に行くと『おぉ、遠い所ホントによう来たなぁ!!』と “ぎゅーっと、抱きしめるように” 迎えて下さったように思えて、結構足繁く通っていたんだけど、息子さんになったら、何だかあっさり「いらっしゃいませ」と言われているだけのような気がして、最近はなかなか足が向かわない ……

 「あぁ、登山者・お客様の皆さんは、こういう風に感じている時もあるんだ」 そう思った一瞬でした。

 私も亡父から管理人を引き継いだ形で、もう5年。
 日常的な小屋の切り盛りはもちろんのこと、そして日々のお客様との応対だけでなく、警備隊や遭対協他関係者の皆さんとの関係、そして大蓮華山保勝会の会員の皆さんとの関係…、その他とにかく諸々に気配りをする毎日です。アルバイトや週末にお手伝いに来てくれるみんなも、大切にしなくてはいけません。

 でも昨日のお客様の話は、小屋の管理人として「一番大切にしなくてはいけない、気持ち」を再確認させられたようで、ハッと思いました。 
 
 
 … 『よく来たね!!』と、先ず受け入れる …

 この言葉は、管理人になってしばらくしてある方に教えられたひと言です。

 でも、特に夏山繁忙期を中心に、小屋が最高に混んでいる時、またいろいろなお客様との「思いもかけない場面に遭遇した時(!?)」、果たしてそのことが確実に実行されているのか、いつも自問自答は繰り返してはいるのですが、どうでしょうか。

 「ぎゅーっと、抱きしめるように」お客様を迎える…
 
 (正直なところ、実際には何でもかんでもという訳にもいかず…) 
 いろいろな場面で難しい時もあるでしょうが、そんな気持ちはいつもいつまでも大切にしたいと、改めて思った昨日の夜でした。