北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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愛情込めて、優しさ込めて、一生懸命作ります!!!

2009-07-16

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すずちゃんが作った、とっても美味しいおにぎりデス!!

 おにぎりは、2種類・2個。

 定番の焼き海苔で包んだおにぎりは、中に“しそ昆布”が入っています。これが、美味しいと評判。

 そしてもう1個は、富山名物・とろろ昆布のおにぎりです。中味はもちろん、梅干(かつお梅)。

 富山県内では当たり前の、とろろ昆布のおにぎり。
 私たちは小さい頃からずっと食べているので、これは「全国共通」なのだと思っていましたが、どうやら違うらしいですね。

 ご家庭では「白とろろ」が多いかもしれませんが、朝日小屋では「ソフトとろろ昆布」を使いました。

 ぜひ一度、召し上がってみて下さい。美味しいですよ!!

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三女・かなえが作りました、残さず食べれるおかずデス!!

 そして、おかず。

 山小屋のお弁当のおかずには、本当にいろいろと制約や限界があります。

 今回は、今までのお弁当箱に入れていたものを、殆どそのまま引き継いだ形になりましたが、若干の変更もあります。

 おかずの内容を決めるのにもいろいろありましたが、おにぎりはそのままでも食べれるような工夫がしてありますので、食後の「ゼリー」やエネルギーになる「チーズ」は今まで通り入れることにしました。

 お弁当には定番の、こんがり焼いた「ソーセージ」。これは絶対外せないだろうという意見。

 これまでのシュウマイの甘酢に代わり、「肉巻き」。これは老若男女問わず、冷めても美味しいという感想。

 小さな「昆布巻き」が2ヶ。これはしっかりニシンが入り、味も上々です。

 「ピリ辛こんにゃく」や、「自家製たくあん」もあります。

 まだまだ検討もしていかなければいけませんが、頑張って『おにぎり弁当』作りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

登山道整備へ…その1

2009-07-16

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水谷の側に残る雪を切る、番頭さん・ミゾテ  今朝の仕事

16日現在、水平道は通行止めです!!

連休前に通行可能かどうかは、朝日小屋にお問い合わせを!!

 皆さんが気になっている水平道の開通についてですが、通行が可能かどうかは、明日午後(17日)か明後日午前中(18日)に判断したいと思います。

 今朝、今現在水平道で危険であると思われている箇所を、点検と整備に行って来ました。

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また別の場所でも、チェーンソーで「雪を切る」

 番頭さんのミゾテと、働き者のA。
 この二人がチェーンソーを持って、「雪を切りに」行って来ました。

 この数日間の雨で、思った以上に雪は溶けていたようですが、それでも沢に掛かる雪などは、急斜面をトラバースするような形で残っていて危険だったので、夏道が出るように「雪を切って」来たそうです。

 最終的には、水平道全体を点検した上で、通行可能か判断するようにしたいと思います。

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安全に通行できるように、これも小屋の仕事

 この3連休前に通行可能になれば良いのですが…。

 今しばらく、情報をお待ち下さい。  

登山道整備へ…その2

2009-07-16

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「雪を切り」道を作る  今日の午後からの作業

 朝のうちに水平道を途中まで点検に行って来たのですが、午後からは蓮華温泉方面を確認へ。

 朝の作業に引き続いて働き者のAと、コンビを組むPの二人。

 出掛けた時は晴れていたのですが、夕方遅くに戻る頃には土砂降りのお天気になってしまいました。

 相変わらずガスの中での作業でしたので、吹き上げのコルからの全体の俯瞰写真はありません。

 12日付の写真を「朝日岳情報」に載せてありますので、そちらをご覧下さい。

 雨が降ったら雪が溶けることは分かっているのですが、少しでも登山者の皆さんの安全の為にと行っている作業です。

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階段状に、「雪を切る」  根気と力の要る作業

 いつも吹き上げのコルの下に残る少し長い雪渓は、まるで道路のように、一列に足場を作って来てあります。

 また、少し斜面が急になっているところでは、雪を階段状にカッティングしてきてあります。

 だからと言って、絶対に滑らないというわけではないのですが、こういう雪の窪みになっているところを足場にして、危険を回避しつつ慎重に注意深くしっかりと歩いて下さい。

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ベンガラなどのマーキングも、頼りになります

 相変わらず「アイゼンは必要ですか?」というご質問をお受けしますが、それは登山者の皆さんそれぞれの技量(技術力)により違います。
 無くてもまったく問題なく歩ける方もいらっしゃるような斜面ですし、歩けない方は平らな雪の上でも怖がりますから。

 アイゼンが無かったら絶対に歩けないか、というほどの雪の斜面ではありませんが、やはりこの時季の雪はどんどん硬く締まって滑りやすくなっていますので、ご心配不安のある方は、軽アイゼンなどの携行をお勧めします。
 ただし、絶対必要かどうかの判断は各自でお願いします。

 …朝日岳は「北アルプスの、北の端」に位置している山です。

 この山域は、北アルプスの中でも雪の多い地帯です。
 遅くまで雪が残り、またその雪があることで高山植物も賑やかに咲き誇る、そんな山です。

 残雪を踏みしめてお花たちに会いに来る、そんな夏の山をぜひお楽しみ下さい。

   

今日の朝、そして夕方

2009-07-16

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今朝の気温は、10℃  ここは“別天地”です!

 今朝6時の気温は、10℃。

 このところ、雨が降れば肌寒い日もありますし、陽が照ってもそれ程気温は上がりません。

 私は、長袖を着ています。夜は、未だ毛布を被って寝ています。

 里では連日の猛暑だとか。山の上は、涼しいです。

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雲が、真っ赤に染まりました。

 夕方7時過ぎ、久しぶりに夕焼け。

 ちょっと「毒々しい」雰囲気のような気もしますが。

 北陸地方も、一日も早く梅雨が明けてほしいものです。

 

せっかくの連休なのに。。。

2009-07-18

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みんなで、「張りモノ」作りをして  お昼前、食堂で

 せっかくの海の日3連休初日だというのに、梅雨の明けない、というか梅雨末期の大雨でしょうか、朝からかなり強い雨風が吹き荒れ、朝日小屋でもご予約のキャンセルが続出です。

 本来なら前日からいろいろ準備もするのですが、それも天気予報とにらめっこしながら、中途半端な用意で終わっていましたが、朝からキャンセルが相次ぎ、もう正直言って「お手上げ。。」状態。

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みんなそれぞれ、各々のセンスで

 なので、何もすることが無くなったアルバイトのみんなで、ワイワイと小屋の中の「張りモノ」を作りました。

 各案内表示や、レイアウトをあれこれと。

 お陰で、趣向を凝らした素敵な手作りのモノが出来上がりました。

 そんなこんなで、早く梅雨明けの青空が見たいで~す!!!  

 

小屋としては緊張、そしてほっと安堵感

2009-07-18

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夕方6時半過ぎ、消防防災ヘリ「とやま」飛来

 新聞記事でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、17日朝、朝日岳から蓮華温泉への下り(八兵衛平~五輪の森間)で登山者の方が転倒し負傷されました。

 前日朝日小屋に宿泊し、当日朝小屋を出発されたグループだったのですが、雨に濡れてツルツルした木道で転倒し左膝を強打。歩行不能となり、同行者が朝日小屋に通報されたというケースでした。

 幸いにも当日は、県警山岳警備隊の夏山週末警備初日で、ちょうど通報直後に入善署・丸山分隊長が朝日小屋に到着。すぐさま朝日小屋からも4名が出動し、背負い搬送で夕方4時前に小屋に収容しました。

 しかし当日17日もずっと雨風で、とてもヘリコプターが飛べる天候ではありませんでした。

 とりあえず、朝日小屋で応急処置。

 私の主治医の整形外科医・Y先生と電話でやり取りしましたが、膝蓋骨骨折の疑いということで、シーネ(添木)をしました。

 ずっと天候の回復を待ちましたが、17日に引き続き今日18日も朝からの悪天候。チャンスを待ちましたが、どうにも雨も風も止みません。

 今日は、ご予約が10分の1まで減って、お夕食は10名様だけ。

 そんなわけで夕方5時半を過ぎ、「今日は、もうヘリはダメかも」ということで、私たち“身内”も早々と6時から夕食を始めることにしました。

 怪我をされた方、そして付添いの友人の方も一緒に、みんなで「さぁ、ご飯だよ!」と食堂の席に着いたのですが…。

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小屋前で、担架に乗せられる瞬間  オレンジ色の服は、消防航空隊隊員

 「え~っ、平場が見えてきたよ!能登半島まで、見えるじゃないの!」

 それから丸山分隊長と、大慌てで関係機関に電話。

 一緒にご飯を食べている途中だった(ほぼ食べ終わっていた)負傷者の方、付添いの方、そして小屋の者と大至急準備をして、ヘリを待ちました。

 間もなくというかあっという間に、富山県消防防災ヘリが飛来。
 午後7時過ぎ、無事にK市民病院に運んで頂きました。

 しかも富山平野はよく見えていたのですが、新潟方面や白馬岳方面は濃いガスでまったく視界が無く、雨も降っていて風もあるという状況でしたので、ほんの僅かの雲の晴れ間、日没まであと少ししか時間が無いという中で、よくぞ飛んでくれたという感じです。

 いつになったらヘリが飛べるのか、最終的には北又まで背負い搬送になるのかと、やきもきしていた警備隊・丸山分隊長他、関係者や朝日小屋のみんなも本当に安堵しました。

 負傷されたご本人も、怪我はしているものの思いのほかお元気のようでしたし、K市民病院にて無事に応急処置をしてもらい、明日には自宅に戻りその後手術になるだろうと、連絡がありました。

 受傷されたことは大変な事態だったと思いますが、命に関わるような重大な結果になることはなく、ヘリで無事に運ばれて本当に安心しました。

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午後6時46分  日没まであと30分、ガスの晴れ間の“ワンチャンス”で

 まだ梅雨も明けなくて、お天気の悪い日が今しばらく続いています。

 無事に下山されてこそ『朝日岳は良かったね、また行ってみたいね』と言えると思います。

 くれぐれも、事故の無いよう。いつもそう願っています。

 …あぁ、それにしても、『梅雨明け』がとっても待ち遠しいです!!!

 …夏の空、青空、や~い!!!

 

水平道が、通行できるようになりました!!!

2009-07-20

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雪は未だ所々にありますが、通行は可能です!

 連休前に通行できるようにと思っていた「水平道」ですが、大変な暴風雨のお天気だった為、逆に、この雨が一旦落ち着かないと残った雪の状態がどうなるか分からない(別の危険箇所が発生するかもしれないなど)ということもあって、点検確認の作業を先延ばしにしておりました。

 今日20日朝から、富山県警山岳警備隊・丸山分隊長と朝日小屋からも数人が出て、水平道を点検確認してきたところ、通行が可能になりましたので、お知らせします。

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「踏み抜き」や「スリップ」に注意されれば、特に通行に支障はありません。

 登山道上には、まだ何箇所か雪はありますが、慎重に歩いて頂ければ、問題は無いと思います。

 またこの雨の影響による崩落箇所・通行止め箇所は、ありません。

 水平道では、これから雪が溶けた後から後から高山植物が一斉に咲き出します。

 シーズン当初は、雪解けが早くて花の咲き始めも早いだろうと思われた今シーズンですが、ここのところ気温の低い毎日が続いていますので、お花の開花もこれからという様子です。

 結果的には、残念な天候になってしまった海の日初日・2日目でしたが、まだまだこれから!!

 梅雨明けが待ち遠しい毎日ですが、これからが本格的な夏山シーズン到来といった山の様子です。

朝日岳情報のコーナーにも、写真が載せてあります。ご確認下さい!!!

登山道の整備は…

2009-07-20

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階段状に、ステップを切る

 我が朝日小屋の“最強コンビ!”APが、先日来(雨の中も含めて)連日のように、登山道の点検確認に出掛けて整備を行っています。

 今日も、久しぶりの晴れ間に、水平道の整備や蓮華温泉方面のステップ切りに行って来ました。

 写真は、どれも今日の仕事ぶりです。

 特に今の時期、気掛かりになるのは、蓮華温泉方面の吹き上げのコルの直下。

 雪が硬く締まって来ているのと、少し斜面のトラバースがあるからです。

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登山者の皆さんが歩きやすいように、工夫しながら

 APコンビの仕事は、丁寧で、しかもお客様思いです。

 雨が降ると溶けて形が変わってしまうのですが、それでもなるべくなるべく登山者の皆さんの安全の為にと、連日の奮闘です。

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ステップやベンガラは、頼りになります  後ろからは登山者の方も

 それでも歩いたり登ったり下ったりされるのは、登山者自身。

 いくらステップが切ってあっても、不注意から事故になってはいけません。

 雪の上を歩いて、咲き出したばかりのお花を楽しみにいらして下さい。

 ほんのほんの少しだけ、小屋の者の仕事も思いながら。