前の記事
次の記事
静かに、ゆっくりと
2003-05-06
この眺めを、ひとり占め
真っ直ぐに立つ、ダケカンバの樹々 まだ新緑には少し早い
後ろは、春陽に眩しい穂高連峰から槍ヶ岳への稜線
『穂高平避難小屋』の周りでは、草が伸びるのを待って“飛騨牛”の放牧が始まるそうです。
ダケカンバは、私がいつも見ているそれとは違います。雪の多さ少なさが影響しているのでしょう、樹の幹もそれ程太くはなく、真っ直ぐ空に向かっています。
左に、木立ちの中で赤く見えるのが穂高平避難小屋です。
夜には、満天の星空、そして穂高岳山荘の灯かりも輝いて見えました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030506e.html
ズッコケ珍道中…いざ、「雪上テント泊」へ!
2003-05-07
てらちゃんと、雷鳥沢野営管理所前で 03.5.5 photo by ita
穂高平避難小屋で、“まったり”とした時間を過ごしたてらちゃんと私。このままもう1泊しようかという思いもありましたが、せっかくのGWに遠く広島の‘島’から出て来てくれたてらちゃんにいろいろ案内したくて、朝食を戴いた後に後ろ髪を引かれながら穂高平を辞しました。
「やっぱり、最初に話していた通り、行こうか!?」
目的地へ向かう途中のスーパーに立ち寄り、今晩と明日の食料の買出しです。あれもこれもと、結構買いましたねェ(笑)。
えっ?どこへ向かったのかって??
そうです、とりあえず雪のある山、そしてバッチリの春山装備が無くても雪上でテントが張れる場所…立山の雷鳥沢キャンプ場です!
もちろん、雷鳥沢から剱岳アタックや立山縦走を試みるのならば充分な計画や装備が必要ですが、天気予報も快晴でしたので、テント泊が目的の2人はテントとシュラフそして防寒具の用意をきちんとすれば行けるという計算をしました。(ピッケルだけは用意しましたが、山へ登る予定は皆無だったので、アイゼンは持ちませんでした)
ゆっくりした穂高平から、GW真っ只中の立山アルペンルートへ。これにはかなりの“勇気”が要りましたが、私の予想通り、連休中日のしかも午後からでしたので、アルペンルートは思ったより混んではいませんでした。
富山県側からアルペンルートを通って立山へ入るのは初めてだというてらちゃんは、コバルトブルーの空と雄大な立山連峰や剱岳の雄姿、そして“雪の大谷”に、バスの中からずっと感激しっぱなし。
室堂のターミナルに着いたのは、もう夕方の4時近く。急いで雷鳥沢のキャンプ場に向けて歩き始めました。途中、富山県警山岳警備隊で室堂派出所に常駐している金山康成分隊長にバッタリ。
「あれぇ、どこ行くがけ? 雷鳥沢?? 劍へアタックけ???」
「ハハハ、そんな装備持たんちゃ! な〜ん、雷鳥沢まで行ってテント張って遊んで来るちゃ」
オカシイナァ。。。私はサングラスしていたし、室堂平の大勢の人込みの中で誰か分からなかったはずだけど、ゆかりの「指名手配」でも出ていたのかしら?(笑)
雷鳥沢の野営場に着いて、すぐテントの申込に管理所へ。ところが、ここでも…朝日小屋“助っ人部隊”の板さんが受付から顔を出しました。お互いに「えーっ!?」連休で立山に春スキーに来ていたそうです。
大急ぎで、テントの設営、そして夕食の準備に取り掛かります。何しろ私は、昨秋買ったテントで泊まるのは初めて。大学時代にテント泊を数多く経験してきたてらちゃんにいろいろ教えてもらいながらの「雪上テント泊」です。
てらちゃんも私も、見渡す限りの雪の山々に大感激!
でも、もし周りの人から「お仕事は?」「明日はどこの山へ?」などと聞かれたら恥ずかしくて答えられないから(笑)、あまり大きな声で話さないようにしながらソットしていました(爆笑)。
視界極めて良好、風も無く、雪の感触を確かめながら、山々の懐に抱かれて…『憧れのテント生活』は静かに更けていきました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030507a.html
ピッケルとアイゼン、そして春スキーの世界
2003-05-07
立山連山をバックに、雷鳥沢にはカラフルなテント村が 03.5.4
連休中好天が続いたこともあって、雷鳥沢のキャンプ場は賑わっていました。
春スキーが目当てのグループ、いかにも劍までアタックするぞという装備のパーティー。テントの周りにも、アイゼンやらピッケルが目立ちました。
3日夜には120張り、そして私たちが泊まった4日には90張り近くのテントがあったそうです。
昨年の同じ日には、立山室堂山荘の妹と2人で劍御前小屋まで登って来ましたが、雷鳥沢の下から見上げる御前小屋は結構近く見えても上部は急斜面の連続です。
来年は、ちゃんと計画して装備も持って、何処かへ登ってみたいなァ…密かに密かに、思いました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030507b.html
テント泊を経験して
2003-05-07
夕照の中、myテントを前に“ご満悦”
てらちゃんのテントと2つ並べて張りました 03.5.4
私は、山を歩く(登る)多くの登山者の皆さんの時々の状況や、様々な願いや思いを、出来るだけ自分自身のものとして知っておきたいと考えています。
もちろん、海外の山へ行ったり、高度な技術を必要とする登山はムリかもしれませんが、それでも自分が可能な限りこれからもいろいろと挑戦していきたいと思っています。
体力や技術が無いのでなかなかホンモノの「山男」「山女」には近づけませんが、楽しみながら勉強していきます。
今回の「雪上テント泊」は、遊びの要素が殆どでしたが、それでも貴重な経験をしたと思います。
食料の調達、装備のあれこれ、テント設営のノウハウ、テントの中での効率良い過ごし方、防寒対策、テント泊する(したい)気持ち…等など。
寒さ対策は万全だったはずですが、“雪の上”は寒かったァ!!
「ザックに足を突っ込む」なんてことも経験しました。ズボン下を付けて、その上にズボンも2枚履きました。ホッカイロも張りました。それでも夜中に腰やお尻の辺りがジーンと寒いのです。
夜中に何度もトイレに行きましたが、凍った雪の上を歩くとザクザクと大きな音がして、他のテントの人に迷惑だったと反省しましたが、こればかりは生理現象なので許して下さいネ。
厳しい場面に遭遇して、自らの命を懸けて救助にあたる山岳警備隊の皆さんのことが、頭を過ぎりました。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030507c.html
遊びも、ここまで!
2003-05-07
夕暮れ迫る大日岳方面を望む 室堂平から 03.5.4
2月・3月、そして4月半ばまでのドタバタした生活の“うっぷん”を晴らすかのように、あちこち行きまくった私(笑)。
今日改めて思い返してみると…4月22日から2泊3日の徳本峠行き、26日から3泊4日の栂海新道、そして5月3日から2泊3日の穂高平、雷鳥沢。
よくよく考えると、長野・新潟・岐阜・富山と、4県も歩いているのには我ながらビックリ!
そしてその山行も、単独あり、ハードな山あり、のんびりの時間あり、テント泊ありと、とてもバラエティーでした。
今日友人から「もおーッ、家を出されるよ!」と、心配やら怒りやら(笑)羨ましいやら(笑)のメールももらいました。
でも、ゴメンね。これも仕事なのよ、私の。いろいろなことを経験したいし、その経験を山小屋管理人としての自分の「糧」にしたいから。
自分の小屋の小屋開けまで、あと約40日となりました。
この後、自分の遊びの山行きの時間は取れるかどうか。
11日は、大蓮華山保勝会の「安全登山研修会」
17〜18日は、遭対協の訓練
24〜25日は、「海のウエストン祭」
6月1日は、町道・湯ノ瀬〜北又線で「安全祈願祭」
そして6月15日は「小屋開け」
と、予定はビッシリ詰まってしまいました。
「遊びは、5月連休まで」と決めていた私。
今日は、昨シーズンが終わってから伸ばしていた髪をバッサリ切って来ました。
…さあ、ガンバロウッと!!
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030507d.html
お・ま・け…
2003-05-08
笠ヶ岳(2,898m)
新穂高ロープーウエイ・西穂高口駅展望台より 03.5.3
てらちゃんと、穂高平避難小屋に行く前に時間があったので、新穂高ロープーウエイに乗りました。
2人とも名実ともに全くの「オノボリサン」状態(笑)。
快晴に恵まれ、標高2,150mのロープーウエイ終点・西穂高口駅では、360°の展望。目の前に大きく迫ってくる西穂高岳をはじめとする穂高連峰、槍ヶ岳の峰々、双六岳や笠ヶ岳の稜線、そして遠くには加賀の白山までが浮かび上がってそれは見事な眺望でした。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030508a.html
朝日岳遠望
2003-05-08
この写真は、富山県警山岳警備隊・横山 隆分隊長が送って来てくださいました。
5月3日、春山警備のため劍御前小屋に駐在した時に、パトロール中の別山尾根から撮影したものだそうです。
例年に比べて残雪が多いとの情報があった今年の北アルプス(春山)、4月の降雨、そして5月の好天によってかなり雪は融けたとの話もありますが、多くの登山者が入山される夏山が近付いて雪の状態がどうなるかは、この後1ヶ月の天候次第。
5〜6月の残雪期の北アルプスに入山の場合は、くれぐれも事前情報の収集と綿密な計画・準備・装備をお願いします。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030508b.html
GW、おまけのオマケ!
2003-05-10
雄山をバックに、立山室堂山荘前にて 03.5.5 photo by tera
GWの立山行き、最後はやっぱり妹の所へ寄って来ました。
でも、雷鳥沢からキャリーの通った跡をぐるりと廻ったのですが、遠かったぁ(笑)。お天気が良かった分、暑くて。
オーナーの佐伯千尋さん、妹の法子、そして梅さんにも会いました。妹以外はみんな日焼けして、元気そうで安心しました。
てらちゃんと行った今回のGW後半の山旅、行く先々で何もかもが‘島’から来たてらちゃんを歓迎してくれたようです。
穂高平では、すぐ間近かでカモシカを見ました。
立山では、まだ冬毛の雷鳥が「グエーッ、グエーッ」「グワーッ、グワーッ」と鳴きながら、真っ青な空をバックに何羽も“低空飛行”していました。
てらちゃんの喜ぶ顔が、私には一番嬉しかったです!
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/05/d20030510a.html