北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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朝日岳を眺めに、快晴の負釣山(959.3m)へ!!

2004-01-13

青空に聳える朝日岳   負釣山南峰付近より   photo by shunの画像

青空に聳える朝日岳   負釣山南峰付近より   photo by shun

 10日に鍋倉山へ新年「初登山」した私。
 11日は、山用品を片付けたり、ウロウロと家事をしたり、女子駅伝を見ながらゴロゴロしたり。鍋倉山で少し“お疲れ”の身体には、ちょうど良い休養となりました。
 でも12日は冬の間の貴重な「快晴」の予報。う〜ん、これはやっぱりじっとしては居られないかも…。
 夕方になって、恐縮しながらシュンちゃんに電話を入れると「12日は負釣山へ行く予定にしているけれど、一緒に行く?」「うん、行きた〜い!!」

 鍋倉山でデビューした新品の靴を、近々にもう一度履いて慣らしておきたいという気持ちもありましたが、もしかしたらあの負釣山で朝日岳を間近に見られるかもしれないという期待があって、連れて行ってもらうコトに。
 同行はシュンちゃんと堀クン(飛びっきり料理の上手な、堀シェフ)で、12月に負釣山でテント泊をした“同級生トリオ”での楽しい山行となりました。

 前日(11日)の富山県東部は時折激しく雪の舞うお天気でしたので、もしかしたら林道は途中から歩かなくてはいけないかもしれないという予想に反して、林道の積雪は大したことは無く、オコ谷の駐車場まで車を乗り入れることが出来ました。
 
 前日降った新雪はさらさらのパウダースノー、お天気は快晴…。登り初めから“かんじき”は不要でしたが、慌てずゆっくりと登って行きました。前を行く単独行らしき人の踏み跡があり、足元も確かです。
 もしかしたら2合目・3合目を過ぎた辺りからは“かんじき”が要るかもしれないというシュンちゃんの予想も外れ、「ツボ足」での歩行が可能で、ルンルンと調子良く周りの景色を眺めながらの快適で順調な登りです。
 向側へと目をやると、10日に登った鍋倉山、その奥にどっしりと構える大地(おおち)、その右には凛とした表情の初雪山、そして白金ノ頭(しろがねのずこ)へと峰が続いていきます。
 雪は5合目を過ぎた辺りから少し多くなって来ましたが、まだ“かんじき”無しでも大丈夫、6合目上部のトラロープの急な箇所はいつも以上に慎重に登ります。
 7合目手前のトラロープの途切れた場所で、先行の方が“かんじき”を付けられたのが分かりました。でも私達はまだ「ツボ足」で何とかなりそう…。
 『前を行く単独行の方、“ラッセル泥棒”でゴメンなさい!』
 7合目に到着。抜けるように澄み切った青空に、長栂山とそれに連なる朝日岳が聳え立っています。ここからの眺めは、やっぱり何とも言えず最高です!!
 
 さぁ、もうひと頑張り!…山頂直下の急な斜面にどんな風に雪が付いていて、どういう状況になっているか少々心配しながらも、山頂目指して登ります。 
(何しろ、一昨年3月には山頂まであと5分という地点で“勇気ある撤退”もしていますから。。。)
 山頂間近になると、さすがに雪の量もかなり多くなってきましたが、フワフワした新雪の下の古い雪が適度に凍っている状態で、少々ズルッといったり、雪と “格闘”したりもがきながらも難関の急斜面もどうにかクリア。下から見上げると、くっきりとした青空に白い雪がスパッと切れて、目指す最高地点が分かります。
 負釣山山頂は、澄み切った冬の空に360°の大パノラマ。
 朝日岳はもちろん、剱岳をはじめ北アルプスの山々、僧ヶ岳…の峰々。そして青々とした冬の富山湾、雪の黒部川扇状地が眺められました。
 「最高に、幸せやね!!」…何度も呟いた、今年最初の負釣山登山でした。

負釣山で出会ったステキな皆さん

2004-01-13

青と白の世界で、皆さんで記念撮影    04.1.12の画像

青と白の世界で、皆さんで記念撮影    04.1.12

 昨日の負釣山登頂の皆さんは、6パーティー9人と、ワンちゃん1ぴき。
 
 私達の前を先行してトレースをつけてくれたのは、小杉町からの青江さん。この方は、2000年に標高差が2,000m前後ある北アルプスへの単独・日帰り登頂に挑み、十山制覇を達成。そして翌2001年には、北アルプスの槍ヶ岳から涸沢岳に至る3,000m級の六山に24時間以内で日帰り登頂したという記録を持つ “ツワモノ”でした。さすが!!…ちなみに、2000年の記録達成の時の十山の中には朝日岳が入っていたそうです。(標高差をはっきりする為、北又からでなく小川温泉から歩いたということでした)
 7合目で私たちに追いつき、ひと足先に登頂された入善町のTさん。どこかでお見かけした顔だと思ったら、2002年に初雪山でお会いして山頂下で強風を避けて一緒にお昼ご飯を食べた方でした。
 それから地元で顔見知りのNさん。「今日は奥様はご一緒じゃないんですか?」と聞いたら「家で、孫の子守りしてるヮ」とのこと。相変わらず健脚のNさん、トレースが付いていたとはいえ、登山口から1時間で山頂まで届いたとは雪がある中ではやっぱり速い!
 そして富山市内からいらっしゃったというご夫妻、仲良く長靴姿での登場でした。こちらのダンナさんも、私が2年程前に小野 健さんと白鳥山・犬ヶ岳を山行中に、白鳥小屋でお会いしているとか。「山の世界はホントに狭い!」を実感しました。
 そして、入善町のHさん。“リキ”という名前のワンちゃんを同行してスイスイと登っていらしたと思ったら、山頂ではホンの10分程休んだだけで「お昼ご飯は家に帰ってから」と言い残して下山して行かれました。いやいや、まるで“裏庭へお散歩”の雰囲気でした。

 山頂にて、皆さんで記念撮影。どなたも快く写真に収まって下さいました。
 「最高の幸せ」を分け合った、負釣山で出会ったステキな皆さんでした。

Hさんと、愛犬“リキ”

2004-01-13

愛犬“リキ”の画像

愛犬“リキ”

 入善町のHさん、実は、朝日小屋でアルバイトしていた祥慈の親戚のおじ様でした。
 やっぱり、狭い…。

 “リキ”の向こう側には、黒部川扇状地と日本海。

雪と“戯れる”

2004-01-13

山頂直下の急斜面の画像

山頂直下の急斜面

 山頂直下の急斜面も、シュンちゃんと堀クンは「いや〜ぁ、楽しい楽しい!!」を連発しながら。

またまた、満面の笑み!!

2004-01-13

満面の笑みの私の画像

満面の笑みの私

 バックには、初雪山、そして白金ノ頭。
 「最高の幸せ」のお裾分けデス!!

04年『朝日岳山開き登山会』の開催について

2004-01-15

小屋開け直後の朝日平から、雪倉岳・白馬岳・旭岳を望む   03.6.16の画像

小屋開け直後の朝日平から、雪倉岳・白馬岳・旭岳を望む   03.6.16

 先日開かれた大蓮華山保勝会の新年初役員会の席上、04年の「山開き登山会」の日程が正式に決定しましたのでお知らせ致します。

 今年の登山会は、6月26日(土)〜27日(日)1泊2日の日程で行われます。

 開催要項は、例年通りですと
  主催は、大蓮華山保勝会と朝日町観光協会。
  募集人員は、一般参加者が80名となります。
  参加者は、5月の連休明け頃より役場商工観光課(=観光協会事務局)にて募集。

 04年の要項等はまだ未定ですので、詳しくは新年度に入ってから、朝日町役場商工観光課(電話 0765−83−1100)へお問い合わせください。

今年の夏山は…!?

2004-01-15

雷鳥も待っています!!   小屋の前で   03.6.18の画像

雷鳥も待っています!!   小屋の前で   03.6.18

 今日の富山県地方は、朝からずっと雪が降り続いています。辺り一面真っ白な雪・雪・雪…。“車社会”に頼り切っている私たち現代人には通勤・通学の足にも支障をきたしたり、外で仕事をしている皆さんにとっては一番辛い季節ですよネ。家に居ても、どうしても家事等全てが億劫になってしまいがちです。
 しかし何かと尻込みしそうなこの時季ですが、やはり冬に雪が降らないと、私たち山小屋関係者は夏の間の「水不足」が心配になったりもします。
 
 さてさて…
 外は真冬でも、心は『シーズン』へ。今年の山開き登山会の日程が決まり、ぼちぼちと夏山のご予約やお問い合わせも入って来たりしています。
 今から夏山シーズンの諸々の予想をするのは、到底無理なのですが、それでも私なりにいろいろ考えます。
 梅雨明け予報、残雪の予想、お花の開花時期、お客様の動向…などなど。
 ここまでの雪の降り具合などを見ていると、今年は雪は少ないのかしら?と思ってしまいます。しかし昨年のように、6・7月の天気によってはアレほどいつまでも雪が残った年も珍しかったりするので、本当にどうなることやら。
 (お客様からのお問い合わせには、「明日の予報も当たらないのに、1ヶ月先・1週間先のお天気なんて…??」と答えている私です・苦笑)
 
 しかし『お花の朝日岳』とすれば、今年の7月・8月は、どの週においでになっても、必ず楽しめるというような休日の配置になっているのではないかと考えています。
 「最高の、百花繚乱のお花たちに出逢いたい!」と、多くの皆さんが7月最終と8月最初の土・日曜日に集中される事態が避けられれば、と思っています。

1. 7月17日(金)・18日(土)・19日(海の日)
 この週は、北陸地方が梅雨明けするかしないか微妙な頃です。昨年のような場合は残雪もかなり多く、お花の開花も少し早いかなという時期でした。が、一昨年は「海の日」辺りがちょうどお花が満開で見頃だったと記憶しています。
 「雪融け直後のお花が見たい!」「梅雨明けがどうなるか心配だけど、予定を組もう!」というパーティーは、この時期も良さそうです。
 ただし、信頼のおけるリーダーの下、綿密な計画を立てた上で、残雪の状況や登山道の様子などを必ず小屋に確認の上での入山をお願いします。

2. 7月24日(土)・25日(日)
3. 7月31日(土)・8月1日(日)
 例年でしたら北陸地方の梅雨明けは7月20日頃だと思いますので、「梅雨明け10日」と言われる好天を狙うなら、やはりこの辺りが確実でしょうか。朝日岳の高山植物たちが、夏の光の中で最も美しく咲き競うのもこの頃でしょう。
 しかし皆さん考えは同じ…となれば、夏の山小屋が一番込み合うのもこの週だと思います。この2つのパターンで、どちらの方がより混雑するかは今のところ分かりません。昨年のように、皆さんが空模様を眺めながら、天気予報次第で行動を決めようとされると、どちらかの週に極端に集中することさえ予想されます。
 
4. 8月7日(土)・8日(日)
 例年朝日小屋では、7月最終週と8月第一週の週末にお客様が集中しますが、実は今年はこの週も案外イイかなと思っています。
 朝日岳周辺は遅くまで雪が残りますので、雪が融けたあとから咲き出した夏の花も、まだずい分楽しめるはずです。そして高山では、早くも8月に入るとふっと秋の風が吹き始めるので、雪倉岳の稜線辺りではもうタカネマツムシソウなどの秋の花たちが少しづつ咲き始める頃です。
 お天気の安定した時期を選んで、「夏の花」と「秋の花」の両方を一度に楽しめる山行を計画されたいのなら、この頃がお勧めです。

 以前にも書きましたが、朝日小屋はそれ程大きくない山小屋です。その小屋に、夏の花を見たさに皆さんが集中されれば、当然込み合います。
 私たち小屋のスタッフとしても、なるべく避けたい事態ではありますが、他の山域のように割と近くに隣の小屋が建っているわけでもありませんから、予約が無くてもおいでになったお客様には雨露を凌いで頂かなくてはいけません。
 出来れば、今年は上手く4週に分散して混雑が少しでも避けられたらなぁ…などと、今からいろいろ考えている私です。
 
 昨年のように全国的に「登山者は、空眺め」の様相ですと、予約状況は日々変わりますので把握しづらいのですが、なるべく皆さんにも状況報告したいと思っていますが、やはり詳しい話は、個々にお電話でのお問い合わせが確実かと思います。
 
 今から夏のコトを考えてもどうなるわけでもありませんが、それでも、どうか「分散傾向」となりますように、と今から一人願っている私です…(微笑)。

明日の予定は…

2004-01-16

白鳥山から見た、犬ヶ岳   03.11.23の画像

白鳥山から見た、犬ヶ岳   03.11.23

 実は、明日〜明後日の1泊2日で白鳥山(1286.9m)へ行く予定です。

 新しい靴を履いて慣らしておきたかったのも、白鳥山山行の為でした。
 ここ3日ほど全国的にお天気は荒れ模様で、北陸地方の日本海側山沿いではきっとかなりの積雪があったと思われます。
 先週末の連休には鍋倉山、そして負釣山と登りましたが、今度は1300m近い山なので、お天気と雪の状態が気になります。でも、気を引き締めつつ自分に“負荷”もかけながらも、楽しんで登れたらと思っています。
 帰って来たら、またご報告します。