北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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紅葉の様子

2005-09-25

朝日平から、朝日岳山頂方面を眺める   05.9.24の画像

朝日平から、朝日岳山頂方面を眺める   05.9.24

 先日「気温が8℃まで下がり、寒いです」と書きましたが、その後気温は朝方でも10℃以下にまでなかなか下がることがありません。昨日・一昨日には陽が射して、日なたでは20℃近くにもなりました。

 早い年でしたら、そろそろ「初氷」や思いがけず「初雪」が見られても不思議でない頃なのですが、今年はどうもまだそれ程まで寒くはなりません。

 週間天気予報を見ても、まだ9月中は、グンと気温が低下することも無さそうなことを言っています。

 草紅葉は進んで、キンコウカの葉はますます鮮やかな朱色に近付き、ちらほらチングルマの葉も赤く色付いています。

 しかし、2000メートルを超える地点でも、ダケカンバやナナカマドの色付きには未だもう少し早いでしょうか。

 紅葉の見頃は、10月になりそう…(!?)。
 この後のお天気と気温次第なのですが、もしかしたら、10月の3連休辺りが最高に「山が燃える」かもしれませんね。

 蓮華温泉方面は、雪倉岳や赤男山そして朝日岳の裏斜面の紅葉、そして五輪尾根の色付きが最高に素晴らしいです。

 また栂海新道方面も、照葉の池から黒岩平辺りまでが、10月に入って紅葉の見頃を迎えます。

 北又からの道も、昨年は小屋閉め頃が恵振山山頂周辺が素晴らしかったです。

 白馬岳からの水平道は、昨年一昨年と、ここも10月に入ってからが本当に素敵でした。

 毎年毎年、その年年で紅葉の始まりや見頃の時期が少しづつ違うので、「絶対この頃!」とは言い切れないのですが、今年は10月に入れば、どのルートを歩いても、山は赤や黄色の綺麗な衣を纏って私たちを迎えてくれるだろうと思います。

 もちろん、これから先は、秋と冬が「行ったり来たり」の時季となります。
 くれぐれも、『それなり・それ相応』の計画と準備・装備をお忘れなく!!

 秋の朝日岳へ…、お待ちしております。

一年に一度、恒例の『出張』に!

2005-09-28

二人でニッコリ!!  白馬岳山頂にて   05.9.26の画像

二人でニッコリ!!  白馬岳山頂にて   05.9.26

 留守をしていました。

 26〜27日、年に一度の、白馬岳への『出張』に出掛けて来ました。

 当日は、アルバイトのみき子ちゃんと二人。
 人一倍足の速いみき子ちゃん(北又〜朝日小屋で3時間、朝日小屋〜親不知を10時間弱で駆け抜ける!)、遅足の私に付き合ってくれて、きっと疲れたことでしょう。

 両日は時々ガスも掛かりましたが、それでもビュースポットとなるポイント毎に雄大な景色を眺めることができ、秋の「大蓮華」の山々を楽しむことができました。

 朝日岳周辺の紅葉にはやはりもう少し早かったのですが、それでも至る所でナナカマドの実が赤く色付き、草紅葉も見事でした。
 全山を彩る木々の紅葉・黄葉も、もうしばらくでしょう。

 登山道を確認・点検し来シーズンの課題を見つけたり、登山者の皆さんの大変な思いを体感したり、山小屋での喜ばれる「おもてなし」は??と考えたり…。

 自分の足も、元気でした!!

 
 今日明日と、今度はテツと天神の“男組”二人が白馬岳へ出掛けています。留守番がみき子ちゃんと二人だったので、ちょっと日記を書くのが遅くなってしまいました。

 “男組”二人は、しっかり「休養」にしてあげようと思っていたのですが、「あっちの草、もう少し刈って来て!」「竹がかなり伸びていたから、ナタかカマか、ノコギリも持って行って!」と、結局用事を言い付けられてしまって(苦笑)、ちょっと可愛そうだったかしら。

 そんなこんなで…、
 小屋閉めまであと2週間となった朝日小屋です。

『常歩無限』

2005-09-28

雪倉岳山頂付近から眺める、白馬岳・旭岳  手前は鉢ヶ岳  05.9.26の画像

雪倉岳山頂付近から眺める、白馬岳・旭岳  手前は鉢ヶ岳  05.9.26

 元富山県警山岳警備隊々長の谷口凱夫さんが、著書などに好んで書かれる中に、『常歩無限』という言葉があります。

 私も、とても好きな言葉です。

 
 一年に一度必ず、私が白馬岳や蓮華温泉への道、あるいは春の栂海新道を歩くのは、登山道の点検が主な目的です。また、朝日小屋へ通って下さる登山者の皆さんの気持ちを少しでも実感したいという、そんな思いからです。

 
 しかし、他にも私なりの“想い”があります。

 雪倉岳山頂付近から眺める、白馬岳や旭岳の雄姿が大好きです。

 いつもはお客様からの問い合わせのお電話では、「白馬岳から朝日岳、そして蓮華温泉へと周るコースが一般的だし、そちらの方が少し楽ですよ」とお答えしています。それぞれ実力次第ですが、実際にはそうだと思います。

 しかし、「上り」と「下り」では、見えるものや感じ方に少しですが違いがあると思っています。

 どっしりと大きな山体の雪倉岳の登りは、結構キツイです。
 でも広々としたその山頂に立って、行く手に見える白馬岳の堂々とした山容を眺めると、いつも、憧れにも似た感情とともに溜め息が漏れるのです。
 
 「これから、あの山に登るんだ!」という不思議な感情が湧いてきます。

 そして朝日小屋への帰路、所々で振り返ると、白馬岳はどっしりと大きく構えています。
 「あぁ、あんな遠くから来たんだ…」という想いと共に、「人間って、素晴らしいなぁ…」と勇気付けられます。

 
 『常歩無限』
  … 常に歩く(歩む)、限りが無い
  … 小さな歩みでも、限り無く前に進むことができる

 
 その力と勇気を貰いに、私は毎年、白馬岳へ登って来ます。

いろいろな、紅葉

2005-09-28

鉢ヶ岳巻き道で出会った、ナナカマド   05.9.26の画像

鉢ヶ岳巻き道で出会った、ナナカマド   05.9.26

 前にも何度も書いていますが、朝日岳周辺の紅葉は本当に「値(あたい)」があると、私は思っています。
 先日の研修会の折、蓮華温泉ロッジの田原さんともお話しましたが、「鉱山道」、そして「五輪尾根の紅葉」はそれはそれは素晴らしいと、二人で頷き合いました。

 そして、北又からの恵振山周辺の紅葉、これも決して見劣りせず素敵です。

 それから、もちろん水平道も見事に色付きます。

 でも、やはり山渓や岳人には、ホント、これが載らないんですよねェ!! (半分不思議、半分呆れて)

 まぁ、『知られざる』というのが今はブームのようですから(苦笑)、『知る人ぞ、知る』というのがイイのかもしれません。

 だからこの数日、少ないながらも朝日小屋にお出でになったお客様は、本当に喜んで下さっています。

 小屋が静かで、紅葉が楽しめる…
 お客様同士の会話も弾み、お食事もゆっくり。湯豆腐のお鍋を囲んで、明日の山行に思いを馳せ…。

 10月体育の日辺りの連休が、紅葉も見頃でしょう。

 朝日小屋は小屋閉め直前で、シーズンの終わりを締め括るべく、ホッと安堵の、少し「お祭り気分」でしょうか。
 
 「ゆかりちゃん、もっともっと、紅葉が素晴らしいって書けば!!」と良く言われるのですが、それなりに毎年書いてアピールしているとは思っているのですが(苦笑・微笑)。

 紅葉を見に、ぜひお出掛け下さい。
 お待ちしています。

ちょっとだけ、ブルブルッと

2005-09-29

うっすらとお化粧をして  今朝のチングルマの画像

うっすらとお化粧をして  今朝のチングルマ

 「なかなか気温が下がらない」 そんなことばかり書いていたのですが、今朝は全国的に秋晴れとなったようで、山の上では少し寒くなりました。

 早朝5時の気温は、4℃。
 
 「初氷」は未だですが、それでも今朝は木道の上にうっすら霜が付いていました。

 チングルマも赤く色付いて、その周りが薄く白くお化粧をしていました。

 こんな可愛らしい素敵な姿が見られるのも、朝陽が射し込む前、ホンの少しの間です。

 秋が深まる、山の朝。

無題

2005-09-29

秋らしい、こんな風景にも出逢って   05.9.27   の画像

秋らしい、こんな風景にも出逢って   05.9.27   

 ただボーっと。
 青い空、それから、流れる雲を眺めているだけでも。

 山へ来た楽しみも、甲斐も、ある。

あ、た、た、た、た…

2005-09-30

色付くオヤマソバ  雪倉岳の斜面で  05.9.27の画像

色付くオヤマソバ  雪倉岳の斜面で  05.9.27

 オヤマソバじゃないけれど、みき子ちゃんも私もすっかり“色付いて”しまいました!!(苦笑)。

 白馬岳山行は、時々ガスもかかる中、真夏の陽射しほどではないにしてもお天気に恵まれた山歩きを楽しみました。

 結果、夏の間中Gパトで毎日歩いていたみき子ちゃんでさえ、今シーズン一番日焼けをしたのではないでしょうか。

 私なんか、やっとさえ黒い顔が、なお真っ黒に!!
 「あ、た、た、た、た…」は、日に焼けて突っ張った顔が、昨日からは小鼻辺りの皮も剥けてきて。。。

 小屋閉め間近で、そろそろ髪はボサボサ、顔はどこの国の人?と言われそうなくらい真っ黒で。

 あ〜ぁ、早く髪を切りたいな!

小屋閉めに向けて

2005-09-30

秋らしく  朝日岳山頂付近  05.9.27の画像

秋らしく  朝日岳山頂付近  05.9.27

 みき子ちゃんと私、テツと天神、二組交代での白馬行きも楽しんで、今日からは小屋閉めに向けて本格的に片付けが始まりました。

 一番気になるのは、やっぱり「食糧の在庫」です。
 こればかりは、この後のお客様の数次第ですので、いろいろなパターンを考えつつ、それでも毎日「朝日小屋ならではのご馳走」をさせて頂くように心掛けて仕事が進みます。

 中断していたシーツの洗濯。
 これも今日からは、いくつかのお部屋の分を残して、もう使わない大きな部屋の分の洗濯を仕上げてしまう予定です。

 そろそろ、テント場の公衆トイレも閉めてしまおうと思います。
 この数日、テント場利用の登山者の方は、連日ゼロかお一人だけ。
 朝日平のテント場は小屋のすぐ目の前なので、小屋閉めまでのテント場利用者の方には、小屋の中のトイレを利用して頂くことで対応できます。必要な方には、スリッパもお貸しして。小屋のトイレは、ペーパーも付いていますしネ。

 お天気のうちに、グリーンロープの片付けもしなくては。張ってくれたのはGパトのメンバーなのですが、片付けは小屋の仕事。

 仕事はいろいろありますが、10月3連休が終わらないと出来ない仕事もたくさんあるので、とりあえずなるべくバタバタしないようにと、打ち合わせをしました。
 (…と言いつつ、最後にドタバタするのが絶対私なので、毎年やっていても、やっぱり心配!!)

 
 少しのんびりした9月後半でしたが、今日で9月も終わり。

 秋の深まりと共に、長かったような短かったような、そんな今シーズンの終わりが少しづつ近付いています。