北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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管理人が常駐しているわけではないので。。。

2005-07-16

腐っていかないか、心配な板の間   05.7.15  の画像

腐っていかないか、心配な板の間   05.7.15  

 長い行程の白馬岳〜朝日岳の間にある雪倉岳避難小屋。多くの登山者の皆さんにとっては、本当に有難い存在だと思います。

 でも、管理人が常駐しているわけではないのです。

 混み合えば皆さんで譲り合うことが大切ですが、それも板の間2間だけとなれば結構いろいろ大変です。

 今回も、破れた窓の応急処置と板の間の拭き掃除、それから登山者が放置していったゴミの処理などに出掛けました。
 もちろん、富山県から管理を任されている立場の朝日小屋としては当然の仕事です。
 
 シーズン中に時々はそうやって小屋のアルバイトが様子を見に行ったり、森林管理署のグリーンパトロールが見廻ったりもしていますが、くれぐれも良識ある利用をしていただき、今後とも大切に守っていきたいと思っています。

県警へり「つるぎ」が出動!!

2005-07-19

県警ヘリ「つるぎ」  朝日平にて   05.7.18   の画像

県警ヘリ「つるぎ」  朝日平にて   05.7.18   

 17日の夕方、連休で賑わった朝日岳周辺で負傷者が出ました。
 
 白馬岳から朝日小屋に向けて縦走中のお客様でしたが、雪倉岳を下りきった辺りで、木の根っこに足をとられてしまい右足首を捻挫されたようです。
 
 幸いその他に目立った外傷はなく、仲間の方に支えられて朝日小屋までいらっしゃいましたが、自力歩行はとても困難。
 夏山警備で朝日小屋に入っていた県警山岳警備隊・谷口隊員の判断で、ヘリコプターでの下山となりました。

 これから始まる夏山シーズン最盛期。
 無事に下山口まで辿り着いてこそ、思い出に残る楽しい山行きとなり、「あぁ、あの山良かったね!」と言えるはずです。

 思いも掛けないアクシデントを避けるためにも、くれぐれも『実力や体力に見合った、無理のない計画』での登山をされますよう、山小屋からも重ねてお願いしたいと思います。

水平道開通まで、今しばらく!!

2005-07-19

踏み抜きが心配  薄くなって、危険な状態の雪  05.7.17    の画像

踏み抜きが心配  薄くなって、危険な状態の雪  05.7.17    

 水平道は、今日現在『通行止め』となっています。

 県警山岳警備隊・谷口隊員が17日に確認したところによると、最終的にまだ沢筋を登山道が通っている地点で、危険な箇所が1〜2箇所残っており、そこの雪が融けて落ちるまで3日ほどかかるだろうということでした。

 明日か明後日には、再々小屋から登山道の点検に出掛け、安全を確認した上で、今週木曜日中には水平道を通行可能にしたいと思っています。

 もし、分岐点にまだ「通行禁止」の看板がありましたら、安全第一で朝日岳山頂を廻って頂きますよう、よろしくお願いいたします。

朝日岳周辺のお花

2005-07-19

ウラジロヨウラク  05.7.10の画像

ウラジロヨウラク  05.7.10

 今、小屋の周りではコバイケイソウやニッコウキスゲが花盛りです。
 小屋の後ろでは、クルマユリも咲き出しました。
 ミヤマキンポウゲが咲き、ヨツバシオガマやハクサンチドリも賑やかです。

 北又からの登山道では、つい最近までキヌガサソウやシラネアオイが花盛りでした。これにはびっくり、大概の年には、今頃もう終わっている花ですから。

 小屋の前でいっせいに花を付け、いつも私たちを楽しませてくれるチングルマ。
 6月末の好天に一度は咲きかけたチングルマでしたが、その後は連日の雨となかなか上がらない気温に、どうも蕾は付けているのですが咲こうかどうしようか迷っている(!?)のでしょうか。

 先日13日に通った夕日ヶ原では、チングルマやハクサンコザクラがボチボチかな、というところでしたから、朝日岳周辺では、この後梅雨が明けて夏の太陽が顔を出したら、どの花たちも先を競って咲き出すことでしょう。

 もちろん、お花が咲いていないわけではありません。あちこちで、いろんな花が咲いています。

 でも、まだまだ!!

 「花の山・朝日岳」の最高の時季は、これからです。 

雨の日の、「ご褒美」

2005-07-19

雨に濡れて、サンカヨウ  05.7.10の画像

雨に濡れて、サンカヨウ  05.7.10

 10日、会議に出席するため下山しました。
 午後からの出発時は、雨。

 私は雨に降られて雨具を着て歩くのは、嫌いではないのです。でも誰だって、出足をくじかれるのはちょっと残念。恨めしそうに、空を眺めてしまいます。

 歩き始めてすぐ、前朝日岳の巻き道に差し掛かると、雨に濡れてサンカヨウが咲いていました。

 その透き通った姿。可愛らしく真っ白な花びらの時とは、またその趣が違います。

 同行していたシュンちゃんは、たしか「雨の日の“ご褒美”だね!」と言いました。

 雨の日に歩いたから、きっと神様がご褒美をくださったのでしょうか。

『翼を持ったお巡りさん』

2005-07-20

着陸寸前の県警ヘリ「つるぎ」    05.7.18  の画像

着陸寸前の県警ヘリ「つるぎ」  05.7.18  

 この7月、『翼を持ったお巡りさん』という本が刊行されました。
 この本は、地元朝日町出身で、元富山県警山岳警備隊隊長の谷口凱夫さんが編集されたもので、山と渓谷社から発売されました。

 「ヘリ救助にかける富山県警察航空隊の現場から」というサブタイトルが付いています。

 この本の中には、朝日岳に関する記載やあるいは関係者や知り合いの方々が書かれた文章もいくつか載っているのですが、特に本の帯裏に載せられている「−救助された小学生の礼状より」という文があります。

 実はこれは、3年前の平成14年7月に、朝日岳近くの赤男山付近の燕岩で、白馬岳から雪倉岳を経て朝日小屋に向かって縦走中の、小学生が高山病にかかり県の消防防災ヘリで救助された時の、その当事者である男の子からのお礼状なのです。

 もちろん今でも、その時のことははっきりと覚えています。

 無線を傍受した消防防災ヘリが、ガスの晴れ間のほんの一瞬の隙をついて、燕岩のガレ場で小学生をピックアップしたのでした。

 そんなこともあり、山岳遭難でのヘリ救助の現場に遭遇し関係する山小屋の一員としても、興味深く読み進みました。

 そんな中、一昨日には負傷した登山者が朝日小屋から県警ヘリ「つるぎ」にて下山ということになりました。
 
 昨日そのご本人から連絡があり、当初は捻挫ではないかということでしたが、病院での診察で骨折が判明し数日後には手術ということになったそうです。

 あのまま、北又まで警備隊が同行して自力下山していたらどうなっていたかと思うと、ゾッとすると同時に、ヘリの要請が適切な判断であったし、へりの威力と活躍に改めて感心させられます。

 しかし、ヘリ救助とて全てが磐石であるはずがありません。
 心して、くれぐれも山歩きを楽しみたいものです。

正確な情報で、的確な判断を!!

2005-07-20

小屋の前で   05.7.19 の画像

小屋の前で   05.7.19 

 「8月に行きたいと思っているんだけど、インターネットで見たら雪がまだあんなにたくさんあって、これじゃぁ行けないかしら!?」

 この数日、そんな風なお電話を何本か頂いています。

 雪の写真ばかり載せていたからでしょうか、かなり誤解をされていたり、心配ばかり募らせていらっしゃる方がおいでになります。

 朝日小屋としては、できるだけ正確な情報を提供し、それによって皆様に的確な判断をして頂いて、少しでも事故や遭難を避けて快適な山歩きを楽しんで頂きたいと思っています。

 何度も何度も書きますが、この朝日岳周辺は『北アルプスの最北端』に位置しますので、例年でも遅くまで雪が残る場所は何箇所もあります。

 だから歩けないかというとそうではありません。

 しかし、7月になればいかにも夏道が全部出てしまっていると思ってお出でになる登山者もいらっしゃるので、「そうでもないです。雪は未だ残っていますから、気を付けて下さい!」ということもあって、いろいろと載せているわけです。

 小屋の電話は、ご予約やお問い合わせで多少繋がりにくくなっていますが、ご質問があればお電話ください。

 私も、ここしばらくは『一日中、喋りっぱなし!!』の状態が続いていますが、なるべくキチンとお伝えしたいと思っています。

 小屋の周りも、お花が咲いて賑やかになってきました。
 
 私も、ガンバリマス!!

今年は、「当たり年」

2005-07-21

咲き競う、コバイケイソウ   05.7.17の画像

咲き競う、コバイケイソウ   05.7.17

 今年は、コバイケイソウの「当たり年」だそうですね。

 小屋の周りでも、何年に一度かというくらい、群落が先を競って咲いています。

 それから、ニッコウキスゲ。
 この花も今年は多く見られるように思います。

 白とオレンジ色のコントラストが鮮やかに、とても賑やかな朝日平です。