北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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でも、長い道のりです!!

2005-08-25

シナノキンバイ  奥には雪が見える 05.8.24の画像

シナノキンバイ  奥には雪が見える 05.8.24

 お陰さまで、いろいろな方がこのHPを楽しみにしてくださっているようです。本当に有難いことです。

 お花がいいですよ、素晴らしいですよと書くと、いろいろな方が「朝日岳に行ってみよう!行ってみたい!」と計画してくださるようです。

 でも、どこから来ても、本当にこの山までの道のりは長いです。

 ひと昔前には、あまりそれほどの感覚(この道のりは長いという認識)は私自身の中にも無かったのですが、昨今、どの山へ向かうルートも驚くほどに整備され、また山小屋から次の山小屋へもコースタイムで行くと4〜5時間ということが多々あるようです。

 朝日岳へのルートが整備されていないというのではないのですが、「北アルプス入門コース」「モデルコース」などと言われるルートと比べれば、それなりにかなりハードかもしれません。

 何よりも、とにかくどのルートから来ても長いのです。
 
 昔は(20年前なら)、白馬岳からは一般的に所要時間6〜7時間と言いました。でも、今『平均年齢60歳後半の中高年のグループ』でしたら(失礼!)、皆さん8〜9時間、長いと12時間近くかかる人たちもいます。
 蓮華温泉からの登りも同じです。今は皆さん、確実に8時間〜10時間はかかります。7時間でいらっしゃる方は、年に何人しか居ません。
 北又からのルートは少し短いのですが、それでも7時間前後の所要時間となります。

 昨年秋、山小屋組合の研修登山で「柏原新道」を歩きましたが、あのような比較的段差の低い歩きやすいルートや、“表銀座”と言われるようなコースを基準とすれば、朝日岳に至るルートはどれをとっても、長さもさることながら、段差が大きくまた木の根が張っていて、足を上げる一段の高さが高いのです。

 必要以上に脅かすわけではありませんし、前にも書きましたが、「それなりに」「それ以上に」歩ける皆さんには何も言いませんが、「お花が綺麗だから行ってみたい!」というだけでは、なかなか手ごわいのが、朝日岳です。

 だからこそ、今まで『知る人ぞ、知る』山であり、余り訪れる方の少ない山だったのだろうと言えると思います。

 HPが良かったから、「山渓」や「岳人」に載っていたから、“みなみらんぼうさん”が歩いたから(苦笑)…それもキッカケになるでしょうが、ぜひ、コースを良く研究され計画を立て、無理や無茶をせず、体調を整えて入山ください。
 
 
 笑い話ではありませんが、今シーズンこんなお電話でのやり取りがありました。

 ご予約のお電話で、
 
 「どのコースから、お出でになりますか?」
 
 「あのぉ…(しばらく間があって)、ホラ、本に載っている、“モデルコース”って書いてある、あのコースから行きます!」
 
 「。。。(私、すぐに言葉が出ない)」

何十日ぶりに

2005-08-25

夕陽が沈む頃   05.8.23の画像

夕陽が沈む頃   05.8.23

 23日、本当に久し振りに夕焼けを見ました。

 輝く夕陽、茜色に染まる雲そして空、刻々と変わる色の変化を眺めながら、心豊かになりました。

 「山の上」に居る幸せを感じる、その瞬間です。

ちょっと、気が抜けて…

2005-08-26

初秋を感じて、静かな朝日小屋  05.8.25の画像

初秋を感じて、静かな朝日小屋  05.8.25

 昨日は、お泊りのお客様ゼロ。平日で、台風直撃の予報もありましたから。
 栂海新道を目指すテントの男子大学生が5名、台風通過の予報も何のその、元気に朝日平を独占していただけでした。

 7月“海の日”前には、そんなお客様の無い日が何日も続きましたが、夏山シーズンが始まってからは、お天気が悪くても一ケタのお客様はありました。
 これからは、時々こんな日がやって来ます。

 お客様がいらっしゃらないと、やっぱり気が抜けてしまいます。
 訳もなく、全身の力も気持ちの張りも無くなっていくのが分かります。

 いけない、いけない…こんな時が、要注意です(苦笑)。

 本を読んだり、片付け物をしたり、花を見に外へ出たり…。上手に過ごさなければいけませんね。

 Gパトで頑張ってくれたみき子ちゃんが、昨日からは小屋のアルバイトとして戻って来てくれました。小屋閉めまで居てくれることになりました。助かります。何しろ男ばかりで、味気なかったですから(微笑)。

 私は、28日に下山します。数日間留守にします。
 用事を足したり、その他諸々、心身ともにリフレッシュして戻ってくる予定です。

 8月も残り少なくなりました。少し淋しさを感じさせる、朝日平周辺です。

再び…花の名前は難しい!!

2005-08-26

小屋の周りで、ハクサンシャジンの画像

小屋の周りで、ハクサンシャジン

 山頂から水平道を廻って、いろいろと花の写真を撮って来ました。昨日も小屋の周りで写真を撮りました。

 Gパトをしていたみき子ちゃんにも教えてもらったりしながら、時間の空いた昨日は、植物図鑑とにらめっこ(苦笑)。

 先日の出来事を苦い教訓にして(!)、なるべく花だけでなく葉も観察するようにしたり、花や葉の付き方や特徴などにも目を配るようにしたり…。

 でも、帰って来て図鑑を見ても、「あれとこれは一体どう違うのよ!!」と言いたくなるようなシーンが続出してしまいます。

 本当に、難しいデス。
 でも、今までは図鑑を見るのさえイヤだったことを考えれば(だって、かなり難しくて、結構面倒くさい…)、少し進歩したかも。

 お花のことで、お客様にいろいろ聞かれる機会も増えました。
 勉強しなくては。。。

お花に興味のある方

2005-08-26

一体、何でしょう!?の画像

一体、何でしょう!?

 お花に興味のある方たちにとって、この朝日岳周辺は、何度も何度も歩きたい山だそうです。

 気を付けて歩くと、今まで見たこともなかった花たちに出逢えます。
 
 上の写真は、一体何でしょう。水平道で、倒木に生えていたのですが…。鮮やかな黄色をしていました。

 花も難しいですけど、樹木はもっと難しいそうです。コケ類も。

今日は、今日こそ、賑やかになる!?

2005-08-27

がらんとした食堂で、6人だけ  05.8.26の画像

がらんとした食堂で、6人だけ  05.8.26

 一昨日も、そして昨日も、お泊りのお客様が無し。昨日はテントの登山者もゼロ。
 半径何十キロ以内に、6人だけの空間。これも、下ではあまり考えられない不思議な世界か…。

 今日は土曜日。ひと夏の最後の朝日岳を楽しみに、北又からそして蓮華温泉から、ご予約の皆さんがいらっしゃる予定です。

 旧盆の頃から何度か「今年最後の賑わい」と書いては、天候不順もありその度に“ポシャッて!”いるのですが(苦笑)、どうやら今日こそそんな日になりそうです。

 2日間もお客様が無かったので、やっぱりみんな手持ち無沙汰。昨日の夕食なんか、他にすることもなかったので(…)夕方4時50分から始まりました。寒かったので、魚介類のお鍋を囲みました。

 今週末以降は、お天気にも恵まれそうな予報ですね。夏休みも残り僅かとなりました。

 下界では、まだまだ暑い日が続きそうで、お互いに体調管理には充分に気を付けましょう。
 私は、明日下りるので、やっぱりこの気温差がとっても心配。。。

朝日岳の秋は

2005-08-27

前朝日をバックに、ミヤマコゴメグサの画像

前朝日をバックに、ミヤマコゴメグサ

 夏のお花が素晴らしいと、山の雑誌で宣伝される朝日岳。
 でも、本当は秋もとっても素敵なのに、殆ど紹介されることはありません。まぁ、「知る人ぞ知る」だからそれも良しとしますか!。

 ダケカンバやナナカマドなどの紅葉にも負けないくらい、この山の『草紅葉』は素敵です。

 どれ程、素晴らしいかって!?

 一度、来て見てください。お待ちしていますから。

室堂〜剱沢〜仙人池〜阿曾原温泉

2005-09-03

剱沢雪渓、長次郎谷の出合いにて   05.8.31の画像

剱沢雪渓、長次郎谷の出合いにて   05.8.31

 しばらくの間留守にしていましたが、昨日の朝、無事自分の小屋に戻って来ました。

 28日午後から下山し、29日は富山市内まで行き買出し、30日から「自分自身の、研修」として『山』に出掛けていました。

 今回は一昨年の秋に断念した“仙人池ヒュッテ”のお母さんに会いに行くことが目的で、ナチュラリストで朝日小屋とは古くからのお付き合いのある渋谷 茂さんに、ガイドとして同行して頂きました。
 本当は、10月に小屋閉めして下山後に行く予定にしていたのですが、仙人池ヒュッテの皆さんの下山日との関係でシーズン途中でお邪魔することになったのです。

 お陰様で好天にも恵まれ、少しの間自分の山と小屋を離れて、リフレッシュもしてきましたし、それ以上にいろいろと勉強した山行きとなりました。

 コースは、
  30日(火) 昼過ぎに室堂発、剱沢小屋着(泊)
  31日(水) 剱沢小屋発、仙人池ヒュッテ着(泊)
   1日(木) 仙人池ヒュッテ発、阿曾原温泉小屋着、帰宅

 山の空気をたっぷり吸って、英気を養ってきました。「山」を感じてきました。

 心配した術後の体調も何のその(!)、そして人一倍遅い私の“足”も精一杯頑張ってくれて、山行は終始快調で、ちょっとした自信にもなりました。
 
 山の中を歩いて、他の小屋に泊って。
 いろいろ見て、感じて、考えることもあって。

 また、頑張ろうと思いました。
 “いい山旅”でした。