北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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あぁ、幻聴。。。

2002-06-25

朝日小屋の食堂 
 昨年より本の数も増えて…早めに小屋に着いた後は、読書もいいかしら

 哲也は、所用の為上山が延期になり、もう2〜3日は孝太と二人の山小屋生活。今日は知り合いの方から「若い男性と二人で…いいですね」(私ひとり爆笑!)というメールもいただきましたが、それではあんまり孝太が可哀想(ハハハ)。
 今日あたり、風の音や雨垂れの音までが人の気配に思えてきて、いよいよ「幻聴」か。。。なにしろ、梅さんと哲也が21日(金)の朝早く山を下りて行ってから、丸5日間近く他の人の顔を見ていないのですから…。去年の秋にも哲也と二人、同じような場面はあったのですが、秋の場合はある程度の諦めもありましたが、小屋開け直後はお客様がないというのは分かっていながらも、何故かしら期待している部分もあっていつになく「人恋しい」。。。
 それにも増して、どうしてこんなに寒いのかしら??
 フリースなどあまりにたくさん着込んでいるので、どこまでが“自分の肉”でどこからが“着膨れ”なのかわからず、また「お客さんがいらっしゃらないし、寒いのは懐(ふところ)のせいかなぁ」とひと言口にしたものだから、孝太に「じゃあ、明日から(節約とダイエットも兼ねて)断食しますか?」と言われる始末(笑)。
 山開きの土曜日のお天気が気になりますが、少し良さそうな予報が出始めたので期待しています。「幻聴」でなく、ホンモノの皆さんの賑やかな声を早く聞きたいものですネ。

窓際のテーブルも…

2002-06-25

 今までは外を向いて食事をして頂いていた窓際のテーブルにも、本を置いてみました。「山渓」や「岳人」を並べています。

待ちに待った、今シーズン最初のお客様!!

2002-06-26

Oさんと一緒に、賑やかに夕食 photo by 自動シャッター

 「ねぇ孝太、あのお客さん、今日はいらっしゃると思う?」…今朝起きてすぐの、私のひと言。
 実は23日に、今晩親不知に泊まるという男性からお電話を戴いていました。翌日から栂海新道を登って行く予定なので、2・3日したら朝日小屋に泊めてもらうかもしれないとおっしゃっていました。
 でも、このお天気ではもしかしたら計画も途中で分からないし、どうしたものかしら…と孝太と二人、今日も「幻聴」に悩まされるのかなと思っていました(笑)。午前中、一人で外仕事をして少々くたびれ横になっていた孝太、そしてちょうど掛かってきた電話を受けていた私…玄関に人の気配がして、正直言ってビックリしました(笑)。
 いよいよ今シーズン最初のお客様、電話の主のOさんでした。
 20代の男性・栃木県ご出身のOさんは、「一生に一度の長期休暇」を取って、日本海から太平洋までを40日余りかけて縦走の予定だそうです。日本海を栂海新道から登り始めて、北アルプスを上高地まで、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスの木曽駒ヶ岳、伊那谷、南アルプス、聖岳、富士山から田子ノ浦…
 「頑張って、ぜひ最後まで歩き通してください」とOさんにエールを送りつつ、今シーズン最初のお客様に敬意を表して、夕食は3人でやっぱりお鍋!!…「学生時代からずっと山を歩いていますが、いつもいつもテント泊ばかりで、実は今回が初めての小屋泊まりだったので少し不安もありました」というOさん。「山小屋デビュー」が朝日小屋だったとはナント光栄なのでしょう。“水炊き”とその後の“雑炊”にとても感激して下さいました。
 明日は5時からの朝食とお弁当作りに備えて、久し振りの4時起きです。やっと身体も心も「営業モード」(笑)に切り替わりました。頑張ります!!では。

哲也も帰って来て、いよいよ山開き直前!!

2002-06-27

 白高地沢、やっと架かった仮橋    02.6.22

 今日、哲也が6日振りに戻って来ました。
 実は。。。22日(土)に白高地沢に仮橋を架けに行った哲也が、ケガをしてしまいました。幸い、事故の様子に比べてケガの程度は思ったほどではなかったようでしたが、それでも左手の中指の先を15針ほど縫う大ケガでした。
 蓮華温泉から蛇籠のセットを白高地沢まで運ぶ作業も、かなり大変だったようです(長さも横幅も重さもある)。梅さんと二人でヘトヘトになりながらのボッカ、そしてその後作業を始めてすぐ、大きな石を蛇籠の土台に据える為に動かしていて、誤って石を滑らせてしまい大きな石と石の間に手を挟んでしまったとの事。
 連絡を受けてから、本当に気が気ではありませんでした。いろいろ危険がつきものの仕事とはいえ、管理人としては、本当に心配でした。
 本人が一番大変だったとは思いますが、周りの皆さんのお陰もあり、今日小屋に帰ってくることが出来て、哲也の元気そうな顔を見てやっと安心する事が出来ました。まだ、包帯姿も痛々しいのですが、少しづつ痛みも引いていっているようです。
 今年の白高地沢の仮橋は、こうして雨の中、やっと架けることが出来ました。 
 シーズン中の無事故を祈ると同時に、管理人として「危機管理」に充分注意を払わなくてはいけないと改めて感じているところです。

明日の山開きに向けて、エンジン全開!!

2002-06-28

今日の登山道の様子…朝日小屋から山頂へ向けて    photo by tetsuya

 いよいよ明日の山開きに向けて、小屋の準備もほぼ整い、お客様を待つばかりになりました。
 今日は、力強い味方・立山室堂山荘からの助っ人“梅さん”が上山。また、哲也は左手の中指に包帯を巻きながらも、山開き登山隊の皆さんが明後日に山頂へ行く場合に備えて、朝日岳山頂までベンガラを撒きに行ってくれました。孝太も細かい気配りで、朝からフル回転してくれました。
 何だか、小屋で待つほうも「遠足前の幼稚園児」のような心境です。大勢の皆さんの喜んでくださる顔が見たくて、みんな小屋開けから頑張って来ましたが、明日は「山の神様」と一緒になって山開きの“お祭り”を大いに盛り上げ、また楽しみたいと思っています。
 梅さん、哲也、孝太、そして私…今宵は、やけにウキウキしています。
 今の時刻PM9:30、窓の外を見ると、久し振りに街の明かりと漁り火がきれいに見えています。
 明日の山開き当日が、少しでも梅雨の晴れ間で、お天気に恵まれますように…。

登山道の様子 1

2002-06-28

夕日が原 その1  02.6.27 photo by kouta
モデルは「名誉の負傷!?」をした哲也、根性でボッカをして来ました。