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今から、白馬岳へ!!
2003-08-27
夕焼け 03.8.23
今から、白馬岳へ行って来ます!!
詳しい事は帰って来てから報告します。
では!!!
白高沢の橋について
昨日の午後、蓮華温泉の田原さんから連絡があり、白高地沢の橋が流出しているようです。
詳しい事は、今朝やまちゃんとひろクンが現地へ出かけましたので、帰ってからになります。
今週末に蓮華温泉方面からの登山を予定していらっしゃるお客様は、朝日小屋にお問い合わせ願います。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/08/d20030827a.html
行って来ました、白馬岳!!
2003-08-30
白馬岳山頂 03.8.27
帰ってからの報告が遅くなり、ゴメンなさい。
出掛けにバタバタと書いていった通り、27日〜1泊2日で白馬岳へ行って来ました。
今回の白馬岳行きは、朝日岳〜白馬岳に至る登山道や周辺の状況調査が目的でした。
同行は、朝日岳方面遭対協・救助隊長の谷口邦夫さん(大蓮華山保勝会・副会長)と、阿曾原温泉小屋のオーナー・佐々木 泉さん(元富山県警山岳警備隊員)。
実は、来年以降場合によっては実施されるかもしれない朝日岳周辺の登山道整備及び周辺の環境整備事業の為、その状況を泉さんが事前に現地調査し把握される目的で、26日に北又から入山されました。また、谷口さんもその立場・役職上一緒に上って来られて、泉さんとの久々の対面。
今シーズンになって、未だ朝日岳の山頂までも行っていなかった私。果たして健脚のお二人と同行できるかかなり心配でしたが、いつもは9月にならないと行けない白馬岳に8月中に行ける“チャンス”でしたので、どうでも連れて行って欲しいとお願いしました(笑)。
前日は、谷口隊長と泉さんを迎えてのささやかな“白馬行き・前祝い”の宴会、そしてそこへ飛び込んで来た「白高地沢の橋流出」への対応と段取り。
27日当日は、白高地沢へ状況把握に行く山ちゃんとひろクンを送り出し、諸々の準備をしていたら、かなり遅い出発となりました。
しかし、心配していた天候も何とか“味方”してくれて、それはそれは楽しい山行になりました!!
入善警察署時代に山岳警備隊員として朝日岳周辺のパトロールの任に当たっていらっしゃった泉さんですが、朝日岳へは15年ぶり。もちろんご自分の山小屋に入ってしまえば忙しいし、いろいろ活躍しておられる方ですから、泉さん曰く「久し振りにこんなゆっくり“山”歩いたじゃ!楽しいのぉ!!」
雪が融けた後からお花もまだまだかなり咲いていましたし、また雲の切れ間から山並みを眺めることもできました。山のこと、登山道のこと、小屋のこと、花のこと…お喋りしながら3人でのゆっくりした登山は、「4ヶ月振りの山歩き」を心配していた私も辛さを忘れてしまうくらいでした。
また白馬山荘では、支配人の若林さん他、偶然登って来られていた今年の白馬常駐隊の皆さんや、カメラマンの竹内真一さんや高橋 修さん達を交えての「交流会」(!?)。
山に抱かれて、花たちとの出会い、人との出会い…いろいろ成果のあった、今回の白馬岳行きでした。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/08/d20030830a.html
白高地沢の橋が架かりました!!
2003-08-30
立派に架かった橋 03.8.29
25日夜半から26日にかけて降った大雨で流されてしまった白高地沢の橋ですが、昨日復旧しました!!
29日は、富山県から私の夫を含めた建設作業員の方々6名、小屋からは山ちゃんとひろクンが行って、総勢8名で作業が進められました。
お陰で、仮橋ではありますが、以前にも増して立派な橋が架けられました。
今回は、白高地沢付近では川の流れが変わってしまうくらいの大きな雨が降ったようです。橋は土台から全く崩壊してしまい、また一本だった川が、二本になっていました。
白高地沢の橋は、朝日小屋〜蓮華温泉の登山道の中でも重要なポイントですから、朝日小屋としても素早い対応が迫られましたが、無事に復旧させることが出来てホッとしています。
6月下旬から7月中旬までの梅雨の時期ならともかく、8月末のこの時期に頑丈に架けたはずの橋が流されてしまうくらいですから、山の、沢水の驚異を感じてしまいました。
年間1,000人以上の登山者が通る登山道で、毎年繰り返される事態に、早い「永久橋」の建設が待たれるところです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/08/d20030830b.html
再び、白高地沢の橋が流出しました。。。
2003-09-02
こんなに頑強に架けた橋が… 03.8.29
今朝8時頃、蓮華温泉ロッジのオーナー・田原さんから連絡がありました。
「登山者の方の話によると、白高地沢の橋がまた流されたらしい。。」
8月31日の日中〜9月1日未明にかけて降った大雨…富山県地方には大雨・洪水警報が出された程で、平地でも道路災害や浸水の被害などが大変だったようですが、山間部のそれは驚異的なものでした。
それにしても、仮橋とはいえ、8月29日に架けたばかりの頑強なはずの白高地沢の橋が2日しか持たなかったとは。。。
荒れる風や雨の様子を見ながら、内心かなり心配はしていたのですが、「まさか…」と続く言葉がありませんでした。
今年の天候は、確かに異常かもしれません。
この数日間断続的に降り続いている大雨は、まるで“梅雨末期”か台風の豪雨を思わせるような激しい降りようでした。
それに加えて、例年でしたらとっくに消えているはずの雪が、この北アルプスの最北端では未だそこここに残っているのです。
台風並みの大雨と強風が、それら雪融けの水を伴って、濁流・激流となって白高地沢を流れ下って行ったのは間違いありません。
父の代からずっと白高地沢の橋架けに携わって来ていますが、ベテラン作業員の方々の手によって架けられた橋が、いとも簡単に流されてしまったという話は、聞いたことがありません。
それ程に自然の“猛威”“脅威”には驚かされます。
しかし考えてみれば、瀬戸川や白高地沢は、小蓮華岳や鉢ヶ岳、雪倉岳や赤男山、そして朝日岳や長栂山といった、北アルプスの最北端の山々を源として、そこから流れ落ちる雪渓の雪融け水を集める急流に違いないのです。
登山者の方からの情報だけでは、正確な状況判断が出来ませんので、第一報を受けてから、孝太とひろクンが急遽現場を見に行きました。
今日は雨の止み間に、遅れている草刈りに出掛けようとしていた矢先に、蓮華温泉からの連絡が入りましたので、予定を変更しての出動となりました。
夕方、彼等が帰って来れば詳しい状況が分かりますので、またお知らせ致します。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/09/d20030902a.html
いろいろなご意見、有り難うございます!!
2003-09-02
“蓮華鉱山道”に架かる橋 (昨年の様子) 02.9.10
「白高地沢の橋」云々について、掲示板に様々なご意見を頂戴しています。
現時点では、皆様のご意見に対して、私の未熟な意見をこれまた未熟な筆でこれ以上載せるについては、かなり反響も大きいことと思い、それに付いては暫く差し控えさせて頂きたいと思います。
皆様各人各様、立場も違えば、「山」や「自然」に対する様々な思いや信条も十人十色おありだと思いますが、それぞれのご意見については私なりに真摯に耳を傾け、今後の参考にさせて頂くつもりでおります。
多分、「白高地沢の仮橋」の様々な事実についてご存じない方々からの、一般論・総論だけを集めた議論では、少し話が大きくなり過ぎるような気がします。
ただ、白高地沢についてだけに限定して述べさせて頂くなら…
「県」が違い(朝日小屋は富山県・白高地沢は新潟県)、蓮華温泉からの方が道のりとしても断然近いはずのその地に、何故朝日小屋が関わり、今のように仮橋について全責任を負ったようなことになったかについては、いろいろな経緯があるようです。
亡父が永年、何故損得を全く抜きにして白高地沢の橋架けに心血を注いだかといえば、それは『登山者の皆さんの安全の為』であったかと思います。
実は、昨日蓮華温泉ロッジに「橋流出」の一報を届けた登山者(2人組と聞いている)は、雪倉岳避難小屋に泊まった後朝日岳山頂経由で、9月1日に蓮華温泉へ下山中白高地沢を通過。しかし、橋はすでに流されてしまった後。
白高地沢は徒渉も出来ないあまりの激流に様相を一変していた為に、ずっとまんじりともせずに水嵩の引くのを待っていて、蓮華温泉に辿り着いたのは深夜の0時だったと聞きました。
一歩間違えば、確実に「遭難」です。
私が、「白高地沢仮橋の設置及び撤去」に関して、所轄の行政担当係から金額にして一体いくら貰っていると思われますか?当該の人夫賃や材料費を、はるかに下回る額しか支払われていないのが現状なのです。
前掲の“蓮華鉱山道”の瀬戸川には、相当の予算を付けて、昨年立派な橋が架かりました。
今年のシーズン前、行政の担当者に「年間100人程しか通らない“蓮華鉱山道”の瀬戸川にあんな立派な橋が架かったじゃないですか!?それだったら、その10倍以上の登山者が通る白高地沢に、何故もう少しお金を掛けようと考えて下さらないのですか!?」と詰め寄りました。
そうしたら、その担当者は「あそこは、以前に事故がありまして…」と答えました。
「事故がなければ、改善がなされない」というのは、全く情けない話です。
それだったら、山小屋として出来る限りのことをして登山者の安全を確保していこう、というのが私達の責務だと思っています。
その為に仕事をしているのが、私たち山小屋なのではないでしょうか。
事故が起こってしまってからでは遅いのです。
私は、「自然」を壊そうと思ったことはありません。
「安易」に、「金銭」のことだけを思って、橋の在り方について議論しようと思ったこともありません。
先日の流出の時も、山ちゃんとひろクンは8月27日に橋の状況を偵察に行き、29日には早朝から朝日小屋を出て白高地沢まで行き、橋架け作業を終えて夕方5時過ぎに小屋へ戻って来ました。
そして今日は、孝太とひろクンがまたまた状況を把握する為、五輪尾根を下り、カモシカ坂を走り下りて現場へ行っています。
誰も文句は言いません。愚痴も言いません。それが自分達の仕事だと思っていますから。
でも、「山小屋管理人」の私にとって、登山者の皆さんの安全の確保は第一に大切なのはもちろんですが、アルバイトのみんなが事故なく怪我なく一日の仕事を終えて戻るまでも、この日中は何だか落ち着かないのです。昨シーズンの橋架け作業中の、哲也の怪我のこともありますから…。
…そういえば、昨年も「木道」についての議論がいろいろありましたね。
…またまた議論を呼びそうな内容の話しを、取り留めもなく書いてしまいました。
…でも、やっぱり少し書かずに居られませんでした(苦笑)。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/09/d20030902b.html
白高地沢の状況
2003-09-03
仮橋の架かっていた箇所の様子 … 蓮華温泉側から朝日岳側を見る
土台にしていた大岩、頑強に積んであった蛇籠とも、面影・跡形もなく 03.9.2
昨日、孝太とひろクンが白高地沢の状況を見に行って来ました。
それによると、(前回の8月27日の時もそうだったのですが)川の流れや川岸の様子、岩の位置などは以前と比べて顕著に変化しており、仮橋を架ける際に土台にしていた大岩も頑強に積んであったはずの蛇籠とも、全く面影・跡形はなかったそうです。
また、橋板として組んであった3本の板は、1本がそれぞれ約7メートルあったのですが、3本がバラバラになり、また砕けてしまって1メートルそこそこの長さに折れてしまっていたとのこと。
いかに川の流れが急で、恐ろしい力で橋全体が持っていかれたか、衝撃の強さが窺えます。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903a.html
橋の復旧について
2003-09-03
砕けてしまった橋板 03.9.2
激しい流れの中で、上流から転がって来た何トンもある大岩が直接橋板にぶつかったのか、あるいは、浮き上がった板が大岩に叩きつけられたものと推測されるが…。
仮橋の復旧については、昨日から、糸魚川市役所の担当者と話を進めています。
今回の仮橋の流出で、今までシーズン初めに架けて冬になれば撤去して、大切に使用して来た橋板その他が、完全に使い物にならなくなりました。
また冬の間道具類その他をしまって置いた場所も(絶対に安全とされていた場所にあったのですが)、前回の流出の際に壊されてしまい、大切な道具類も一緒に流されてしまっています。
また頑強に作ったはずの蛇籠なども、今回ほどの雨量プラス雪融け水(今まででも、最大級の流れであったのではないか)では強度あるいは工法を考え直さなければいけないのではないかという問題も起きています。
白高地沢に関しては、『中部山岳国立公園』内にあります。
今までは、限られた予算・人員・日程の中で、朝日小屋として出来る範囲で、出来るだけのことをして来たつもりでしたが、もし万が一、登山者が橋を通過中に何かあったら等などと考えると、これからは糸魚川市役所・新潟県・環境省とも諸々について相談していかなければいけないと思います。
新潟県糸魚川市役所の担当者では、5日に現地調査をし、その後早急に対応を協議すると話しています。
しかし、今回の場合については人員の確保・材料や物資の調達・工法の検討もさることながら、ヘリコプターを飛ばしての物輸が不可欠になりそうなので、予算面でも詰めた話が必要でしょう。
いろいろと事案が解決されるまで、もしかしたら暫く日数が掛かるかもしれません。
特に連休には多くの登山者の方が白高地沢を通過されることが予想されますので、とにかく事故が起きませんよう、朝日小屋としては、連休前の一日も早い復旧を願っています。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903b.html
白高地沢の『徒渉』について
2003-09-03
仮橋が架かっていた付近から、上流を見る 03.9.2
白高地沢では、今しばらくは『徒渉』を余儀なくされます。
登山については、元々各人の力量に左右される部分が多いのはもちろんです。
『徒渉』に関しては、もしお問い合わせがあってもその日の気象状況、各パーティーやリーダーの力量等などによって条件はまちまちですから、朝日小屋が「渡れますョ」「無理じゃないですか」という判断は出来かねます。
しかし、雨が降っていない場合で水量・水嵩とも多くなければ、白高地沢の徒渉は比較的容易に出来ることもあります。
現に、昨日も(かなり水量が減っていた)白高地沢を徒渉して登って来られた方、下山された方がいらっしゃっいました。
ただし、ここ最近はしばらく未だ天候が不安定な日が予想されそうです。
今日も、朝から雨。時々強く降っています。
『徒渉』に当たっては、くれぐれも慎重に、渡れそうな場所を見つけて下さい。
今現在では、ポイントとしては、朝日岳側の登山道入り口に標識が立っていますから、そこより上流部が渡り易いのではないかと思われます。
また、パーティーの装備としてロープの携行なども検討された方が良いでしょう。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903c.html