北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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ごめんなさいネ!!!

2003-11-14

トウヤクリンドウ   雪倉岳で   03.8.27

 トウヤクリンドウ   雪倉岳で   03.8.27

 10月末からの2泊3日の烏帽子岳・野口五郎岳山行、そして11月9日には朝日町民駅伝での遭対協チームの活躍。
 毎日書かなくてはと思いつつ、なかなかパソコンに向かえない私です。。。

 先週の友邦さんのパーティーから続けて、今週はひと足早い忘年会やら何やら、夜の遅い日々が続いてかなりペースが乱れてしまっています。 …トホホ…

 今日こそは書かなくては、と昨日から意気込んでいたのですが、大事な内容はまたまたお預けになってしまいました。

 今日は、「誕生日記念山行」で一人で何処かの山へ行こうかと考えていたのですが、明日『雨飾山』へ行くことが急遽決まりましたので、予定は変更になりました。

 明日は「初めての雨飾山」です。
 楽しく行って来ます。

 また、報告します…と言っても“アテにしないで”待っていてください!
 待ちくたびれている皆さん、もう呆れてしまっている皆さん、本当にゴメンなさいネ!!

15日、雪化粧の雨飾山(1963.2m)へ

2003-11-16

石仏と祠が祀られた山頂(北峰)から、朝日岳を見る    03.11.15

 石仏と祠が祀られた山頂(北峰)から、朝日岳を見る    03.11.15

 「へぇ〜っ、ゆかりちゃん、雨飾山へ行ったことないの!?」
 
 そうなんです。私、「深田久弥の日本百名山」とされる雨飾山には未だ登ったことがありませんでした。 
 富山県の東端にある我が町からは比較的近いので、私の周辺の皆さんは行っていらっしゃるようですが、私には今まで縁の無い山でした。
 そんな話をしていたら、いつか一緒に行きましょうと言って下さっていたのが、一昨年中俣新道へ連れて行ってもらった糸魚川の平石さん。
 なかなか平石さんとの都合が付かずにいたのですが、やっとその念願が叶い、雪化粧したステキな雨飾山へ登ることが出来ました。今回は、平石さんや昨年12月に戸倉山へご一緒した糸魚川の山好きの皆さん達4名と私、計5名での山行となりました。

 小谷温泉から・雨飾温泉から・そして大網からと、どのコースから登ろうかということでしたが、今回は雪もあるという条件の中、一番ポピュラーで、しかも南斜面だから雪の状態が良いのではないかという判断で、小谷温泉からのコースを選んでの山行となりました。
 「百名山ブーム」の中、夏山シーズン中の週末ともなれば“行列”の出来るコースと聞いていましたが、やはりシーズンを外れて雪もありましたので、行き交う登山者の皆さんは少なく数パーティーのみ。

 キャンプ場近くの駐車場からの登り始め付近でも、すでにうっすら雪が残っていたり氷が張っていたりして、山はとうに冬支度。またブナの林も、すでに葉が枯れ落ちてしまい、そのため山全体がどこか白っぽく映っています。
 樹林帯の中を抜け荒菅沢近くに出ると、いきなり視界が広がり雨飾山の山頂へ向かう稜線が目の中に飛び込んで来ました。樹々が丸坊主に近くなっているので、かえって周りの山々の様子が良く分かります。
 急登の途中からは、雪を被った焼山が青空に向かって聳え、また遠く鹿島槍ヶ岳の双耳峰をはじめ後立山連峰の峰々が確認出来ました。
 笹平に出た頃には強風が吹き始め、気温もずい分と下がって来たようでした。しかし、平石さんの「ゆかりさん、山頂へ行ったらもっと良く朝日岳が見えますよ!」の声に励まされ、歩き始めから4時間足らずで、“北アルプスの大展望”雨飾山の頂へ。
 少し雲も出て来ましたが、それでも山頂からは360度のパノラマが楽しめました。特に、青空に浮かんだ雪の白馬岳や雪倉岳、そして朝日岳の眺めの素晴らしかったこと!!
 山頂でしばし眺望を堪能した後は、強風と寒さのために、昼食もそこそこにして出発となりました。
 笹平から山頂付近にかけては、15cm前後積もった雪がありましたがかなり融けてシャーベット状になっていました。しかし、それも陰に行くと冷え込んで来て凍っていたりして、急斜面ではかなり慎重な行動が必要でした。
 帰路は、なめこ探しなどしながらゆっくり下山。約3時間程で、駐車場まで戻りました。 午後から下り坂という天気予報が心配でしたが、ほぼ快晴の中での楽しい山行となりました。
 
 『初めての、雨飾山』…う〜ん、ステキな山でした!!

山頂(南峰)での記念撮影

2003-11-16

寒さに震えながら…

 寒さに震えながら…

  それでも、しっかり笑顔でカメラに収まる私です!!

 ちゃんと、三角点にもタッチして来ましたョ。 
 バックには、糸魚川市の街並みと青く広がる日本海。
 今回は、山頂付近が強風と寒さでしたので、皆さんでの記念撮影も出来ずじまいで残念でした。

冬の装い。。

2003-11-16

雨飾山山頂への稜線を望む   荒菅沢近くから  

 雨飾山山頂への稜線を望む   荒菅沢近くから  

 まるで、涸沢のような雰囲気ですネ。
 一番左端の尖って見える奥に、山頂があります。

朝日町民駅伝に「遭対協チーム」が出場し、大健闘!!

2003-11-17

小雨の降る寒さの中、健闘した「遭対協チーム」   03.11.9

 小雨の降る寒さの中、健闘した「遭対協チーム」   03.11.9

 ご報告が大変遅くなってしまいましたが、去る9日(日)朝日町一円で行なわれた朝日町民駅伝に「朝日岳方面遭対協チーム」が出場し、大健闘しました。
 競技は、“ヒスイ海岸”としても名高い朝日町宮崎海岸のオートキャンプ場をスタートし、町総合体育館をゴールとする全6区間で争われました。
 その中で「遭対協チーム」は、中学生や高校生たちの若者チームや町内の“足自慢”たちが走るクラブ対抗の部にエントリーして4位、総合でも20チーム中7位という成績で頑張りました。
 当日は、
  1区 … 谷口 和幸  (県警山岳警備隊・隊員)
  2区 … 清水 直樹  (遭対協・救助隊員)
  3区 … 古崎 富裕  (県警山岳警備隊・分隊長)
  4区 … 宮川 哲朗  (N署勤務)
  5区 … 藤岡 博和  (遭対協・救助隊員)
  6区 … 前原 五輪雄 (朝日町役場・教育委員会)
という素晴らしいメンバーで、必勝を期して臨みました。
 1区の谷口隊員は、この一年で走り込みを通じて体重をグッと落とし、最近はかなり絞り込まれた体格に。自信を持ってスタート地点に立ち、上位で後続にバトンタッチしました。
 2区の清水隊員は、並み居る強豪の中でも大健闘。救助隊メンバーの中でも、元々“山の実力”を備えている彼だけに、山だけでなくロードを走る力も「さすが!」でした。
 3区の古崎分隊長。若干「キツそう…」ではありましたが、奥様と二人の可愛い子ども達の声援に後押しされて、上り坂の大変な区間を良く踏ん張ってバトンを繋ぎました。
 4区の宮川さん。今秋には、古崎分隊長や谷口隊員他N署の皆さんと一緒に朝日岳登山に来て下さいました。元々“ランナー”だというだけあって、実力はピカイチ。成績は、堂々の『区間1位』でした!!
 5区の藤岡隊員。この日記の中でも、「朝日岳方面遭対協のホープ」として5月の訓練の記事で紹介している彼。フリークライミングの実力はかなりなのですが、ロードでは少々苦しみながらも果敢に走り抜けてくれました。
 そして6区の前原先生。昨年は「朝日小屋チーム」にエントリーして下さいましたが、今年は「遭対協チーム」のアンカーとして大活躍。元々高校の陸上部顧問をしておられて、名前の由来も“オリンピック(五輪)の年に生まれたから”付けられたというだけあって、走りたくて走りたくてしょうがないといった様子。現役中学生や地区代表などの強豪揃いの最終区で、見事な3人抜き!!
 スタートから小雨が降り出し肌寒い悪コンディションの中、怪我やリタイアもなく、目標タイムもクリアし、また昨年を上回る好成績に「遭対協チーム」の実力はさすがでした。サポートとして車で走り回った大和隊員他、“週末従業員”のひろみちゃん、奥様や子ども達の力強い応援も利いていたのではないかと思います。
 来年も更なる飛躍を、と期待しています!!

『おやまのお・や・つ』

2003-11-19

初冬の「栂海新道」   栂海山荘から朝日岳方面を望む   03.10.25 

 初冬の「栂海新道」   栂海山荘から朝日岳方面を望む   03.10.25 

 上の写真は、10月25〜26日の栂海山荘小屋閉めに参加した孝太が写してくれたものです。当日私は、遭対協の秋山訓練に参加していましたので、栂海山荘の小屋閉めには孝太が行っていました。
 
 さて皆さん、“山と渓谷”12月号をご覧になりましたか!?
 276ページ、『おやまのお・や・つ』というコーナーで、あの銘菓『栂海新道』が紹介されているのです!!
 
 このコーナーは、山に行ったら必ず帰りに食べるおやつや、アプローチの途中に必ず立ち寄って買っていくおやつなど、「あなたのとっておきの・山のおやつ」を紹介する欄だそうです。(今回が、最終回!)
 以前からこの日記の中でも紹介していますが、この『栂海新道』を作っているのは、(ホンモノの)栂海新道の海側の玄関口・新潟県青海町のJR青海駅前にある長野屋さんというお菓子屋さん。奥様のひとみさんとは私も何度も栂海新道を一緒に歩いていますし、また今年の5月にはご主人の公博さんに船に乗せてもらって“イカ釣り”に挑戦した私です。
 肝心のお菓子の紹介その他は、本を読んでいただくとして…。
 そうなんです、『栂海新道』は朝日小屋で売っているんですョ!!
 朝日小屋においでになった方なら、受付横に並べてある『栂海新道』を実際に見られた方もいらっしゃるでしょう。そして、「栂海新道を歩いた記念に!」と買っていかれたお客様も。中には、下山後わざわざ長野屋さんのお店に立ち寄って「知人にお土産として配りたいので」と大量購入していかれる方たちもいらっしゃるとか。
 やはり、北アルプスの最北端・朝日岳と日本海を繋ぐ栂海新道のルートを歩くのは、登山者の皆さんにとって“憧れ”のようですネ。「長い間の夢でした!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。そして「お菓子は、栂海新道の途中で食べます!」という方も。
 銘菓『栂海新道』は、山のおやつ、特に行動食としても申し分ないと思います。また、栂海新道を歩いた自分への記念やご褒美として、お土産にも最適です。私も時々知人への進物などに使わせてもらいます。
 ひとつひとつ時間をかけた手作りで、とても丁寧に仕上げてある上品なお菓子です。何よりも、栂海新道をこよなく愛している地元のお菓子屋さんご夫妻の深い愛情と温かいお人柄が伝わってくる一品だと思います。
 それから、長野屋さんで作っている「越後名物・笹団子」。これがまた美味しい!! こちらも、笹の風味が豊かで山行中でも保存が利くので、行動食にお薦めです。 
 ぜひ一度、味わってみてくださいネ。

初めての「北アルプス・裏銀座」…烏帽子岳・野口五郎岳

2003-11-21

烏帽子小屋  左側の一部が冬期小屋に解放されている  03.10.30

 烏帽子小屋  左側の一部が冬期小屋に解放されている  03.10.30

 「表銀座」「裏銀座」…えっ、何のこと!?
 管理人になるまでは朝日岳周辺しか知らず、「北アルプス縦走」とは無縁だった私。北アルプスに「銀座」があって(東京の銀座へも行ったことが無いのに・苦笑)、しかも“裏”も“表”もあるなんて…。でも、誰が名付けたのかしら??。
 
 「ゆかりさん、烏帽子へ行くんですけど、行きますか?」
 写真家の森下 恭さんにそう言って誘われても、「はぁ。。。烏帽子岳。。。」
 でも何処でもと言ったら語弊があるけれど、今の私の実力で行ける山で、ちゃんとしたガイドさんに同行してもらえるのなら、今は何処の山へでも行ってみたい…少々“ミーハー”な考えながら、初冬の2,600mの北アルプスに連れて行ってもらうことになりました。
 
 「何処から登るの? えぇ!、“ブナ立尾根”?? おいおい、北アルプス3大急登だョ。大丈夫か!?」
 「今の時期だぜ、大丈夫かい!? お前は“山の怖さ”を知らないから。。。」

 行こうと決めたその決心がぐらっと揺れるような、そんな忠告を周りから聞かされながらも「何度か一緒に歩いた森下さんが大丈夫だと言ってくれるのだから、何とかなるだろう。都合が悪かったら、引き返せばいいんだから」
 不安もありながら、当日まで私なりにガイドブックを読み、体調を整え、持ち物の点検などに余念がありませんでした。

 今回は森下さんの写真撮影が目的でしたので、当初は11月3日からの山行予定でしたが、新雪が降った後の烏帽子岳に登るため、週間天気予報を睨みながら10月30日から2泊3日で入山することになりました。

 10月29日は、夕方森下さんと大町で待ち合わせをして食料などの買出しをした後、葛温泉七倉の七倉山荘に宿泊、翌日に備えました。高瀬ダムまではタクシーで入ることになりましたが、今の時期は東京電力が管理しているゲートが8時にならないと開かないというので、29日は「初めての裏銀座」入山に備えてゆっくり休みました。

ブナ立尾根〜烏帽子小屋〜南沢岳(往復)

2003-11-21

烏帽子岳(左)と南沢岳。そしてその間から奥には、立山の山並み   03.10.30

 烏帽子岳(左)と南沢岳。そしてその間から奥には、立山の山並み   03.10.30

 10月30日。降雪の予報は大ハズレで、どこまでも青空が広がる秋晴れ。
 となると…新雪で水を作るという計画がダメになったため、結局は3日間の二人分の水を7リットル近く担ぎ上げることに。2泊3日の山行で冬期小屋に泊まるわけだから、いくら担げない私でも全部を森下さんに持ってもらうわけにはいかず、シュラフの他に軽めの食料やらを持って、やっぱりそれなりの荷物になりました。

 「初めての山」というのは、やはりかなりの緊張感があります。それでも、登り口にあった“裏銀座コース・入口”の看板に、何故かえらく感激してしまった私。
 「北アルプス3大急登」…考えてみれば、01年には急登で名高い“笠新道”も登っているわけだから、何とかなるだろうと自分に言い聞かせながらの登り始めとなりました。
 いつもながら「ゆっくり、ゆっくり」と呪文のように繰り返しながら、ペースを守って歩きます。北又からの恵振山の急坂と比べてどうかしら、これが3大急登なんだ、そう考えながら登っていくと案外知らないうちに高度を稼いでいけたように思います。
 すでに葉を落とした冬枯れのブナの木立ちの中を行きますが、ふっと気付くといつの間にか辺りは針葉樹林帯に代わっています。途中からは唐沢岳や七倉岳がよく見えるようになり、しばらく行くとダケカンバの幹が聳えてきて青空に枝を伸ばしていました。
 稜線が近づくようになると、登山道にも雪が付いていました。最初の軽快なペースもそろそろダウンしそうだな、最後まで持つだろうかと思い始めた頃、尾根道を登りきって稜線に上がることが出来ました。
 途中で昼食をとっても、濁沢の登り口からの所要時間は約4時間半少々。遅足の私でも、ほぼコースタイム通りでした。

 「ひと休みしたら、南沢岳へ行って来ましょう」
 「はぁ。。。」
 いつもだったら小屋へ着けばその日の行動は終了するのですが、今回は撮影が目的の森下さんでしたから、夕照の時間に合わせて南沢岳まで往復するとのこと。
 辿り着いた烏帽子小屋の冬期小屋では、シュラフを広げたり食器を出したり灯かりの準備をしたりして、後はヘッドランプと雨具や防寒具などを用意して南沢岳へ向かうことになりました。

 快晴とはいえ、10月末の2,600mを超える北アルプス。数日前に降ったであろう積雪は、稜線では深い所で20cm以上あり、また午後3時を過ぎていましたから日陰では雪もガチガチに凍っていました。
 「烏帽子岳の頂上はどうしますか?」…雪の無い時期なら、クサリの連続する登下降も大丈夫だと思いますが、雪が付き気温もグッと下がってきた今回は、烏帽子岳山頂は諦めることに。
 陽が傾き始めた頃、南沢岳に到着しました。早速、森下さんは撮影開始。
 陽が沈む直前、夕照に映える七倉岳、船窪岳、そして針ノ木岳、遠く連なる北アルプス・後立山連峰の峰々。はるか遠くには白馬岳までが確認することが出来ました。
 そして、黒部湖を挟んでは立山連峰が連なります。赤牛岳の向こうには薬師岳、そして立山・剱岳の山並み。
 私も寒さで震えながら、沈んでいく夕陽とどこまでも連なる山々にいつまでも見入っていました。
 烏帽子小屋までの帰路は、陽も沈んでしまってさすがに真っ暗。片道約1時間半近い道のりは、少しの月明かりとヘッドランプを頼りの行動となりましたが、6時半近く無事に小屋に戻りました。
 初めての「冬期小屋」は思ったよりなかなか快適で、夕食は例によって森下さん得意のキムチ鍋。重いのであまり持てなかったアルコールですが、少々の梅酒を口にし、キムチ鍋で冷え切った身体を温めて、早々シュラフにもぐり込みました。